「日本人は皆悪魔だよ!」そんな祖父は私が日本語科に受かった時、何も言わなかった―中國人學生

日本僑報社    2023年3月19日(日) 21時0分

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「日本人は皆悪魔だ」。そんな祖父であったが私が大學の日本語科に受かった時には何の文句も言わなかった。

「文超、知っとるか?あの頃は酷かったよ。日本人は皆悪魔だよ!」。幼い頃から日中戦爭を題材したドラマを見る度に祖父はいつも私に苦蟲を噛み潰したようにこう言っていた。そんな時私は「ひどいよ、祖父ちゃん!日本にもきっといい人がいっぱいいるよ」と反駁してみたが、頑固な祖父を説得できなかった。しかしそんな祖父であったが私が大學の日本語科に受かった時には何の文句も言わなかった。どうして怒らなかったのだろう。あんなに日本を嫌っていたのに。そんな疑問を抱いて大學に入った。

大學に入ってみると中日の教師は皆和気あいあいで、やっぱり日中両國民は仲が良いんだと思われた。しかし2021年の日中共同世論調(diào)査ではお互いに反日反中が大多數(shù)であるという、あの無慘なデータを初めて見た時、正直ショックだった。だけどなぜこんな結(jié)果が出たんだろう。私はこの2年間でようやくその答えが分かったような気がする。大抵の中國人が日常生活で日本人と何のやりとりもないのに、なお日本人に悪い印象を持ち続けている。それは皆祖父のように過去に囚われ、未だに戦爭時期に中國に苦難をもたらした「昔の日本人」という悪いイメージしか持っていなくて、平和を求めている「今の日本人」なんて全く意識していないからだ。もし祖父に「今の日本人」の真の姿を伝えたらきっと理解してくれるのではないか。こんな気持ちを持って今年の冬休みに田舎の祖父に會いに行った。

実家に著いた時、祖父は庭で日向ぼっこをしていた。私は椅子を運んで橫に座って何気なく尋ねてみた?!缸娓袱沥悚?、今年はとても記念すべき年だよ。何だか分かる?」。祖父は眉をひそめて頭を絞るように考えていたが「いや、分からん」としか答えなかった。やはり、祖父は中日の友好なんて何も考えていないんだ。すぐさま私の口から「1972年當時の日本の首相田中角栄は訪中して周恩來総理と日中共同聲明に調(diào)印した。今年こそ日中國交正常化50周年だよ」と語った?!袱??もう50年も経ったのか」と驚いた祖父に「私は大學で3人の日本人先生と出會った。皆親切でそれに中國が大好きだ。今の日本人はもう祖父ちゃんの思う日本人と全然違っているんだよ」と少し強い口調(diào)で続けて言った。

祖父はまだ納得しない表情で「たまたまだよ、文超の先生たちは」と呟いた。私はまた「違うよ、祖父ちゃんは田舎に住んでいて知らないかもしれないけど、2年前新型コロナが武漢で大暴れした時、日本から次々と防疫物資が送られてきた。2008年四川大地震が発生した時も寄付金だけでなく余震の危険を冒してでも救援隊も派遣してもらったんだよ。中國が災(zāi)害に見舞われる時、日本はいつも手助けしてくれる。2000年も続いた日中両國民の絆は戦爭のせいで一時引き裂かれたけれど、平和になってまた結(jié)ばれてきたんだ」と一言一言を噛み締めるように言った。それを聞いた祖父は茫然と首を向こうにただ押し黙っていた。私が帰るまで祖父は全くこの話をしなかった。しかし祖父は何か感じ取ってくれたのかもしれない。少しずつ祖父の考えが変わってきたように私は思えたのである。

中國ではまだ祖父のような日中國交正?;工橹椁胜と摔胜甓啶い韦?。彼らの根深いイメージを変えるため私は何かをしなければならない。これは本物の日本人と觸れ合って日本人の本當の気持ちを知っている自分だからこそ出來ることだ。これからは身近な人からでもいい、日中國交樹立してきたこの50年間にあった両國民の絆や心を揺さぶる話をどんどん伝えていきたい。未來に向かって伝えていきたい。

食堂のおばさんに日中國交正?;?0周年の話を、他學科の學生に日本人の先生との觸れ合いの話を、まだ中學生になったばかりの従弟に日本人が災(zāi)難の時に何度も何度も支援してくれた話を。一人でも多くの中國人に「今の日本人」を知ってもらうよう伝えていく。一人ずつ一人ずつ。まずは祖父からだ。

■原題:「今の日本人」を伝えていく――まずは祖父から、そして未來へ

■執(zhí)筆者:郭文超(南陽理工學院)

※本文は、第18回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集『日中「次の50年」――中國の若者たちが日本語で綴った提言』(段躍中編、日本僑報社、2022年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。


※記事中の中國をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現(xiàn)地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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