日本と中國(guó)のアニメーションの歴史を振り返れば、互いに影響を及ぼしながら発展してきたことが分かる。両國(guó)のアニメ界は、現(xiàn)在も密接に関係している。上海美術(shù)電影制片廠(chǎng)の陳波副廠(chǎng)長(zhǎng)、東京大學(xué)博士課程でアニメ概念史などを研究して著作も多い陳龑氏、中國(guó)アニメの専門(mén)配給會(huì)社であるアニチャイナ（本社?東京都渋谷區(qū)）の遠(yuǎn)藤貴司社長(zhǎng)はこのほど、中國(guó)メディアである中國(guó)新聞社の取材に応じて、アニメの発達(dá)やアニメにおける両國(guó)のつながり、業(yè)界の現(xiàn)狀などについて語(yǔ)った。以下は三者の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。なお、翻訳などの関係もあり、言葉づかいなどに元の発言と若干の相違がある可能性を、お斷りしておく。

■優(yōu)れた作品は時(shí)の試練に耐えて長(zhǎng)く生き続ける

陳波：

100年に及ぶ中國(guó)アニメ史は実際には、上海美術(shù)電影制片廠(chǎng)（上美影）の発展の歴史でもあった。上美影は中國(guó)アニメの発祥地であり、上海の開(kāi)放的で多元的なアニメ制作者に、厚い文化の土壌を提供してきた。

上美影は多くの「中國(guó)?初めて」を樹(shù)立した。初のカラーアニメの「烏鴉為什麼是黒的（カラスはなぜ黒いのか）」、國(guó)際的賞を初めて受賞した「神筆」、初のカラー人形劇映畫(huà)の「小小英雄（小さな英雄）」などだ。これらの優(yōu)秀な作品は、中國(guó)アニメの「輝ける時(shí)代」を切り開(kāi)いた。

古い世代のアニメ制作者は中國(guó)の伝統(tǒng)文化を深く掘り下げ、民間の物語(yǔ)を組み合わせ、美術(shù)スタイルを追求するなどの努力を重ねた。そして水墨畫(huà)アニメ、切り絵アニメ、人形アニメなど多くのジャンルを切り開(kāi)き、「より中國(guó)風(fēng)」なスタイルを模索した。そのことで中國(guó)アニメは基礎(chǔ)が固まった。

中國(guó)の伝統(tǒng)的な物語(yǔ)を題材にしたアニメは、何度も國(guó)際的な賞を受賞している。例えば「大閙天宮（天宮は大騒ぎ）」は、孫悟空という物語(yǔ)のヒーローをスクリーンの上で生き返らせた。仏ル?モンド紙は「美しさの面ではディズニーにひけをとらず、スタイルでは中國(guó)の伝統(tǒng)美術(shù)を完璧に再現(xiàn)」と稱(chēng)賛した。

中國(guó)アニメが多くの外國(guó)人に注目されるようになったのは、獨(dú)特な演劇の要素と絵畫(huà)のスタイルが、アニメの新たな表現(xiàn)方法を提示したからだ。それは高度に洗練された「民族性」であり、映像蕓術(shù)表現(xiàn)として言語(yǔ)、國(guó)境、時(shí)間を越えた「古典」になった。創(chuàng)作の面から言えば、中國(guó)の古典的アニメにはその時(shí)代の制作者の人生観、世界観、蕓術(shù)美術(shù)観が反映されていた。優(yōu)れた作品は時(shí)の試練に耐えて長(zhǎng)く生き続ける。見(jiàn)る人に新しい感覚を與え、さまざまな感慨をもたらす。

■日本アニメ界の先達(dá)は中國(guó)アニメや中國(guó)の素材を極めて重視

陳龑?zhuān)?/p>

日本と中國(guó)で、アニメ制作が始まった時(shí)期は近く、いずれも「舶來(lái)」から始まった歴史を持つ。それぞれ異なるスタイルを持つが技術(shù)面や人材育成などの交流は緊密だ。

日本のアニメには、中國(guó)の要素が多く取り入れられている。大藤信郎監(jiān)督（1900－1961年）は1926年に、西遊記を題材にした日本初のアニメ作品である「西遊記　孫悟空物語(yǔ)」を制作した。

日本のアニメ制作者の中には、中國(guó)に渡った人もいた。持永只仁監(jiān)督（1919－1999年）は中國(guó)に活動(dòng)拠點(diǎn)を置いて、方明という中國(guó)人名で仕事をした。持永監(jiān)督が1950年に制作した「謝謝小花貓（ありがとう、三毛の子貓）」は、中國(guó)のアニメの発展に重要な貢獻(xiàn)をしたとして、今でも記憶されている。それから、1958年に登場(chǎng)した日本初の長(zhǎng)編カラーアニメの「白蛇伝」は、中國(guó)の物語(yǔ)によるものだ。

日中のアニメの交流は1980年代になりますます密になった。典型例としては「日本の漫畫(huà)の神」と言われる手塚治蟲(chóng)氏（1928－1989年）だ。手塚氏は少年のころ、萬(wàn)籟鳴氏が手掛けた中國(guó)アニメの「鉄扇公主（鉄扇姫）」を見(jiàn)て、アニメの仕事をしようと決意した。そして一生を通じてこの作品の影響を受けた。手塚氏は亡くなる3カ月前に、萬(wàn)籟鳴氏に會(huì)うために病気を押して上海を訪(fǎng)れた。

