文化勲章をはじめ多くの栄譽(yù)に輝いた俳優(yōu)?仲代達(dá)矢さんが日本記者クラブで記者會(huì)見(jiàn)し、70年に及ぶ俳優(yōu)人生を振り返った。今年12月に90歳になる仲代さんは、戦爭(zhēng)體験を語(yǔ)るとともに「人間とはいとおしいもの。戦爭(zhēng)で一番犠牲になるのは庶民であり、私は絶対戦爭(zhēng)反対を言いながら死んでゆきます」と平和への熱い思いを吐露した。

仲代さんが9歳だった1941年に太平洋戦爭(zhēng)がはじまり、13歳で終戦を迎えた。何もない時(shí)代だった。「70年も俳優(yōu)を続けられたのも。大病を患わなかったことのほか、俳優(yōu)座という新劇の精神が関係しているかもしれない。商業(yè)主義的な儲(chǔ)けとか物の効率化に背を向けた新劇の世界が合っていたと思う」と振り返った。

演出家の妻?宮崎恭子さんと創(chuàng)設(shè)した「無(wú)名塾」の主演舞臺(tái)「いのちぼうにふろう物語(yǔ)」（山本周五郎原作）が9月4日から石川?能登演劇堂で再上演される。恭子さんは1996年に膵臓癌で亡くなり、1997年の初舞臺(tái)は追悼公演になった。

仲代さんは「黒澤明監(jiān)督は映畫『亂』に出演した際、トルストイの『戦爭(zhēng)と平和』のような戦爭(zhēng)を否定する映畫を撮りたいと話していたが、実現(xiàn)できずに亡くなられた」と述懐した?！赣ⅳ胂蓼陸闋?zhēng)はなくならない」「相手の立場(chǎng)をよく考えたら戦爭(zhēng)なんて起きない」という黒沢監(jiān)督の言葉が脳裏に殘っていると言う。

その上で「戦爭(zhēng)で一番犠牲になるのは庶民であり、私は絶対戦爭(zhēng)反対を言いながら死んでゆきます」ときっぱり。日中共同制作ドラマ『大地の子』(山崎豊子原作)では、中國(guó)殘留孤児の日本人実父役を演じ視聴者の感涙を誘った。

さらに、現(xiàn)今のウクライナ戦爭(zhēng)にも言及、「ロシアがウクライナに侵攻することによって戦爭(zhēng)が起きていると思うが、ロシアはなんでそんなことをしたのか。ウクライナの方も、戦い合い世界に助けを申し出ているが、それを助けたら戦爭(zhēng)がもっと激しくなると思う」と懸念した。その上で、「文化人?蕓術(shù)家として我々がやらなければならない（最大の）仕事は「（世界）平和」の実現(xiàn)であり、最後まで頑張りたい」と力を込めた。

70年に及ぶ役者人生の中で大事にしてきたことについて問(wèn)われ、「人には人間であるといういとおしさがある。普遍的なテーマとしていとおしいものであることを演じ続けたい」と語(yǔ)った。

さらにプロの役者にとして必要なのは「技」のほか、精神的かつ哲學(xué)的な「人間を見(jiàn)つめる目」と指摘、すべての基本になると述べた。

これまでに演じた中でナンバーワンと思う映畫は小林正樹監(jiān)督の『切腹』?！?jìng)€(gè)人の幸せをないがしろにする武士道を批判している點(diǎn)がいい」と理由を挙げた。

印象深かった共演女優(yōu)として高峰秀子、山田五十鈴を列挙。この二人からは「映畫は（演劇と違って）大きな聲を出す必要はない」「相手のセリフをもっと覚えなさい」などと教えられたと言い、「映畫での先生だった」と懐かしんだ。

俳優(yōu)として想い出深いのは「三船敏郎さん」と真っ先に挙げた。當(dāng)時(shí)は半年前に臺(tái)本ができていたが、「臺(tái)本を一度も（撮影現(xiàn)場(chǎng)に）持ってきたことはなかった。自分のセリフはもちろん、相手のセリフまで全部覚えていた」と明かした?！杆?cái)长寿絻?yōu)さんに恵まれ、素晴らしい時(shí)代だった」と振り返った。

戦爭(zhēng)を知る世代が少なくなる中で戦爭(zhēng)の悲慘さを継承するためにどうしたらいいかと問(wèn)われ、「私は戦爭(zhēng)には行かなかったが、戦爭(zhēng)の體験者です」と強(qiáng)調(diào)した上で、次のようにしみじみ語(yǔ)りかけた。

――今テレビを見(jiàn)たり政治の人の話を聞いていると一番不安に思うのは、「抑止力」と言いながら軍事費(fèi)、防衛(wèi)費(fèi)を上げなければいけないとかの話ばかりで、不安になる。

私の少年時(shí)代の昭和16年12月8日に太平洋戦爭(zhēng)が始まったときに、先生たちや學(xué)校に來(lái)た軍人が「日本の平和のために戦爭(zhēng)するんだ」と毎日のように言っていた。子供の頃はそうかと思ったが、「抑止力」というのはそんな大変なものなのか？

政治の世界では與黨は「抑止力」と言っているが　戦爭(zhēng)體験者として、非常に危険な問(wèn)題と思う。敵に攻め込まれないために「抑止力」を高めると言っているが、戦爭(zhēng)は「抑止」を理由に始まる。戦爭(zhēng)のきっかけにならないか非常に不安に思う――。

さらに「人間の若いころを指す『青春』という言葉がある。自分の青春は過(guò)ぎ去ったが、晩年になった今は（妻の宮崎さんが名付けた）『赤秋』だ。真っ赤に燃える『実りの秋』を精いっぱい生きていきたい」と語(yǔ)りかけた。

仲代さんの演劇と平和への情熱は全く枯れていない。記者會(huì)見(jiàn)後に示した揮毫は『平和』の二文字?！笩o(wú)名塾」で後進(jìn)の指導(dǎo)に勵(lì)み、先頭に立って平和と人間のいとおしさを追求する日々はこれからも続きそうだ。（八牧浩行）