韓國人は中國を過不足なく認識すべきだ―「チャンケ主義の誕生」の著者が説く

中國新聞社    2022年8月20日(土) 19時0分

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韓國?光云大學の金希教(キム?フイギョ)教授は、韓國人の対中観には問題があると考えている。金教授は中國に留學した経歴もあるなどで、専門家としても現(xiàn)地での生活経験者としても中國を極めてよく知る人物だ。

ネットの世界では中國人ユーザーと韓國人ユーザーが“激突”する現(xiàn)象がしばしば発生している。もちろん、中國人の全員と韓國人の全員が互いに相手を憎み軽蔑しているわけではないが、雙方で相手に対する悪感情が「爆発」する現(xiàn)象がしばしば発生しているのは事実だ。

米中関係の東アジアに対する影響などを研究する韓國の光云大學の金希教(キム?フイギョ)教授は中國に留學した経歴もあるなどで、専門家としても現(xiàn)地での生活経験者としても中國を極めてよく知る。韓國で出版された金教授の「チャンケ主義の誕生」は、韓國社會の中國観についての問題提起だ。チャンケの本來の意味は「(店など)の主人」であり、理由については諸説があるが、韓國では中國人に対する蔑稱(べっしょう)として用いられている。金教授はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、韓國における対中観についての持説を改めて紹介した。以下は金教授の言葉に若干の説明內容を追加するなどで再構成したものだ。

■近隣國である韓國では「中國脅威論」で緊張の度合いを高める人もいる

「チャンケ主義の誕生」を世に問うた時には、二つの狀況を覚悟した。一つは、世間から何の反応もないことだ。この本では主に、中國問題についての韓國への批判を書いた。そのような批判は見なかったことにしたいという心理が働くかもしれないと考えた。逆に批判が寄せられるかもしれないとも思った。現(xiàn)在の韓國の出版界では「今の中國とはどのような國か」をテーマとする書籍は少なく、あっても中國の一面だけを論じている。私の考えは違う。中國のよい部分はしっかりと示した方が、韓國人はより正しく中國を見られるようになると考えた。

私は復旦大學で博士號を取得した後に韓國に戻った。その後は専門の研究を続ける一方で、韓國の大衆(zhòng)に中國を客観的に見てもらおうと思い、著述活動を続けてきた?!弗隶悭螗敝髁xの誕生」の刊行は、その一部だ。

客観的に言って、現(xiàn)在の韓國人の中國に対する認識は全面的ではない。ここ何年かは新型コロナウイルス肺炎の流行の影響で、韓國の若者は中國を旅行する機會がない。特に20歳前後の若者は中國の発展や経済における達成を自分の目で見ておらず、目にするのはネットで見られる中國だけだ。ネットには中國に対する偏見をあおるような記述もある。そのため、韓國人が中國を誤解しやすい狀況が強まっている。

また、西側には中國を「恐ろしい國」と決めつける、いわゆる「中國脅威論」を流すメディアがある。韓國は中國の近隣國だ?!钢袊{威論」に接して緊張の度合いを高める人もいる。だか私は、より多くの人に真実に基づき全面的に中國を見てほしいと望んでいる。中國が一貫して堅持しているのは平和的発展であり、中國が侵略や覇権爭いの道に進んだことはない。私は中國が今後も侵略や覇権爭いの道に進むことはないと信じている。

■民族感情だけで「嫌いだ」と主張するのは人種差別主義

中國に対する一面的な認識が“社會の空気”になれば、中國が韓國の経済発展にどれだけよい効果をもたらしても、平和體制の構築に貢獻しても、誤解に基づく中國への悪感情が醸成されてしまう。

このような方向は韓國にとってマイナスだ。韓國は多國間主義的秩序の恩恵を受けてきた國であり、米國にやみくもに追隨して中國との対立あるいは「新冷戦」という局面を目指すべきではない。私の考えでは、中國が提唱する平和的発展と多國間主義の道筋こそが國際秩序の正しい方向だ。

より広い視野から言えば、どの國にもさまざまな面がある。長所もあれば短所もある。民族感情だけで、「この國は嫌いだ」「この民族は嫌いだ」と主張するのは誤った人種差別主義だ。他國の欠點を指摘するならば、具體的な政策や現(xiàn)象についての言明でなければならない。ところが現(xiàn)狀では、単純な偏見に基づいて主張をする人がいる。これは危険だ。

今年は中國と韓國の國交正常化30周年だ。両國は交流することで、この30年の間にそれぞれ大きな利益を得た。特に経済分野では、両國は互いに交流しつつ長足の進歩を遂げた。

■韓國では、ポータルサイトに掲載される記事への依存度が高い

私は韓中が引き続き経済連攜を強化し、雙方の民衆(zhòng)が経済交流の成果を享受することを願う。そうすれば、韓中交流の重要な意義が事実によって証明されることになる。また、新型コロナウイルス感染癥の流行が落ち著いた後、韓中が可及的速やかに人と人の対面交流を再開することを願っている。人と人との現(xiàn)実空間での交流では、ネットを介して交流よりも多くを得られるはずだ。

私は、韓國の若者が中國に行って実際の中國を見れば、中國を毛嫌いしなくなると信じる。同時に、中國の若者に韓國についてもっと理解してもらえば、雙方の文化交流を促進することができると信じる。そうなれば、相互の庶民感情も改善される。そのことは、政治的な相互信頼や相互交流を推進につながるだろう。

メディアの役割についても論じておきたい。このデジタル時代を生きる大衆(zhòng)は、情報入手をほぼ全面的にモバイル通信機器に依存している。特に韓國では、ポータルサイトに掲載されるメディアの記事への依存度が高い。メディアは両國関係を構築する上で非常に重要な役割を擔っている。両國のメディアが事実に基づいて報道し、バランスの取れた視點で議題を設定し、韓中交流のために友好的な世論環(huán)境を構築することを希望する。

いずれにせよ、韓國と中國は切っても切れない隣國だ。國交が成立してからの30年は始まりにすぎない。今後は長い時間をかけて関係をさらに深めねばならない。私は常に、多くの韓國國民がよりよい世界を目指す夢を持ち、より理性的に中國を見るようになると信じる。中國人には、韓國でも多くの人々が敵対や衝突を乗り越えて和解と平和を達成することを願い、平和で友好的、多國間発展の素晴らしい世界を期待していることを覚えておいてほしい。(構成 / 如月隼人

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