中國(guó)の民間航空産業(yè)は急速に発展している。例えば旅客機(jī)の開発を見ても、乗客が最大で170人程度搭乗できるC919は、年內(nèi)に商用運(yùn)航を開始するとされている。同機(jī)は世界的に権威を認(rèn)められている米連邦航空局（FAA）の型式証明取得は念頭に置いていないため、中國(guó)以外での導(dǎo)入は限定的との見方が強(qiáng)いが、それでも幹線路線用の旅客機(jī)を自主開発できた意義は大きい。中國(guó)における民間航空関連の人材を育成する最高學(xué)府が中國(guó)民航大學(xué)だ。航空関連工學(xué)の専門家であり同大學(xué)學(xué)長(zhǎng)の丁水汀氏はこのほど、中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、中國(guó)の航空産業(yè)界の現(xiàn)狀と今後の方向性について説明した。以下は丁學(xué)長(zhǎng)の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

■過去10年は急速な発展期、機(jī)體設(shè)計(jì)やエンジン開発で長(zhǎng)足の進(jìn)歩

過去10年間は、中國(guó)の民間航空の急速な発展期だった。それ以前、例えば機(jī)材については、中國(guó)では主に、歐米製の機(jī)材の運(yùn)用や保守整備が行われていた。例えばエアバス機(jī)やボーイング機(jī)やその搭載機(jī)器、さらに空港設(shè)備や航空管制施設(shè)関連についてだ。しかし中國(guó)での航空関連の機(jī)材や施設(shè)の運(yùn)用管理は、極めて良好な狀態(tài)になった。

そのため高い効率や安全な運(yùn)航が実現(xiàn)し、さらに航空輸送量も米國(guó)に次ぐ世界第2位になった。中國(guó)は今や、民間航空大國(guó)だ。さらに、中國(guó)では航空機(jī)製造業(yè)も発展してきた。例えば、最大で座席數(shù)が100席程度のARJ21は、すでに商用運(yùn)航している。さらに大型のC919も、間もなく商用運(yùn)航が始まる見通しだ。

航空エンジンの開発も急速に進(jìn)んでいる。AES100ターボシャフトエンジンは2年內(nèi)に認(rèn)証を取得する可能性が出てきた。C919は今のところ、米仏合弁會(huì)社が開発したエンジンを搭載しているが、代替用の國(guó)産エンジンであるCJ－1000Aの開発も順調(diào)に進(jìn)んでいる。

■民間航空の発展トレンドは環(huán)境関連とAI、それらが実現(xiàn)する業(yè)界の姿とは

現(xiàn)在の國(guó)際民間航空業(yè)の発展の方向性にはいくつかの重要なテーマがある。それらは中國(guó)民間航空の第14次五カ年計(jì)畫発展計(jì)畫と極めてよく合致している。

まずは環(huán)境保護(hù)と持続可能性だ。私が國(guó)際民間航空機(jī)関（ICAO）のイベントで行った報(bào)告のテーマは、新エネルギー航空機(jī)の安全性認(rèn)証と商業(yè)的成功を促進(jìn)する方法だった。同業(yè)者の間では國(guó)際的に、植物などバイオマス由來原料や、飲食店や生活の中から排出される廃油などを原料にする持続可能な航空燃料（SAF）がカーボンニュートラルを達(dá)成するための最善かつ最速の道筋だとの見方が一般的だ。SAFの利點(diǎn)は既存の航空機(jī)やエンジンの構(gòu)造、さらに既存の空港の燃料貯蔵?輸送システムを変える必要がないことだ。

國(guó)際航空カーボンオフセット?排出削減スキーム（CORSIA）では、航空分野の炭素排出削減が2027年に強(qiáng)制的に実施される。これは國(guó)家の生存権と発展権の問題にも関わるもので、中國(guó)の民間航空業(yè)はこれに対して布石を打ち、壁を突破すべきだ。

もう一つの重要なテーマは人工知能（AI）などの利用で、民間航空の安全性と経済性を高めることだ。例えば、AIを利用して航路を最適化して省エネや排出削減を図る。また、リアルタイムでシステム全體の安全性を確保することも可能になる。

