2022年8月30日、中國メディアの環(huán)球網(wǎng)は、アップルやサムスン電子などの國際的なメーカーが一部製品の生産を中國からベトナムに移転していることについて、専門家の意見を交えながら分析する記事を公開した。

記事は初めに「Nikkei Asia（日経アジア）」など外國メディアの報道を引用し、アップルのベトナムでの生産計畫について、「米中関係の緊張や臺灣をめぐる危機といった地政學(xué)的なリスクを減らすため、中國以外での生産を増やそうと考えているアップル社の意向を受けて、同社のサプライヤーである電子機器受託製造サービス（EMS）の臺灣?鴻海精密工業(yè)（ホンハイ）と中國?立訊精密工業(yè)（ラックスシェア）が、ベトナム北部でApple Watchの試験生産を始めた。Apple Watchが中國以外の地域で生産されるのは初めて」「アップルはサプライヤー企業(yè)に対し、ベトナムにMacBookの試験生産ラインを設(shè)置するようにも要請しているが、事情通の関係者の話によると、ベトナムでのMacBook量産計畫は進展が遅いという」「アップルが2020年に公表した主要なサプライヤーのリストの內(nèi)のほぼ半數(shù)が、音響部品のAACテクノロジーズ（瑞聲科技）やディスプレーメーカー大手のBOE（京東方科技集団）などの中國企業(yè)で占められている。MacBookのようなノートパソコンの生産には大規(guī)模なサプライチェーンが必要で、そのネットワークは現(xiàn)在中國に集中している」「現(xiàn)在のMacBookの部品はモジュール化（複數(shù)の部品を組み合わせたユニット化）により生産が比較的容易になっているため、中國以外での生産は、いかにコスト競爭力を持たせるかが課題となっている」「アップル製品のベトナムでの生産は20年に、ワイヤレスヘッドホンのAirPodsから始まり、現(xiàn)在はタブレット端末のiPadも一部製造している」「アップルはスマートスピーカーの『HomePod』の試験生産ライン設(shè)置についても協(xié)議中だという」と紹介した。

また、サムスン電子のベトナムでの生産計畫について、「ベトナム北部のタイグエン省にある工場で23年7月にフリップチップボールグリッドアレイ(FCBGA)の商業(yè)生産を開始する計畫」「一見、半導(dǎo)體の高度な製造領(lǐng)域に関わるように思えるが、FCBGAは半導(dǎo)體のコア部分ではなく、コアを乗せるための基板である」と説明した。

さらに、コンサルティング會社の「デザンシラ?アンド?アソシエーツ」の國際経営部門のフィリッポ?ボルトレッティ氏の分析を紹介した。ベトナム政府や企業(yè)関係者と長く交流がある同氏は、環(huán)球時報の記者の取材に対し、「生産拠點の移転は、新コロナの情勢や政治的リスクマネジメントと関連がある」「サプライチェーンの多元化を目指す企業(yè)は、ベトナムの投資奨勵政策や労働コストの安さを重要視している」「先日、ベトナム政府は『21年～30年期の外國投資協(xié)力戦略を承認する決定書』を批準し、ハイテク産業(yè)や情報技術(shù)とセットになった産業(yè)の研究開発拠點と投資を集め、國際的な産業(yè)リンケージやサプライチェーンの上流へ上がることを目標としている」「ベトナムは、半導(dǎo)體のコア部分の生産地になれる潛在的な可能性はあるが、実際にそうなるにはまだ十年以上の時間がかかるだろう」と答えた。

記事は最後に、ベトナムが10年後には人口の高齢化問題に直面することや、技術(shù)系人材の賃金が上昇していることに觸れ、「ベトナムに投資しようと考えている外國企業(yè)は、再度産業(yè)リンケージの移転に直面することになるだろう」「ベトナムが中國のサプライチェーンネットワークをまねるのは結(jié)構(gòu)だが、現(xiàn)時點でベトナムが『世界の工場』となるには力不足であり、中國企業(yè)の補助的な役割の方が合っている」「投資家はベトナムを中國に代わる目的地と見るのと同時に、同國の限界も意識した方がよい」と評した。（翻訳?編集/原邦之）