冬にスキーを楽しむ人たちは、夏になると何をして遊ぶのだろうか？ちょっとしたスペースさえあれば、楽しく走り回ることのできる「フライングディスク」が今、北京の若者の間で目新しいスポーツとしてますます人気を集めるようになっている。

フライングディスクの遊び方にもいろいろあり、敵、味方に分かれて1枚のディスクをパスしながら運(yùn)び、エンドゾーンを目指すアルティメットも人気の競(jìng)技だ。いろんなスポーツの特徴をまとめたような競(jìng)技で、バスケットボールのようにディスクを持って歩くことはできず、サッカーのようにコート全體を走り回り、ラグビーのようにエンドゾーンを目指す。試合で、プレーヤーは息を合わせて、ディスクをパスしながら運(yùn)び、走る?投げる?跳ぶといったさまざまな能力が要求されるほか、チームワークの高さも求められる。

フライングディスクは、パスして受ける人がいれば、どこででも、何人ででもでき、競(jìng)爭(zhēng)性は低いものの、とても楽しめるスポーツだ。アルティメットの試合は、審判がいなくても進(jìn)めることでき、反則が疑われても、両チームで話し合って合意すれば、そのまま続けることができる。誠(chéng)実で信頼できる態(tài)度を示して、互いに尊重し合い、自分たちで判斷しながら公平にゲームを進(jìn)めるスタイルであるため、互いに知らない仲だったとしても、すぐにコミュニケーションをとるようになり、親睦を深めることができる。

中國(guó)フライングディスク推進(jìn)委員會(huì)の薛志行副秘書長(zhǎng)によると、フライングディスクが中國(guó)で登場(chǎng)してすでに約20年になり、北京?天津?河北省、長(zhǎng)江デルタ、珠江デルタが愛好者が多い地域となっており、現(xiàn)時(shí)點(diǎn)でプレイヤーの數(shù)は50萬人に達(dá)している。また、民間クラブや高等教育機(jī)関のチーム、関係企業(yè)などが、フライングディスクの発展推進(jìn)において重要な役割を果たしている。

上海超光速クラブは、フライングディスク愛好者が立ち上げ、5カ月で會(huì)員3000人が集まった。同クラブは、月に1回、スペシャルテーマの大會(huì)を開催し、1週間に1回、固定のチームが參加するリーグ戦を開催している。また、バラエティーに富んだオフラインイベントを企畫して、幸先の良いスタートを切っている。

同クラブの創(chuàng)始者?劉笛揚(yáng)さんは、「參加者はそれぞれのコミュニティーグループでフライングディスクを楽しみ、そこからまた自分でコミュニティーグループを立ち上げる人が出てくる。將來、新しい力になるような人がいつもおり、フライングディスクチームの規(guī)模は拡大するばかりだ」と話す。上海で中國(guó)初の女性フライングディスクチームを立ち上げたベテランプレイヤーの郭騂さんは、「女性が他の人と一緒に練習(xí)し、試合に參加すると、自信をつけ、レベルアップすることができ、そしてずっと続けていく人も多くなる」と話す。

大規(guī)模な大會(huì)開催は、ニッチなスポーツが多くの人に知られる良い機(jī)會(huì)となる。中國(guó)國(guó)家體育総局社會(huì)體育指導(dǎo)センターによると、第1回中國(guó)フライングディスクリーグ戦が今月から來年の5月まで開催される予定で、末端コミュニティーや企業(yè)?事業(yè)機(jī)関、社會(huì)団體、學(xué)校などのチームが申し込むことができる。業(yè)界関係は、フライングディスクが2028年ロサンゼルス五輪で新種目になることを期待している。薛副秘書長(zhǎng)は、「五輪新種目となれば、中國(guó)のフライングディスクプレイヤーはさらに増えるだろう。また、関連スポーツ産業(yè)チェーンが伸びる機(jī)會(huì)ともなるだろう」と話す。

中國(guó)では近年、屋外スポーツが大ブームとなっており、フライングディスクが市場(chǎng)の扉を真っ先にこじ開けた。そして、その他のニッチなスポーツも商機(jī)を嗅ぎつけて、陣地拡大を加速させている。技術(shù)的ハードルが低く、必要なグッズも少なく、運(yùn)動(dòng)効果も高いというのが、そのようなスポーツを楽しむほとんどの人の共通の感想だ。

他のスポーツのプレイヤーも気軽に始めることができるというのも、新興スポーツの人気の秘密だ。フライングディスクのベテランプレイヤー?劉偉さんによると、アルティメットの試合では、プレイヤーがコートを走り回って、パスを出したり受けたりし、1試合で約5キロを走ることになる。そのため、サッカーやフラッグフットボールのプレイヤーが、それらの競(jìng)技の練習(xí)のためにフライングディスクをしているうちに、フライングディスクに夢(mèng)中になるというケースも多い」という。

清華大學(xué)體育産業(yè)発展研究センターの王雪莉センター長(zhǎng)は、「新興のスポーツのほとんどは、ハードルが低く、手軽に始められる。また、他のスポーツのプレーヤーももっているスキルを活かすことができるほか、習(xí)うコストも安い。そのため、他のスポーツが好きな人もチャレンジしやすい。例えば、スタンドアップパドルボードやサーフスケートのプレーヤーの多くはもともとスキーやスケートボードのプレーヤーだ」と説明する。

ここ數(shù)年、中國(guó)で人気を集めているキャンプでも、フライングディスクやスタンドアップパドルボード、サイクリングなどを楽しむシーンが増えており、キャンプに行った時(shí)にそれらスポーツを楽しむというのが新たなトレンドとなっている。中央財(cái)経大學(xué)體育経済研究センターの王裕雄センター長(zhǎng)は、「新興のスポーツの人気に火がつくというは、人々のライフスタイルが変化していることの現(xiàn)れでもある。國(guó)民健康デーが多元化、個(gè)性化、ファッション化しながら発展するにつれて、さらに多くのニッチなスポーツが活力を放つようになると確信している」とした。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KN）