中國のEV車業(yè)界、新BATを形成か、大幅値下げにより価格競爭が激化中

高野悠介    2023年1月29日(日) 10時(shí)0分

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中國の自動車業(yè)界は高揚(yáng)している。思惑どおり、世界中で新エネルギー車へのシフトが進(jìn)み、中國メーカーが躍進(jìn)しているからだ。

中國の自動車業(yè)界は高揚(yáng)している。思惑どおり、世界中で新エネルギー車(EV車、燃料電池車、PHEV)へのシフトが進(jìn)み、中國メーカーが躍進(jìn)しているからだ。そんな中、ネットメディア大手、騰訊網(wǎng)は、今後の業(yè)界をリードする、新BATが形を成している、という記事を掲載した。IT業(yè)界の象徴、舊BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)にひっかけた、新BATとは、B=BYD比亜迪)、AITO、TESLA、を表している。AITOは、まだ生まれたばかりだが、ファーウェイが大きく関わっている。果たして新BATは、形成されるのかどうか。以下概観してみよう。

2022年EV車販売データ…2強(qiáng)體制

1月発表された、各社の2022年、純EV車販売実績は以下の通り。

1位 テスラ…131萬3851臺、2位 比亜迪…91萬1140臺、

3位 埃安(広州汽車系)…27萬1156臺、4位 哪吒汽車…15萬2073臺

5位 理想汽車…13萬3246臺 6位 蔚來汽車…12萬2486臺、

7位 小鵬汽車…12萬757臺、8位 零跑汽車…11萬1168臺、

9位 問界…7萬6180臺

9位の問界がAITOブランドの売上臺數(shù)である。しかし、テスラ、BYDとの差は非常に大きい。

小鵬汽車

テスラ…自ら価格競爭へ突入

テスラの2022年の世界売上は131萬3851臺、そのうち上海ギガファクトリーは54.2%を生産した。前年比40%増だったが、市場予想の50%増には屆かない。この計(jì)畫未達(dá)の他、マスク氏のツイッター買収騒動、上海工場の休業(yè)、値引き等、あらゆる事象が、株価下落を招く、負(fù)のスパイラルに陥った。その結(jié)果、株価はこの1年で70%下落した。中國メディアの関心は高く、“蒸発”の都度、詳しく報(bào)道されている。

上海ギガファクトリーは2022年8月、100萬臺生産を達(dá)成した。2019年8月のModel 3生産開始以來、まだ3年も経っていない。中國資本51%以上という、自動車メーカー合弁ルールを変更させ、瞬く間に生産を軌道に乗せた。その突破力は、半端なものではなく、大成功を収めたといってよい。

そのテスラ中國は1月上旬、値下げを発表した。昨年9月、10月、12月に続く、実質(zhì)4回目であり、それもModel 3が2萬~3萬6000元(約38萬~68萬円)、Model Yが2萬9000~4萬8000元(約55萬~91萬円)と大幅値引きである。これでエントリーモデルは22萬9900元(約436萬円)になった。これに対し既存のユーザーは、怒りの聲を上げ、組織的な抗議運(yùn)動が起こった。しかし、値下げ効果は大きく、直後の3日間で3萬臺を成約、1週間では前年比76%増加した。テスラは自ら中國メーカーとの価格競爭に飛び込んだ。

テスラ

比亜迪…海外強(qiáng)化、ハイエンド市場へ參入

國內(nèi)メーカーの動きはテスラとは対照的だ。補(bǔ)助金の廃止や原材料の高騰を、そのまま価格へ転嫁している。比亜迪は、産品官方指導(dǎo)価格(メーカー希望小売価格)を2000~6000元(約3萬8000~11萬4000円)、埃安は3000~8000元(約5萬7000~15萬2000円)、値上げした。

比亜迪は海外販売でも地歩を築きつつある。2022年7月、初めて新エネルギー車の海外売上を公表した。それは4026臺だったが11月には1萬臺を突破、2022年下半期では5萬5900臺を計(jì)上した。

さらに比亜迪は、ハイエンド市場への參入を表明した。新ブランド名は「仰望」、100萬元(約1900萬円)を超える2車種の新型EV車、U8、U9を発売、テスラのModel X、Model Sを迎え撃つ。

これで「王朝」、「海洋」、「騰勢」、に「仰望」を加え、4ブランドであらゆるユーザー層をカバー、國內(nèi)外、萬全の體制でテスラに挑む。

比亜迪

AITO…ファーウェイのアドバンテージを評価

テスラ、比亜迪の2強(qiáng)の下に、さまざまな勢力がひしめく中、まだ9位に過ぎないAITOが、衆(zhòng)目を集めるのは、実質(zhì)を擔(dān)うファーウェイの評価によっている。

ファーウェイは DriveONEと呼ばれる智能電動技術(shù)、OSと一體の鴻蒙コックピット等の他、アップルと競ったハイエンド電子産品のニーズ把握力と、高い運(yùn)営能力等があり、ハード、ソフト、マーケティング、販売網(wǎng)、それらのいずれにもアドバンテージを持つ。

さらにAITOに採用した、スマートセレクションモデル(智選模式)である。これはファーウェイと提攜パートナーが、産品の効能と定義、設(shè)計(jì)、ソフト、ハードの開発、販売チャンネル管理、ブランドマーケティングなど、川上から川下までの全プロセスを、共同のスマートプロジェクトとして実行するものだ。親會社と下請けの従來型の関係性にはない、進(jìn)化したサプライチェーンだ。このようなイノベーション能力は、造車新勢力や、異業(yè)種からの參入組には備わっていない、とされている。

AITOブランドは2021年12月に発表され、2022年中に、問界M5、問界M7、問界M5EVの3モデルを投入した。すぐに人気モデルとなり、スタートダッシュは成功した。しかし、販売目標(biāo)は未達(dá)に終わった。そのためテスラの後を追うように、3萬元(約57萬円)程度の大幅値下げを発表した。これによりエントリーモデルは、問界M5EVが25萬9800元(約493萬円)、問界M7は28萬9800元(約550萬円)となった。

AITO

新BATは形成されるか

このように中國のEV車市場では、日本円400萬~600萬円臺のレベルで、激しい競爭が展開されている。テスラとAITOが値下げ、BYDその他は値上げ、と対応は正反対に分かれた。この勝者はまだ分からない。トヨタのbZ4X(19萬8000元~、約376萬円)はこの爭いに加われるだろうか。

舊BATが、検索エンジン、ネット通販、ゲームとSNSで、IT業(yè)界を創(chuàng)造?革新したならば、新BATは、テスラがEV車の事業(yè)そのものを創(chuàng)出し、BYDがバッテリーと半導(dǎo)體で、業(yè)界を革新し、AITOは自動運(yùn)転技術(shù)で、自動車産業(yè)全體を上書きする突破力を期待されている。新BATという見立てが正しいかどうかは、そう遠(yuǎn)からず明らかになりそうだ。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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