2022年10月25日、中國メディアの騰訊網(wǎng)は、英ケンブリッジ大學(xué)とオーストリアの研究チームが発見した「レアアースに代わる原料から電気自動(dòng)車や風(fēng)力タービンなどに利用可能な高性能磁石を製造する生産技術(shù)」の実用化により、中國のレアアース関連産業(yè)が潛在的なダメージを受けるかもしれないと論じる記事を公開した。

記事は初めに、英ケンブリッジ大學(xué)材料科學(xué)冶金學(xué)科のリンゼイ?グリア（Lindsay Greer）教授を中心とした研究チームが発見した、鉄とニッケルの合金「テトラテーナイト（Tetrataenite）」の新しい人工的な形成方法について紹介した。

同大學(xué)が公開した論文によると、「鉄とニッケルがそれぞれ50％ずつで構(gòu)成されているテトラテーナイトは、通常地上には存在せず、隕石（いんせき）がゆっくりと冷えるにつれて何百萬年もかけて形成される」「鉄とニッケルの原子による規(guī)則的な結(jié)晶構(gòu)造を有するため、磁極が簡(jiǎn)単に消えたり反転したりしない硬磁性を持っており、希土類磁石に最も近い」「テトラテーナイトを人工的に形成する方法として、これまでは実験室內(nèi)で鉄ニッケル合金に中性子を衝突させる方法があったが、大量生産が困難だった」「研究チームは、隕石にも存在する元素であるリンを適切な量で混合し、溶かして型に流し込む方法で、テトラテーナイトを得る代替案を発見した」「何百萬年もの冷卻や中性子照射を必要としない、単純な鋳造によるこの方法なら、工業(yè)規(guī)模に近いものでテトラテーナイトを作ることができるかもしれない」「高性能磁石は、ゼロ炭素経済を構(gòu)築するための重要な技術(shù)であり、現(xiàn)在入手可能な最高の永久磁石には希土類元素が含まれている。代替案が高性能磁石の製造に適しているかどうかを判斷する作業(yè)のため、研究チームは主要な磁石メーカーと協(xié)力して取り組むことを望んでいる」という。

また、リンゼイ?グリア教授は論文內(nèi)で「レアアースの採掘作業(yè)は、少量のレアアースを得るために大量の物質(zhì)を抽出する必要があるため、非常に破壊的だ」「環(huán)境への影響と中國への依存による供給の危機(jī)との間で、レアアースを必要としない代替材料が緊急に求められている」と述べた。

記事は最後に、バイデン米大統(tǒng)領(lǐng)や歐州連合（EU）のボレル外交安全保障上級(jí)代表が重要原材料を含むサプライチェーンの多様化を指示し、レアアースの中國依存の見直しを図っていることに言及し、「電気自動(dòng)車などの急速な発展とともに、世界ではレアアースの需要が日を追うごとに高まっている」「ケンブリッジ大學(xué)とオーストリアの研究チームが発見したこの生産技術(shù)が実用化に成功すれば、電気自動(dòng)車や風(fēng)力タービンに使用されてきた希土類磁石の需要が減少し、現(xiàn)在レアアース生産の世界シェア8割以上を占める中國に大きなダメージを與えるかもしれない」と論じた。（翻訳?編集/原邦之）