上海紙?新民晩報(bào)は9日、「エリザベス2世と中國の縁」と題する記事を中國のポータルサイト?百度（バイドゥ）に掲載した。

8日、英國の君主としては歴代最長の70年にわたり在位してきたエリザベス女王が96歳で亡くなった。新民晩報(bào)は「在位70年の間、女王は中國と特別な縁を持ってきた」とし、エリザベス女王と中國の関係を振り返った。

記事によると、女王が英國のロンドンで初めて中國人の客と會(huì)見をしたのは、香港返還後の1998年3月。當(dāng)時(shí)、中國の首相だった朱鎔基（ジュウ?ロンジー）氏は女王と友好的な言葉を交わした。當(dāng)時(shí)の中英大使?馬振崗（マー?ジェンガン）氏によると、「女王は當(dāng)時(shí)の中國の改革開放の狀況や情勢に関心を抱き、興味津々で朱氏に尋ね、朱氏が紹介していた」という。

99年、當(dāng)時(shí)の國家主席?江沢民（ジアン?ザーミン）氏が中國の國家元首として初めて英國を訪問した。バッキンガム宮殿で行われた盛大な國宴で、女王は86年に初めて中國を訪れた際、當(dāng)時(shí)上海市長だった江氏との交流を回想した。

また、この日の少し前に行われた歓迎式典で、英國の軍楽隊(duì)が3回も中國の國歌を演奏した。これは英國史上、異例のことだった。さらに、江氏の訪英中に女王が関連行事に6回同行することもまた、異例だったという。

その後、中國の國家指導(dǎo)者は女王のバッキンガム宮殿の「常連」となった。2014年にも、高齢で式典行事の出席を控えていた女王が、中國の李克強(qiáng)（リー?カーチアン）首相が同年6月に英國を訪れた際にウィンザー城で會(huì)見した。これについて記事は、「非常に友好的な動(dòng)きだったことは明らかだ」と述べた。

記事によると、15年10月の習(xí)近平（シー?ジンピン）國家主席の訪英に際して、「女王はとても格式高い禮遇でもてなした」という。女王はツイッターの公式アカウントで、1986年に訪中した際の寫真を含む5つの投稿を連投したり、自身が主宰するプライベートな晝食會(huì)に習(xí)夫妻を招待したりした。また、習(xí)主席のための夕食會(huì)で、女王はあいさつを述べる際にフィリップ殿下との86年の中國旅行を回想した。

記事は、「女王の1週間にわたる初の中國訪問は、1通の手紙、1人の老人、1組の寫真で総括できる」とした?！?通の手紙」とは、1602年に英國のエリザベス1世が中國の萬暦帝に送った直筆の手紙の複寫をエリザベス2世が持ってきたというもの。當(dāng)時(shí)手紙を運(yùn)んだ者が遭難したため、屆けられなかったのだという。女王は、「中國訪問は悲願(yuàn)で、今回の訪問をずっと楽しみにしていました」と述べ、「幸いなことに、1602年以來の郵便事業(yè)はすでに進(jìn)歩しており、あなた方が私たちをここに招待してくれる手紙は無事に屆きました。この招待を受けたことは、私たちに大きな喜びを與えてくれました」と語ったという。

「1人の老人」とは、當(dāng)時(shí)中國共産黨中央顧問委員會(huì)の主任だったトウ小平氏のこと。女王がタバコを吸わないことを知ると、トウ氏はヘビースモーカーだったにもかかわらずタバコを1本も吸わなかった。女王は後に、「トウ氏は高齢にもかかわらず、考え方が俊敏で活力に満ちていたことに強(qiáng)い印象を受けました」と回想している。

そして、「1組の寫真」とは、女王の訪中を記録した當(dāng)時(shí)の寫真が、今もネット上に出回っていることだ。歓迎式典で中國國旗の色に合わせて赤いコートに赤い帽子を身に付け、儀仗隊(duì)を観閲する様子を?qū)懁筏繉懻妞?、トウ氏との面?huì)で笑顔を見せる様子を?qū)懁筏繉懻妞胜嗓ⅳ搿?/p>

記事は、「女王は中國文化にも特に関心を寄せていた」と述べた。記事によると、女王がかつて王女だった1947年には、中國から「雛鳳儷凰」と題された湘繍（湖南刺繍）が女王の結(jié)婚の贈(zèng)り物として贈(zèng)られた。2002年の女王即位50周年の際には、江氏が長壽の象徴である鶴を彫った檀の屏風(fēng)を女王に贈(zèng)った。06年の女王80歳の誕生日には、女王の肖像が描かれた中國のかぎタバコ入れが贈(zèng)られた。女王はこのほかにもさまざまな中國風(fēng)の贈(zèng)り物を受け取っている。

記事はまた、「女王は文化財(cái)の収蔵以外にも、さまざまな中華文化に興味を示した」とした。記事によると、女王が1986年に中國を訪問した際、竜眼を箸でつまんだり、ナマコを食べたりする姿を撮られた。上海?豫園の湖心亭で中國の緑茶を味わったり、雲(yún)南省で自然の美しい景色を見に訪れたりもした。當(dāng)時(shí)、女王は雲(yún)南省の地に珍しいイングリッシュローズを植えたが、今では英國のバッキンガム宮殿にも中國人の客から贈(zèng)られた花が植えられている。

記事は、「女王が最も愛したのは、やはり中國の磁器だったのかもしれない」とし、「女王のウィンザー城には、精巧な中國磁器がたくさん置かれていて、どれもこれもすばらしいものだ」と紹介した。2011年、女王の初孫ウィリアム王子の結(jié)婚を前に、女王はわざわざ中國から特注した「早生貴子」と呼ばれる澄泥石の壺を贈(zèng)った。この壺は蘇州の澄泥石彫家が創(chuàng)作したもので、中國の伝統(tǒng)的な結(jié)婚式の要素を取り入れてデザインされたものだったという。（翻訳?編集/刀禰）