2010年を過ぎたころから、國(guó)際的にも「春節(jié)経済」に対する注目度が高まった。國(guó)際貿(mào)易や中國(guó)経済、國(guó)際経済協(xié)力などを研究する華中科技大學(xué)の陳波教授は、「春節(jié)経済」以前にも「クリスマス経済」という同様の現(xiàn)象が存在すると指摘した。ただし「春節(jié)経済」には新たな側(cè)面もあるという。陳教授はこのたび、中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、「春節(jié)経済」について説明した。以下は陳教授の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

中國(guó)人の購(gòu)買力が向上したことで「春節(jié)経済」に注目集まる

世界的な「ショッピングシーズン」と言えばクリスマス期だった。クリスマス期が非キリスト教國(guó)からも注目されたのは、西洋が繁栄しており、輸入量の増加により世界経済全體が恩恵を得るからだった。一方で、中國(guó)人および全世界で生活する中國(guó)系住民にとって、最も重要な祝日は春節(jié)（舊正月。2023年は1月22日）だ。しかし、かつては中國(guó)人の消費(fèi)水準(zhǔn)は世界的に見て相対的に低かったので、「春節(jié)経済」の影響が及んだのは、基本的に中國(guó)國(guó)內(nèi)だけだった。春節(jié)経済の影響力はクリスマス経済と比べればはるかに小さかった。

しかし今や、中國(guó)のGDPは世界第2位を維持し、中國(guó)人１人當(dāng)たりのGDPは1萬2000ドルを超えた。中國(guó)は中所得國(guó)の一員になった。庶民は所得が向上したことで生活の質(zhì)の向上を求めるようになり、生活必需品だけでなく高級(jí)商品への需要も旺盛になった。

一般家庭が春節(jié)時(shí)に求める商品についても、高級(jí)消費(fèi)財(cái)や輸入品の占める割合が上昇を続けている。そのため、春節(jié)が全世界にもたらす経済波及効果は増大しつつある。

「春節(jié)経済」が世界の“書き入れ時(shí)”を2倍に延長(zhǎng)した

中國(guó)の通販サイトでは、「洋貨下郷（舶來品を農(nóng)村へ）」「閃購(gòu)全球（全世界を電撃買い）」など、さまざまな春節(jié)セールが行われるようになった。多くの海外企業(yè)が、春節(jié)というチャンスを利用して大きな利益を得るようになった。例えばドイツの場(chǎng)合、春節(jié)期のセールによってドイツ車や食品、化粧品などの人気が高まった。

世界のショッピングシーズンには、すでに「クリスマス＋春節(jié)」の構(gòu)造が現(xiàn)れ始めている。従來型の西洋主導(dǎo)のショッピングシーズンは、11月末の「ブラックフライデー」に始まり、クリスマスを経過して元旦には終わった。一方で、中國(guó)の春節(jié)ショッピングシーズンは、基本的に元旦に始まり、春節(jié)を経て舊暦1月15日の元宵節(jié)まで続く。年によって違うが、多くの場(chǎng)合には2月上旬までだ。つまり、春節(jié)経済の世界的な臺(tái)頭は、世界的なショッピングシーズンの期間を2倍に伸ばした。

現(xiàn)代マクロ経済學(xué)の父と呼ばれるジョン?メイナード?ケインズ（1883－1946年）は、「需要が供給を決める」と唱えた。まずは貨幣支出の裏付けのある需要が発生してこそ、経済は動(dòng)き出すとの考え方であり、今もこの説を信奉する人は多い。春節(jié)経済による新たな有効需要の出現(xiàn)が、全世界における供給の動(dòng)きを活発にし、より多くの雇用を創(chuàng)出、世界経済の活力を増やしたと言える。

中國(guó)の國(guó)家戦略も関連、経済を背景に春節(jié)が世界の祝日に

春節(jié)経済は、「買い手」としての中國(guó)の地位を高めた。中國(guó)はしばらく前に、世界一の「売り手」になった。中國(guó)製品の恩恵を受けた流通関係者や消費(fèi)者は多いが、世界の全てが「笑顔」になったわけではない。多くの國(guó)が中國(guó)製品との厳しい競(jìng)爭(zhēng)に直面し、貿(mào)易赤字に不満を言う國(guó)も増えたからだ。そこで中國(guó)は、「中國(guó)は世界から買う、中國(guó)は世界に売る」という、新たな方式の貿(mào)易発展戦略を打ち立てた。その象徴が上海輸入博覧會(huì)だ。従來は輸出に重點(diǎn)を置いた広州交易會(huì)も、輸入促進(jìn)に力を入れるようになった。

これらの動(dòng)きによる効果は、貿(mào)易のバランスを是正することだけでない。中國(guó)に商品を売り込もうとする業(yè)者は、中國(guó)の品質(zhì)基準(zhǔn)や文化や習(xí)慣、中國(guó)人の好みを念頭に置くようになった。そして國(guó)際的に、生産や事業(yè)計(jì)畫において春節(jié)経済を念頭に入れる製造業(yè)者が増えることになった。

また、クリスマス経済は従來型の商取引によって発達(dá)したが、春節(jié)経済には電子商取引（EC）が普及するのと時(shí)を置かず成長(zhǎng)した狀況がある。そのため、春節(jié)経済の取り引きではECの比重が大きい。結(jié)果として、春節(jié)経済は越境ECなど貿(mào)易のデジタル化も後押しすることになった。

春節(jié)経済については、中國(guó)人の海外旅行も見逃せない。コロナ発生前の2019年に海外旅行をした中國(guó)人は延べ1億5500萬人に達(dá)し、海外における消費(fèi)額は1338億ドル（19年12月の為替レートで約14兆6000億円）を超えた。いずれも世界第1位の規(guī)模だ。海外の関連業(yè)者は、中國(guó)文化や中國(guó)人の消費(fèi)習(xí)慣を重視することになった。

これらの狀況により、中國(guó)の春節(jié)は世界的な祝日になったと言える。今では多くの國(guó)の指導(dǎo)者が春節(jié)を祝賀する。また、春節(jié)が國(guó)や地域の正式な休日になったケースも目立つようになった。春節(jié)経済のグローバル化は、世界に向けて中國(guó)の歴史や文化、中國(guó)の伝統(tǒng)などをアピールすることにつながる。春節(jié)経済の國(guó)際化は、中國(guó)人がより多く世界についての見聞を広げ、外國(guó)人がより広く深く中國(guó)を理解することにつながっている。

新型コロナウイルス感染癥は過去3年間、各國(guó)の経済協(xié)力および文化交流に深刻な変化をもたらした。中國(guó)も大きな影響を受けた。しかし中國(guó)の感染管理?抑制措置が最適化されるにつれ、中國(guó)と世界の交流は急速に回復(fù)しつつある。中國(guó)の春節(jié)経済は再び世界の注目を集めることになった。春節(jié)経済はこれからも、世界に喜びと繁栄を共有する機(jī)會(huì)を提供し続ける。（構(gòu)成 / 如月隼人）