2022年9月4日、中國(guó)メディアの観察者網(wǎng)は、中國(guó)國(guó)內(nèi)で仮想発電所（VPP）の人気に「火が著いた」と報(bào)じた。

記事は、高溫の天気により多くの水力発電所の水が枯渇する中、VPPという概念が再び注目を集めていると紹介。中國(guó)各地ではVPPの建設(shè)や投資が続々と進(jìn)んでおり、関連の株式が大きく値上がりしているほか、多くの企業(yè)がVPPの電力供給に參加し始めており、多いところでは1カ月で10萬元も稼いでいるとした。

その上でVPPについて、それ自體が発電をするのではなく「いわば、一連のエネルギー管理システムであり、発電から送電に至るまでの全セクションにおいて、管理員的な役割を擔(dān)う」と説明。VPPは5Gなどの情報(bào)技術(shù)やスマート計(jì)量技術(shù)を用いて、火力発電システムや新エネルギー発電システムを含むさまざまな発電、蓄電リソースを統(tǒng)合し、市場(chǎng)の電力ニーズに基づき柔軟にリソースを割り振る役割を果たし、ピーク時(shí)やオフピーク時(shí)の電力配分を調(diào)整することで「峰を削り谷を埋め」てロスの少ない安定した電力供給を行うことができると解説した。

そして、試算によれば、この「峰を削り谷を埋める」システムを従來の火力発電所で構(gòu)築しようとすれば4000億元（約8兆円）もの投資が必要になるのに対し、VPPでは500?600億元（約1兆?1兆2000億円）で済むと伝えている。

記事は、VPPはドイツで2009年に運(yùn)用が開始されるなど歐米で開発が進(jìn)んでいるのに対し、中國(guó)では17年に上海市で商業(yè)建築向けVPPプロジェクトが完成したのを皮切りに、江蘇省や河北省でシステムが導(dǎo)入され、広東省深セン市では25年までに100萬kWクラスのVPPを完成させる計(jì)畫だと紹介。また今年2月に開かれた北京冬季五輪をはじめ、各地でVPPのテスト運(yùn)用プロジェクトが実行されていると伝えた。

一方で、VPPには避けて通れない課題も存在すると指摘。特に情報(bào)セキュリティは死活問題であり、ソフトウェアによるデータ収集と通信に大きく依存する性質(zhì)上、サイバー攻撃を受ければ壊滅的な打撃につながるリスクがあり、顧客の信頼度にも影響することから、VPPが今後爆発的に発展するかとうかは、情報(bào)セキュリティ問題の解決が大きなカギとなるとの見方を示している。（翻訳?編集/川尻）