さらに、航空業(yè)界の新たな分野の勃興も考えられる。例えば電動(dòng)ヘリコプターや、都市における3次元的輸送を可能にする無人機(jī)または有人機(jī)だ。これらは、將來的に人々の生活様式を変える可能性がある。

■新たな國(guó)際ルールづくりに中國(guó)はもっと関與すべきだ、そのために必要なこととは

民間航空は國(guó)際化された業(yè)界であり、完全に閉鎖的な獨(dú)自のルールを作ることは不可能だ。中國(guó)は次世代の國(guó)際規(guī)約の発展傾向に照準(zhǔn)を合わせ、世界と共に試練に直面せねばならない。

歐米諸國(guó)も新構(gòu)造あるいは新エネルギー航空機(jī)への挑戦を行うだろう。これらの新分野では、皆が同じスタートラインに立っているので、中國(guó)も國(guó)際規(guī)則についての自らの案を提出することがしやすい。また國(guó)際民間航空機(jī)関が提供するプラットフォームを利用して交流し、ルールづくりに參與する過程で國(guó)際的な発言権を形成することができる。

われわれの研究チームは、中國(guó)工程院（中國(guó)工學(xué)アカデミー）の支援を受け、すでに中國(guó)における航空エンジン自主規(guī)則の構(gòu)造と未來技術(shù)群の方向性についての研究作業(yè)を完了した。この成果により、関連モデルを新エネルギー航空機(jī)、持続可能エネルギーなどの認(rèn)証に拡張できる。國(guó)際交流を通じて海外の仲間と協(xié)力し、共通認(rèn)識(shí)を形成し、その成果を?qū)恧螄?guó)際ルールに活用したいと考えている。先はまだ長(zhǎng)い。中國(guó)は民間航空分野でもグローバル?ガバナンスにもっと関與すべきだ。そのために最も基本的で大切なことはコミュニケーションだ。

もちろん、革新的な研究の実力と基盤がなければ、海外の多くの関係者に納得してもらえる國(guó)際的なルールや基準(zhǔn)の提案は難しい。運(yùn)輸業(yè)および関連行政と製造業(yè)を深く融合させなければ、次世代の國(guó)際規(guī)制の“チャイナ?ソリューション”を形成することは不可能だ。今、最も求められているのは、この運(yùn)輸関連と製造業(yè)が力を合わせることだ。

中國(guó)の民間航空製造業(yè)の発展速度はますます速くなるだろう。ここで注目すべきは、工業(yè)全體の業(yè)界構(gòu)造や人材システムが徐々に形成されつつあることだ。私は中國(guó)の民間航空製造業(yè)に自信を持っている。

私が奉職している中國(guó)民航大學(xué)は21年に創(chuàng)立70周年を迎えた。中國(guó)の民間航空業(yè)界に絶えず、トップクラスの人材を提供してきた教育機(jī)関だ。中國(guó)民航大學(xué)では70年の歴史を通じて、「RSR」という人材育成の理念が定著した。最初の「R」は「尊重（respect、リスペクト）」だ。生命に畏敬の念を持ち、職責(zé)に畏敬の念を持ち、規(guī)則に畏敬の念を持つことだ。學(xué)生に、そのような考え方をしっかりと持たせる。このことが、中國(guó)民航大學(xué)の根底にある。

次の「S」は「suspect（サスペクト）」、つまり疑念を持つことだ。わが校の學(xué)生は新たな要求に直面した場(chǎng)合に、さまざまな疑問を想起できるように習(xí)慣づけられている。最後の「R」は「research（リサーチ）」すなわち研究だ。學(xué)生が自らの未來を勝ち取るため、民間航空業(yè)界が、業(yè)界の未來を勝ち取るためには、常に研究を続けねばならない。中國(guó)民航大學(xué)の校風(fēng)には、この「RSR」がしっかりと定著したと自負(fù)している。（構(gòu)成 / 如月隼人）