広東省茂名市信宜水口鎮(zhèn)にある広大なブドウ園では、溫室のブドウ棚の下で、作業(yè)員がマスカットの一房一房をつぶさに観察し、熟した粒をハサミで注意深く切り取ると、皮に傷を付けないよう、ウォーターバッグを敷いたバスケットに入れていた。同園で働く梁さんは「これまでずっと果樹園で働いてきたが、粒ごとに収穫するのは初めてだ。このブドウはパッケージして販売されると、価格がすごいことになる。なんと1粒が6～8元（約120～160円）で売られている」と話した。広州日報(bào)が伝えた。

上海市浦東新區(qū)にあるスーパーで50～60粒入りマスカットのパックが300～400元（約6000～8000円）で売られていた。中國の栽培業(yè)者が少ない上、粒ごとの収穫と手間がかかることから、1日に提供できる數(shù)には限りがあるという。

マスカットがこれほど高価格で売られているのは、味のおいしさが主な理由ではない。獨(dú)特の香りがあるマスカットは、高級ワインの醸造過程で香り成分として使用される。原産地である米ノースカロライナ州では、果樹栽培業(yè)者に重視されてこなかった。というのも、生育の特徴と栽培技術(shù)がほかの品種のブドウと異なる上、粒ごとに収穫するので量産が難しく、人件費(fèi)も高すぎるからだった。ここ數(shù)年、高級フルーツ市場ではマスカットの人気が沸騰しており、その主な理由は栄養(yǎng)価に対する再評価だ。果皮、果肉、種子にはレスベラトロールが豊富に含まれ、果肉にはほかのブドウにはないエラグ酸も含まれる。市販されるこの2種類の抗酸化物質(zhì)のエキスは非常に高価だ。

現(xiàn)地の農(nóng)業(yè)當(dāng)局の関係者によると、茂名は広東省最大のマスカット生産地になった。従來のフルーツ産業(yè)の品種構(gòu)造の調(diào)整が現(xiàn)地に2つのヒントを與えた。第1に、現(xiàn)代型農(nóng)業(yè)法人が中心になれば、より効率的に農(nóng)業(yè)技術(shù)の研究開発を進(jìn)めて付加価値の高い新品種を開発できる。第2に、農(nóng)村振興の取り組みにおいて、農(nóng)村のための産業(yè)チェーン構(gòu)築により多くの選択肢を提供する。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KS）