『チャーハン』と『焼き飯』の違いとは?外食と家庭で異なるその理由 12-29 08:11
三星堆遺跡で3000年以上前の石蛇など玉器を発見―中國 12-29 08:10
【年末年始に遊びたい!2024年に話題を集めたゲーム3選】ファンの不安を一蹴した「ホラーゲームの金字塔」のリメイクから、「唯一の欠點」が改善されたワイヤーアクションまで 12-29 08:09
“砲”搭載の中國公船 常態(tài)化する領(lǐng)海侵入~尖閣諸島巡る中國のサラミスライス戦術(shù)~【報道の日2024】 12-29 08:07
【年末年始 高速道路渋滯予測】帰省渋滯情報 東北道~東名~中央道~九州道まで 混雑するのはどこ?綾瀬SIC付近で最長20キロ【NEXCO東日本?中日本?西日本 12月30日~1月5日】 12-29 08:02
韓國?尹大統(tǒng)領(lǐng) なぜ戒厳に突き進(jìn)んだのか? ワケを探ると見えてきた「孤獨な権力者」の極地 12-29 08:02
アンバサダーとしてファンを魅了…ボミスマイルは永久に不滅【2024年“この1シーン”】 12-29 08:12
今のムードは「boundary books」か、それとも「loneliness books」か?! ♂峋?span> 12-29 08:27
【痛快でユニークな時代劇】面白い登場人物が目白押しの作品を選ぶならこの4本 12-29 08:12
大谷翔平を彩る「何て素晴らしい1年」 妊娠報告…LA記者は“偉業(yè)リスト”を更新し感動 12-29 08:05

時間の節(jié)約し、生活を豊かにする中國の「怠け経済」

吉田陽介    2022年10月6日(木) 7時30分

拡大

中國では「懶人(怠け)経済」といわれる、家事にかかる時間の短縮を目的とする商品やサービスが人々に支持されている。

■「怠けるのは悪?」

拡大する「怠け経済」市場

「自動でご飯作ってくれるロボットがあったら」と一度は感じる人も多いと思う。中國では「懶人(怠け)経済」といわれる、家事にかかる時間の短縮を目的とする商品やサービスが人々に支持されている。

インスタント食品や出前、ネットショッピングなどが「怠け経済」の例だ。

2018年、中國人の「怠け経済」への消費は160億元に達(dá)し、前年に比べ70%増となり、確実に中國人の消費の新たなトレンドになっている。8月に公表された「2022年消費トレンド報告」には、「質(zhì)懶生活」という言葉が登場した?!傅·苯U済」は単に時間の短縮を追求したものだが、「質(zhì)懶生活」はより質(zhì)の高い生活、よりスピーディーな生活を追求したものだ。

また報告によると、調(diào)査対象者の33%が「質(zhì)懶生活」について、「人類の進(jìn)歩と社會の発展を示したものだ」と前向きにとらえている。

「怠け経済」は言葉だけ見れば、「やるべきことをせずに楽をする」というマイナスのイメージがあるが、決してそうではない。新しい時代に合わせた生活様式と言っていい。

■「料理に2時間、食べるのに5分」も

機械を使って過去のものに

調(diào)理ロボットは「怠け経済」の一つだ。

現(xiàn)在の中國は改革開放が始まった當(dāng)時と違い、生活に必要なものが基本的にそろっており、人々はより良いものを追求するようになった。家電製品も、以前は使えればよかったが、現(xiàn)在は人々の生活習(xí)慣に合ったものになる必要がある。

北京や上海などの大都市の人々の生活のテンポが速く、食事の準(zhǔn)備は「面倒な作業(yè)」の一つだ。出前や外食で済ますという手もあるが、健康的とは言えないため、いつも食べるものではない。また、獨身の人にとって、食事を作るのは「面倒」だ。筆者も獨身時代に経験があるが、1人分の料理を作るのは難しく、どうしても余ってしまう。せっかく作った料理を無駄にすることはできないので、何日も同じおかずを食べるということになる。

「報告」によると、すべての日常生活の消費のうち、料理は中國國民の「怠けたい」ものの最たるもので、多くの家庭は出前料理(37.4%)、溫めるだけで食べられる調(diào)理済み料理(37.2%)を利用している。

ここ數(shù)年、お湯を使わないで溫めることができる「自熱鍋」などの食品も、消費者の間で流行っている。これらの食品は手軽に食べられるが、前述のように日常的に食べると健康にも良くないし、安全?衛(wèi)生面の心配もある。

それに対し、調(diào)理ロボットは、調(diào)理する時間がない人も安心して健康的な食事を楽しめる。今年の北京冬季オリンピックで、選手村の食堂は調(diào)理ロボットが料理を作っていることをメディアの報道でご存じの読者も多いかと思うが、現(xiàn)在の中國はこの手のロボットが発達(dá)している。レストランで、料理を運ぶロボットを時々見掛ける。こうしたロボットの発展に拍車をかけたのはコロナ禍だ。

コロナ禍では、感染リスクを考え、無接觸でのサービスが行われた。人と人との接觸なら、「この人大丈夫か」と思って身構(gòu)えてしまうが、ロボットなら、その心配はない。

