1949年に成立した中華人民共和國(guó)では、早い時(shí)期からバレエの発展に力が入れられた。その背景にはまず、國(guó)家建設(shè)の全てに渡って社會(huì)主義の「大先輩國(guó)」であり、バレエが盛んなソ連のやり方を?qū)毪筏郡长趣ⅳ盲?。中?guó)當(dāng)局がソ連と同様に、大衆(zhòng)のための蕓術(shù)を重視したことも、バレエ関連事業(yè)に力を入れた大きな要因だった。

社會(huì)主義政策の一環(huán)として勃興した中國(guó)のバレエだが、改革開(kāi)放が始まると西側(cè)國(guó)家で大きな足跡を殘す中國(guó)系のバレエの踴り手も出現(xiàn)するようになった。中國(guó)系カナダ人のチャンホン?ゴー（呉振紅）さんも、その一人だ。ゴーさんは両親ともに成功したバレエの踴り手というバレエ一家に生まれた。幼い頃に両親と共にカナダに移住し19歳の時(shí)にカナダ國(guó)立バレエ団に入団して成功を収めた。ゴーさんはこのほど、中國(guó)メディアである中國(guó)新聞社の取材に応じて、自らのバレエ歴やバレエ観を披露した。以下はゴーさんの言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

骨身を惜しまない努力が絶対必要、天分の花が咲くかも

カナダ國(guó)立バレエ団では、事務(wù)を擔(dān)當(dāng)する人がある時(shí)、必要があって古い資料を調(diào)べたところ、私が中國(guó)系として、この団で初めてプリンシパル（主役の演じ手。所屬する団體の顔と言える存在）になったことが分かったと教えてくれた。それまでは考えていなかったが、もっと多くの中國(guó)系の踴り手がこの団や、世界の他の舞臺(tái)に登場(chǎng)することを願(yuàn)うようになった。

バレエはとても難しい。よいスタイルも必要だが、音楽感覚や體の柔らかさ、理解力、舞臺(tái)での表現(xiàn)力、観客とのコミュニケーション力なども必要だ。毎日を練習(xí)に費(fèi)やす必要がある。私自身の條件について言えば、體はさほど柔らかくない。だから、絶えず練習(xí)することで自分自身の壁を突破していくしかない。

バレエは単に體が動(dòng)けばよいのではなく、與えられた役を自分自身の表現(xiàn)を通じて、どのように具體化していくかを考えねばならない。そのためには考え抜くことが必要だ。「レジェンド」とされる踴り手の演技を研究して、今度は自分の理解に基づいて表現(xiàn)する必要もある。

踴り手として成長(zhǎng)するために、まず第一に必要なのは骨身を惜しまず努力を続けることだ。私の場(chǎng)合には家族の存在も大きかった。家族が「バレエの仕事とは何か」を熟知しているので、「コツ」を教えてくれたり、長(zhǎng)期的な計(jì)畫(huà)を立てる手助けをしてくれた。

バレエの世界で、一定の水準(zhǔn)と立場(chǎng)に達(dá)したら、もう一歩、先に進(jìn)みたくなる。それができるかどうかには、やはり天分が関わってくる。努力することは當(dāng)然で、先生は生徒が進(jìn)歩するよう手伝ってくれる。しかし天分の要素だけは、他人からいただくことができない。

中國(guó)系に対する差別は存在する、しかしそれを言い訳にしてはならない

私はカナダに來(lái)た時(shí)、英語(yǔ)が全くできなかった。幼かった私にとって、慣れ親しんでいるのはバレエだけだった。両親が中國(guó)のバレエ団で主役を務(wù)めていたため、私の周?chē)欷摔铣￥艘魳Sと踴りがあった。

そんな中で、最初に取った賞のことは忘れられない。15歳の時(shí)に、父が國(guó)際的なダンスの大會(huì)に出場(chǎng)するために、スイスのローザンヌに連れていってくれた。父も私も「見(jiàn)聞を広める」ことを目的としていたが、私は決勝に進(jìn)んで奨學(xué)金を獲得した。これには父も私も驚いた。この経験で、私はバレエの世界で生き、バレエを自分の仕事にすることに疑いをもたなくなった。自信がついたのだ。私にとっては実に有意義な受賞だった。

