ありがとうございます、アニメさん―中國人學(xué)生

日本僑報社    2023年3月5日(日) 17時0分

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はじめまして、アニメさん。実は、私はあなたの生徒の一人です。

はじめまして、アニメさん。急に知らない人からの手紙を受け取って、きっとおかしいと思っているでしょう。実は、私はあなたの生徒の一人です。

初めてお會いしたのは中學(xué)の時だったと覚えています。その時、クラスメートがスマホで『刃牙』というアニメを見ていました。アニメのキャラクターが激しく戦う音や聲優(yōu)の感情溢れる聲が私を引きつけました。それまで、私の日本のアニメに対する印象は『ドラえもん』のような子供向けアニメに留まっていました。しかし、『刃牙』は不思議な種のように私の心の奧底に根付き、私は日本語に興味を持ち始めたのです。

この日から、私はあなたの門外の學(xué)生になり、あなたのぼんやりした姿は窓越しにしか見えないが、それでもあなたの聲をしっかりと聞いていたのです。アニメを見て「おはようございます」「ありがとうございます」などの簡単な挨拶を真似て、日本語を?qū)Wんだと言えるほどではないですが、私は非常に嬉しかったです。いつかの日か本當(dāng)に日本語が話せ、字幕がなくても理解できるようになる、そう私は思いました。

中學(xué)の3年間、私はずっと「門前の小僧」でしたが、日本語を勉強(qiáng)したいという考えはますます強(qiáng)くなっていきました。そこで、両親に補(bǔ)習(xí)クラスで日本語を勉強(qiáng)したいと言ってみましたが、彼らは「日本語を勉強(qiáng)する時間があったら、英語を勉強(qiáng)しろ!」と反対しました。少し落ち込みましたが、私は諦めませんでした。ネット上で『ドラえもん』のような子供向けのアニメから、電話、自転車など、少しずつ単語を覚えていきました。それだけで私も楽しくなってきて、もっと多くの単語を勉強(qiáng)しておけば、いつか日本語を?qū)Wぶ時役に立つと思うようになりました。

そうして、私の日本語は日々進(jìn)歩していきました。しかし、殘念なことに、英語の成績は逆に下がってしまいました。両親に成績表を渡すと、彼らの顔色がすぐに変わりました。両親は「毎日スマホでアニメばかり見て、英語はどうするのか!スマホを1カ月に沒収して、次に英語の成績が上がらなければ2カ月目も沒収だ!」と怒りました。私は何を言っても仕方がないと知り、がっかりして寢室に戻りました。

「スマホを取り戻す!」。それが私の原動力になり、1カ月後に英語の成績もなんとか上がり、スマホを取り戻すことができました。心の中では「二度と同じ轍を踏まない」と誓い、英語も真面目に勉強(qiáng)するようにしました。そして、高校3年生の時、私は大學(xué)では日本語を?qū)煿イ工毪长趣驔Qめました。私の決心を両親に話すと、少し驚いて「えー、でも今の成績のままでは……」と心配しました。私は「頑張ります!好きな日本語のために、スマホを渡して勉強(qiáng)に集中します!」と、両親に誓いました。

努力の甲斐あって、私はなんとか必要な成績を取ることができ、望み通り恵州學(xué)院日本語學(xué)科の學(xué)生になりました。初めての日本語の授業(yè)を受けたとき、手に一つの新しい鍵を渡されたような気持ちになりました。私はその鍵を探して、中學(xué)、高校の6年間も日本語の門の前で徘徊していたのです。今、やっと門を開き先生の本當(dāng)の姿を見ることができます。以前の私は、「日々私たちが過ごしている日常と言うのは、実は奇跡の連続なのかもしれない……」などと、あなたの臺詞を真似するだけでした。今でも、あなたの言葉の全てはまだ聞き取れません。それでも、いつかできると信じています。

あなたは、私に新しい世界を見せてくれました。あなたは私を日本語に対して啓蒙してくれました。あなたは高校の時の私に前へ進(jìn)む力をくれました。そして、あなたは私が大學(xué)で學(xué)びたいことを教えてくれました。あなたは私のことを全く知らないかもしれません。ですが、私はやはり一言言いたいんです。私はあなたの生徒です。ありがとうございます、アニメさん。

■執(zhí)筆者:姚徳良(恵州學(xué)院)「ありがとうございます、アニメさん」

※本文は、第18回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「日中「次の50年」――中國の若者たちが日本語で綴った提言」(段躍中編、日本僑報社、2022年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。


※記事中の中國をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現(xiàn)地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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