「料理に2時間、食べるのに5分」といわれるように、中國料理は食材の準(zhǔn)備、調(diào)味料の準(zhǔn)備、調(diào)理、食器の後片付けなどやるべきことがいろいろある。例えば、日本人にもなじみが深い餃子も、手作りするとなると、皮となる生地作り、具の材料の準(zhǔn)備、具を皮に包む、ゆでるなどの工程があり、慣れていないと1日仕事になる。筆者も妻と2人で餃子作りをしたことがあるが、午前中に準(zhǔn)備して、ゆでられるようになったのは夕方近くだった。こうして苦心して作った餃子は、食べ始めて10分もしないうちになくなってしまった。このように、手作りにこだわると、時間的コストがかかるため、普段は冷凍餃子を食べるか、外で食べるかで、手作りするのは春節(jié)前という家庭が多い。

調(diào)理ロボットというと、全自動のロボットをイメージしがちだが、一般家庭用のものもある。それは一般的に、すべての工程をするのではなく、炒め物をするというものだ。値段は1000元するものから數(shù)百元のものまであり、大衆(zhòng)化しつつある。

料理だけでなく、掃除も時間がかかる家事だ。筆者の家には貓が3匹おり、半日掃除しないと、部屋が毛だらけになる。そのため、掃除は欠かすことのできない日課になっている。その手間を省くものは、掃除ロボットだ。AI(人工知能)がごみを察知する掃除ロボットは日本でも売られているが、家事負(fù)擔(dān)を減らすものであることは間違いない。

前述のように、「質(zhì)懶生活」は時間を節(jié)約するだけでなく、自分の生活の質(zhì)を高めるためのものだ。そのため、忙しいビジネスパーソンに向けた簡単なマッサージ機も売れているという。例えば、目の疲れを癒すためのアイマッサージ機も人気を集め、家庭で使える女性用の脫毛機も売れている。それらが売れているのは、マッサージに行く時間を節(jié)約するためだ。

このように、「質(zhì)懶生活」は家事時間の短縮だけでなく、仕事の活力につなげるものにもなっている。

■「家庭の平和のために」?。?/p>

「質(zhì)懶生活」が流行った理由

どうして「質(zhì)懶生活」が新しい消費トレンドとなったのだろうか。二つの原因が考えられる。

一つ目の原因は、「精神生活」を豊かにしたいというニーズがある。

改革開放前は、生活に必要なものを手に入れることが重要で、「ものが手に入る=いい生活」という考え方だった。だが、生活に必要なものが手に入る現(xiàn)在は、より良い生活を求める傾向になり、物質(zhì)的なものでなく、「精神的」なものを追求する。

今は、IT手段が発達(dá)しているため、インターネットゲームをしたり、ネット上でドラマなどを見ることもできる。また、今はコロナ禍で難しいが、休みの日には旅行に行くこともできる。さらに、絵畫やピアノの趣味関連の塾や語學(xué)関連も多くなっており、別のスキルを身につけるチャンスもある。

人々の消費の選択肢が増えたため、家事に必要な時間を節(jié)約して、自分の好きなことをしたいと思う人が少なくない。筆者の妻もゲームが好きで、家事をさっさと片付けてやっている。それは、家事に使う時間を節(jié)約できるものが支持される原因の一つとなっている。

二つ目の原因は、長距離通勤、長時間労働の傾向だ。

近年、「996」という働き方が問題になったが、業(yè)種によっては長時間労働を強いられる。その背景としては、競爭が厳しく、結(jié)果を出さなければ解雇されやすいことが挙げられる。

IT企業(yè)に勤めている中國人の友人は、毎晩10時まで殘業(yè)することは當(dāng)たり前で、10時以降に仕事が終わることも珍しくなく、家に帰ったら、シャワーを浴びて寢るだけだという。平日がこういう生活だと、休日は何もしたくなくなる。獨身ならだらだら過ごすことができるが、結(jié)婚しているとそうはいかない。

中國は共働きが多いので、家事は分擔(dān)するのが當(dāng)たり前になっている。どちらも仕事をしていると、お互いに何もやりたくないと感じているため、家事をめぐってけんかにもなる。そのため、家事の時間を短縮して、自分の好きなことをできるようにすることは「家庭の平和」にとっても望ましいことだ。

以上のような原因から、家事の時間を節(jié)約しながら、より良い生活を追求する「質(zhì)懶生活」が新しい消費トレンドとなっているが、それを可能にしたのは中國のイノベーションだ。

現(xiàn)在も中國はイノベーションを重視しており、各企業(yè)は現(xiàn)在の消費トレンドにあった製品を開発している。重要なのは、質(zhì)の高い「怠け経済」関連商品が安い値段で誰もが購入できるようになることだ。それが実現(xiàn)してこそ、今の中國共産黨政府が提唱している「共同富?!工螤顟B(tài)に近づくのではないかと思う。

■筆者プロフィール:吉田陽介

1976年7月1日生まれ。福井県出身。2001年に福井県立大學(xué)大學(xué)院卒業(yè)後、北京に渡り、中國人民大學(xué)で中國語を一年學(xué)習(xí)。2002年から2006年まで同學(xué)國際関係學(xué)院博士課程で學(xué)ぶ。卒業(yè)後、日本語教師として北京の大學(xué)や語學(xué)學(xué)校で教鞭をとり、2012年から2019年まで中國共産黨の翻訳機関である中央編訳局で黨の指導(dǎo)者の著作などの翻訳に従事する。2019年9月より、フリーライターとして活動。主に中國の政治や社會、中國人の習(xí)慣などについての評論を発表。代表作に「中國の『代行サービス』仰天事情、ゴミ分別?肥満?彼女追っかけまで代行?」、「中國でも『おひとりさま消費』が過熱、若者が“愛”を信じなくなった理由」などがある。

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業(yè)務(wù)提攜

Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら

業(yè)務(wù)提攜