この時(shí)期には日本のテレビアニメが中國(guó)にもたらされた?！?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=鉄腕アトム'>鉄腕アトム」、「ドラえもん」、「一休さん」などは、何世代にもわたって中國(guó)人にとっての「素晴らしい子供時(shí)代の思い出」になった。日本と中國(guó)のアニメ界の往來(lái)は今、ますます盛んになっている。アニメ作品の共同制作や制作者同士の交流、制作者とファンの交流もある。

■ビジネスとしてのアニメ産業(yè)を発展させる必要、ただし原動(dòng)力は優(yōu)秀な作品

遠(yuǎn)藤貴司：

アニメは文化発信における重要な産業(yè)だ。日本と中國(guó)は同じアジアの國(guó)であり、似たような文化的価値や社會(huì)環(huán)境があり、人々は共感しやすい。

中國(guó)のアニメはキャラクターの會(huì)話(huà)、人間関係、世界観、飲食、感情表現(xiàn)などの面で獨(dú)特な面がある。日本の観客は中國(guó)のアニメに觸れることで、中國(guó)文化に深い興味を持つようになる。だから、アニメを通じて日中の民間交流の機(jī)會(huì)を創(chuàng)出?拡大し、人と人との文化的なつながりを強(qiáng)化して、新たな発展を求めていきたいと考える。

陳龑?zhuān)?/p>

アニメ界の交流の多くは、民間の自発的な行為だ。中國(guó)と日本のアニメ制作者の接觸交流を強(qiáng)化すれば、業(yè)界にさらに多くの優(yōu)れた作品をもたらすことができる。そして両國(guó)の観客が文化のつながりを感じ、趣味を通じて友人になり、互いの文化の中の素晴らしい面を発見(jiàn)すれば、雙方が自然に最高のコミュニケーション方法を見(jiàn)いだすことができる。アニメは言葉の壁を越える力を持っている。

遠(yuǎn)藤貴司：

アニメ産業(yè)は盛り上がりを見(jiàn)せている。大切なことは、作品の質(zhì)と市場(chǎng)での成績(jī)の両方で成功することだ。まずは、原作となる漫畫(huà)や小説の発展が必要だ。人気の原作作品をアニメ化する方式は、作品の価値をさらに高めるだけでなく、アニメ市場(chǎng)をさらに活性化するだろう。

そして、アニメ作品の成功には、物語(yǔ)の選択だけでなく、キャラクターの知的財(cái)産権も関係している。魅力的なキャラクターは消費(fèi)者を引きつけ、ビジネスの利益を擔(dān)保する鍵になる。例えば、スタジオジブリ作品の「となりのトトロ」は、公開(kāi)當(dāng)初の興行収入が予想を下回ったが、さまざまな商品を派生させたことで、利益の獲得に成功した。このように、商品と著作権の二次利用はアニメ業(yè)界の柱になりえる。私はまた、海外市場(chǎng)に目を向けることが非常に重要と考える。キャラクター商品が世界的にヒットすれば、アニメコンテンツや市場(chǎng)に活気をもたらして業(yè)界を支えることになる。

陳龑?zhuān)?/p>

中國(guó)國(guó)內(nèi)のアニメ市場(chǎng)は、さらに整理する必要があると考える。すぐれたクリエーターだけでなく、優(yōu)秀なチームや出資者も必要だ。

「西遊記之大聖帰來(lái)」（西遊記 ヒーロー?イズ?バック）」は、産業(yè)の循環(huán)の好例だ。観客は良質(zhì)のアニメを鑑賞しようとチケットを買(mǎi)った。投資家は資金を回収することができ、さらに多くの資金をアニメ界に投じようと考えるようになった。創(chuàng)作側(cè)には、「投資家に報(bào)いねば」という雰囲気が出現(xiàn)した。

このような狀況になれば、制作側(cè)は自分の作品をアピールしようと考えるようになる。投資家に「私はダークホースです」と伝えようとするのだ。

陳波：

中國(guó)のアニメ史では、多くの古典的作品が創(chuàng)作された。しかしアニメの商業(yè)化はまだ初期段階だ。

アニメ蕓術(shù)を探求するには、多くの時(shí)間と金銭が必要だ。制作側(cè)は歴史文化を理解し、理解を深めねばならない。コミュニケーション學(xué)、社會(huì)學(xué)、心理學(xué)の知識(shí)も必要だ。制作側(cè)にとって「絵」のレベル維持は前提だが、その上で學(xué)際的な知識(shí)を持たねばならない。

商業(yè)化はアニメ界に、創(chuàng)造のための資金サポートをもたらす。人気が継続するキャラクターは、知的財(cái)産権によって市場(chǎng)価値を維持する。中國(guó)の現(xiàn)在の市場(chǎng)環(huán)境は良好だ。キャラクター商品にどのような「新しい裝い」を與えて、どの様な「素晴らしいストーリー」を語(yǔ)らせ、多くの人の共鳴を呼ぶか。アニメ関連ビジネスは早急に、この問(wèn)題を解決せねばならない。

しかし、長(zhǎng)い目で見(jiàn)ればやはり、アニメ市場(chǎng)で「中核的な力」になるのは作品の質(zhì)だ。優(yōu)秀な作品があればこそ、アニメ市場(chǎng)を良好な発展に向かわせることができる。（構(gòu)成 / 如月隼人）