ベトナム共産黨機(jī)関紙の人民報(bào)（中國(guó)語(yǔ)電子版）はこのほど、一時(shí)は同國(guó)市場(chǎng)で大躍進(jìn)した中國(guó)系オートバイが「沒(méi)落」して、日本ブランドが改めて勝利した経緯を紹介する記事を発表した。

ベトナムは現(xiàn)在、世界第4のオートバイ市場(chǎng)だ。ベトナム二輪車(chē)製造業(yè)者協(xié)會(huì)（VAMM）によれば、2022年におけるオートバイ販売臺(tái)數(shù)は前年比20．5％の300萬(wàn)3160臺(tái)だった。販売臺(tái)數(shù)は新型コロナウイルス感染癥の低迷で落ち込んだが、3年ぶりに300萬(wàn)臺(tái)を突破した。同年第1四半（1－3月）は前年同期比で7．4％増だったなどで出足がやや鈍く、新型コロナ発生前の水準(zhǔn)は回復(fù)できなかったが、第4四半期には同207．7％増と、目覚ましい伸びを示した。

ベトナムのオートバイ市場(chǎng)はホンダ、ヤマハ、イタリアのピアッジオ、スズキ、臺(tái)灣のSYMの5社で占められており、VAMMの統(tǒng)計(jì)もこの5社の業(yè)績(jī)によって作成されている。

特にホンダの場(chǎng)合には、8割前後のシェアを維持し続けている。22年のシェアは80．2％だった。ホンダ?ベトナムは現(xiàn)在、同國(guó)內(nèi)に3カ所のオートバイ工場(chǎng)を設(shè)けている。設(shè)立は1996年で、16年には累計(jì)出荷臺(tái)數(shù)が2000萬(wàn)臺(tái)に達(dá)し、18年には2500萬(wàn)臺(tái)、20年10月には3000萬(wàn)臺(tái)に達(dá)した?，F(xiàn)在までの累計(jì)出荷臺(tái)數(shù)は3500萬(wàn)臺(tái)だ。

中國(guó)は製造業(yè)が急速に発展してきた。オートバイでは1993年に生産臺(tái)數(shù)が日本を抜いて、世界第1位になった。中國(guó)はしかも、ベトナムの隣國(guó)だ。中國(guó)ブランドのオートバイがベトナムにあふれていてもおかしくないはずだが、ベトナムの街で見(jiàn)かけるオートバイの多くは日本ブランドで、中國(guó)ブランドのオートバイを見(jiàn)ることはめったにない。

外國(guó)ブランドとしてベトナム市場(chǎng)を最も早く席巻したのは、日本のオートバイだった。1998年には、ベトナムのオートバイ市場(chǎng)の98％が日本のオートバイだったという統(tǒng)計(jì)もある。一方で中國(guó)系のオートバイは、ベトナムは隣國(guó)であるという「地の利」を生かして、99年ごろからベトナム市場(chǎng)に「殺到」するようになった。

中國(guó)のオートバイメーカーはベトナムで価格競(jìng)爭(zhēng)を展開(kāi)した。日系や韓國(guó)系のオートバイより圧倒的に安価だった中國(guó)系オートバイは、ベトナム市場(chǎng)を「切り取って」いった。

當(dāng)時(shí)のベトナムの街では、力帆、宗申、軽騎など中國(guó)ブランドのオートバイが隨所で見(jiàn)られた。わずか3年間ほどで、中國(guó)のオートバイのベトナム市場(chǎng)におけるシェアは、8割程度に達(dá)した。02年には重慶摩托車(chē)（重慶オートバイ）だけで、ベトナムへの輸出額が3億2000萬(wàn)ドル（同年年末の為替レートで約384億円）に達(dá)した。

しかし、「中國(guó)バイクの天下」は長(zhǎng)続きしなかった。ベトナム當(dāng)局は、中國(guó)製バイクの市場(chǎng)シェアがあまりにも高いので、自國(guó)のバイク製造業(yè)が発展する障害になると判斷した。そして、関稅を引き上げた。

そのため、中國(guó)の一部のオートバイメーカーは対策として、生産ラインをベトナム國(guó)內(nèi)に移した。そしてより大きな市場(chǎng)シェアを獲得しようと、価格競(jìng)爭(zhēng)を始めた。小売価格は下落する一方で、最終的には1臺(tái)當(dāng)たりの利益が30ドル（23年4月9日時(shí)點(diǎn)の為替レートで約4000円）程度にまで落ち込んだ。

中國(guó)のメーカーにとっては、価格を下げつづけるために、コストを圧縮するしかなくなった。コストを圧縮するために、オートバイの品質(zhì)を下げた。消費(fèi)者は次第に、中國(guó)ブランドのオートバイを見(jiàn)放していった。そして今では、ベトナムの街で中國(guó)系オートバイを見(jiàn)かけることはほとんどなくなり、道を走っているオートバイのほとんどが日系のオートバイとなった。

中國(guó)のメーカーはベトナム市場(chǎng)で「得を取ろう」として大損をすることになった。あまりにも急速に成果を出そうとすれば、重い石を持ち上げて自分の足の上に落とすようなことになる。天下を勝ち取るために頼れる「武器」は、品質(zhì)以外にはありえない。（翻訳?編集/如月隼人）