世界の自動運転企業(yè)は不振、廃業(yè)、內亂続きで株価大暴落、中國での実現も遠くて近いまま?

高野悠介    2022年12月7日(水) 10時0分

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數年前、中國では自動運転の未來は輝いていた。しかしこのところ、以前の威勢の良さは影をひそめている。寫真はAutoX。

2~3年前、中國メディアは自動(無人)運転に関するニュースであふれ返っていた。乗用車やタクシーはもとより、バス、トラック、清掃車、港灣、鉱山などの特殊作業(yè)車とあらゆる分野に及び、地方政府は誘致したプロジェクトの成果を競い合う。自動運転の未來は輝いていた。しかし、このところ、以前の威勢の良さは影をひそめている。

■EV車は好調、自動運転は頭打ち

新エネルギー車(EV車ほか)は、補助金などの政策サポート効果が大きく、販売臺數は年平均86%ペースで成長、2021年には320萬臺に達した。ベンチャー企業(yè)の設立や、IT巨頭、異業(yè)種からの參入が相次ぎ、EV車生産業(yè)界は百花繚亂のにぎわいだ。彼らがなぜ進出したのかといえば、その先にある自動運転産業(yè)に巨大な可能性を見ているからだ。

中國政府は2015年5月、戦略分件「中國制造2015」を公布、そこで自動車の「智能控制技術」の産業(yè)化を掲げた。2020年までにキーとなる運転アシスト技術を掌握し、初歩的な自主研究開発體系を確立、2025年には自動運転技術の総體を掌握し、生産システムおよび産業(yè)群を確立するとした。メディアの盛り上がりを見ると、これらは実現可能に見えた。

ところが最近は、閉塞感が漂っている。それどころか自動運転関連企業(yè)は、內外を問わず、生き殘りの瀬戸際のようなのだ。

■世界の自動運転企業(yè)…株価暴落

ネットメディア大手、騰訊網は「無人運転企業(yè)、生存者も無人?」という記事を掲載した。2022年10月末、イスラエルに本社を持つ自動運転企業(yè)モービルアイがナスダックに上場した。時価総額は167億ドルだったが、これはインテルが5年前に買収した価格から14億ドルしか増えていない。寂しい買物と稱された。

また同じ10月末、フォード、フォルクスワーゲン出資の自動運転ベンチャー企業(yè)、Argo AIが業(yè)務を停止した。さらにグーグル傘下のWaymoとゼネラルモーターズ傘下のCruiseも金食い蟲でしかなく、親會社へのすねかじり競爭の様相という。

米調査會社Crunchbaseによれば、米國市場に上場している自動運転関連企業(yè)十數社の株価は、雪崩を打つように下落している。過去1年では平均80%の大暴落だ。レーザーライダーのVelodyneや自動運転トラックのEmbarkは95%以上下落した。中國出自のナスダック上場企業(yè)「図森未來」もその1つだ。

■中國の自動運転企業(yè)1…図森未來

あるサイトは、中國の自動運転関連企業(yè)としてIT巨頭を含む46社を挙げている。そのうちトップランクは「百度」、「小馬智行」、「文遠知行」、「AutoX」、「Momenta」、「図森未來」、「元戎啓行」の7社とした。IT巨頭の百度以外は新進のベンチャー企業(yè)だ。ここでは、図森未來とAutoXについて見ていこう。

図森未來は2015年、陳獣氏、侯曉迪氏、郝佳男氏の3人を中心に設立されたL4級自動運転トラックサービス企業(yè)だ。當初、北京とサンディエゴ、後に河北省、上海、アリゾナ州が加わり、米中5カ所で研究開発を進めた。2021年4月にはナスダック市場上場を果たし、さらに同年12月には世界初のトラック完全自動運転テストに成功した。

ところが2022年3月、中國事業(yè)を売卻し米國市場に集中すると伝えられた。6月には創(chuàng)業(yè)者の1人、陳獣氏が燃料電池トラックを製造の新會社「Hydron」を設立。10月末には共同創(chuàng)業(yè)者、董事長兼CEOの侯曉迪氏が突然解任された。そして現在、FBIやSECなど米機関の捜査を受けている。図森未來とHydronの関係を適切に開示しなかった、米國で開発された知的財産を海外へ不當に流したなどの複數容疑だ。企業(yè)統(tǒng)治に問題があったのは疑いない。

■中國の自動運転企業(yè)2…AutoX

AutoXは2016年、米プリンストン大學教授を務めた肖健雄氏が深センで創(chuàng)業(yè)した。深センとシリコンバレーを中心に、ロボタクシーの研究開発を行っている。

肖氏は創(chuàng)業(yè)前の2012年から、カメラ、ライダーなど視覚感知融合のディープラーニングを研究していた。そのため、會社設立わずか60日で路上テストを開始できた。2018年、深センに研究開発センターを開設し、関連企業(yè)との提攜を進める。2020年1月、FCA(フィアット?クライスラー?オートモービルズ)と提攜。8月、上海のタクシー大手、大衆(zhòng)交通と提攜。2021年4月、ホンダ中國と提攜、自動運転テストにアコードやインスパイアを使用した。

2021年11月、深セン市坪山區(qū)の168平方キロメートルを範囲とするL4 級ロボタクシーの運営を開始。12月、江蘇省常州工場のロボタクシー生産ラインを公開?,F在のエンジニア數は1000人で、深セン、上海、シリコンバレーなど世界13都市で自動運転データを収集している。肖氏は2022年8月のインタビューで、AutoXは1つのビジネス、つまり完全自動運転車を中國市場で扱うことに焦點を絞った數少ない本物の自動運転企業(yè)だと自らのアドバンテージを強調した。

■遠くて近い自動運転

しかし、肖氏は同時に「本當の商業(yè)化とは、主要都市においてほとんどの人が自動運転でどこにも行ける狀況だ。この目標からはかなり遠いと思うが、同時に非常に近いとも思う」とあいまいなことを言っている。

そして米中の市場は、図森未來、AutoXの例に見るように、互いに深くリンクしている。當然中國の自動運転企業(yè)も、米國に連動し、企業(yè)価値を下落させているはずだ。

當初AutoXは、自動運転は2020~2021年に急発展期に入り、2023年までの黒字化を見込んでいた。ところが意に反し、業(yè)界は苦境に陥っている。トップランナーのAutoXといえども、黒字化ははるか遠く、當面は試験區(qū)內のデータ収集にとどまりそうな予感だ。EV車の先にある世界が可視化できなくなってきた。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學教育學部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中國貿易の経験は四半世紀以上。現在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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