2023年1月21日、獨(dú)國際放送局ドイチェ?ヴェレの中國語版サイトは「海外華人はどのように『神薬』を中國に送るのか」と題し、新型コロナの感染が拡大した中國では認(rèn)可されていない治療薬Paxlovidを米國から取り寄せるために市民があの手この手を考えていると報(bào)じた。

記事は、12月初旬に中國がゼロコロナ政策を急転換したころから中國國內(nèi)では新型コロナの感染が急拡大し、多くの薬局で解熱剤などが品薄になったため、海外の中國系住民が20年のコロナ発生初期のように再び風(fēng)邪薬や解熱剤、痛み止め剤を中國の親類や知人に送り始めたと紹介。その中でも米國で認(rèn)可された一方で中國では認(rèn)可されていない抗新型コロナウイルス薬のPaxlovidが最も人気を集めていると伝えた。

一方で、販売が承認(rèn)されている米國でもあくまで醫(yī)師による処方が必要な処方薬扱いであることから通常は簡単にPaxlovidを手に入れることは難しいとした上で、中國系の住民は自分の周囲で感染した人からPaxlovidの殘りがないかを聞いたり、自らが感染した際に支給された物を集めたりなどしていると紹介。中國系留學(xué)生のSNSコミュニティには「Paxlovidを売ります」というユーザーがしばしば出現(xiàn)しているとした。

ただ、仮に首尾よくPaxlovidを入手できたとしても、処方薬であること、中國國內(nèi)で認(rèn)可されていないことから稅関でシャットアウトされる可能性が非常に高いという。記事は、中國系の人々があの手この手を繰り出して稅関のチェックを逃れようとしており、簡単なものではサプリメントの容器に紛れ込ませる、やや手の込んだ方法として衣服のポケットに縫い付ける、ノートやテキストのページに貼り付けるといった工作が行われていると紹介した。

記事はさらに、運(yùn)良く稅関を通って中國國內(nèi)に入ったとしても、感染者が続出して運(yùn)び手が不足している中國國內(nèi)の物流業(yè)界にあってはどれほど遅延するかがわからないとしたほか、その希少性から輸送途中に何者かによって盜まれるリスクもあると指摘。このため、中國國內(nèi)でPaxlovidを購入できないかさまざまな手段を試みる人もいるものの、やはり上海や北京といった大都市でない限り手に入る可能性は低いことを伝えている。

そして最後に、Paxlovidを入手して中國に住む父親に送ったという在米中國人が、米國政府の予算で患者に無償提供している薬品を自ら使わずに中國に送ったことにいささかの申し訳なさを感じるとしつつも「そうするしかなかった。父親が重病に罹っているのに遠(yuǎn)い異郷で何もできない親不孝な息子にはなりたくなかったから」と語ったことを伝えている。なお、この父親はコロナには感染していないという。（翻訳?編集/川尻）