その後は新たな作品に出演したり、新しい役を演じるようになった。そのたびに表彰されたわけではないが、私は心の中で「賞を取った」と思っていた。自分の夢(mèng)をまた一つ、実現(xiàn)できたのだから。

私は2019年に「カナダ勲章」を受章した。とても重要な勲章で、カナダという國(guó)が私に「お墨付き」を與えたことになる。私は、蕓術(shù)家としての國(guó)への貢獻(xiàn)を認(rèn)められたのだ。私は自分の蕓術(shù)を通じて社會(huì)により良い環(huán)境を與えてきたと自負(fù)してよいだろう。それはとても嬉しいことだ。

私は中國(guó)系住民として、この社會(huì)には差別があると思っている。しかし差別を現(xiàn)実逃避の口実にしてはならない。社會(huì)には差別が存在するが、自分がぶつかった壁は差別によるものか、それとも差別の存在を言い訳にしているだけなのか。どちらなのかを、しっかりと見(jiàn)極めねばならない。

苦しい時(shí)に愛(ài)で支えられた、今度は私が苦しい人を支える

私は両親が設(shè)立したバレエアカデミーを引き継いだ。そのことで、自分自身のバレエ蕓術(shù)に打ち込んでいるだけでは済まなくなった。蕓術(shù)とビジネスは永遠(yuǎn)に立場(chǎng)が異なる。しかし、レベルの高い蕓術(shù)を?qū)g現(xiàn)するためには、資金を投入することも絶対に必要だ。

私は公的援助を一切頼りにせず、興行収入と商業(yè)的なスポンサーにのみ頼っている。劇場(chǎng)を借りたり、オーケストラやスターダンサーを呼んだり、宣伝などで出費(fèi)がかさむ。一種の戦いだ。そういった戦いが「現(xiàn)実の生活」であり、「美しく幻想的な生活」は舞臺(tái)の上だけにあるような気がしてならない。

私の基本的な要求は、蕓術(shù)のレベルを下げないことだ。それができないようでは、私にとって意義がないし、やる気も出ない。私がせねばならないことは、最高の質(zhì)で人々に感動(dòng)を與えることだ。私の蕓術(shù)の基準(zhǔn)とは、それらを満たすことだ。そのためには資金も必要になる。

私のバレエアカデミーは、2009年から毎年、バレエの古典演目の「くるみ割り人形」を上演しつづけている。私が住むバンクーバーは國(guó)際的に有名な都市だが、それまでは「くるみ割り人形」を演じる地元のチームがなかった。私は蕓術(shù)で社會(huì)貢獻(xiàn)できる良い機(jī)會(huì)だと思った。アカデミーにとっては大きなチャンスであり挑戦だった。いつもバンクーバー交響楽団に共演してもらい、バンクーバー最大の劇場(chǎng)で上演している。リハーサルには200人を超える踴り手が參加する。コミュニティーや、その他の優(yōu)れたダンスグループ、バレエ界のスターにも參加してもらい、皆で協(xié)力していくべきだと考えている。

両親のような移民の家族はカナダに來(lái)た當(dāng)初、大変な困難に直面する。きちんとした収入を得られるのは、かなり後のことになる。私は多くの人に助けられたことで、人は人を助けるための愛(ài)を持たなければならないということを痛感した。そして、愛(ài)によって人を助ける人自身も、多くの人に助けられてきたからこそ、成功できたのだ。

私はたくさんの人に育てられ、助けられてきた。心から感謝している。そこで、バレエの學(xué)習(xí)者のための奨學(xué)金を設(shè)立した。多くの人は、今はまだ、バレエを?qū)Wぶ経済力がないかもしれない。しかし奨學(xué)金の助けがあれば、自分の天分と努力によって、自分の夢(mèng)を?qū)g現(xiàn)できるチャンスが出て來(lái)るはずだと思う。（構(gòu)成 / 如月隼人）