2023年4月12日、第一財経は、中國で銀行預(yù)金額が急速に増加し、銀行がコスト圧力を低減するために利下げを相次いで実施していることを報じた。

記事は、中國の國有銀行6行を含む大手銀行13社の22年末における顧客預(yù)金殘高が前年同期比12．4％増の150兆人民元（約2900兆円）超となり、過去最高を記録したと紹介。中國人民銀行（中央銀行）が今年年初に発表したデータでも、22年末現(xiàn)在の家計預(yù)金殘高が17兆8400億元（約345兆円）で前年同時期より7兆9400億元（約154兆円）増えたことが明らかになり、さらに今年1?3月の家計預(yù)金殘高は前の四半期に比べて9兆9000億元（約192兆円）も増加したと伝えた。

そして、空前の預(yù)金ブームが銀行にとっては大きなコスト圧力になっているため、多くの銀行が昨年4月、9月に続き今年4月も中小銀行を中心に相次いで定期預(yù)金金利を引き下げる対応策を打ち出しているとした。

その上で、急速に預(yù)金が増えた背景には「投資家にとってやむを得ない狀況」があったと指摘。昨年は株式市場、債券市場、不動産市場がいずれも低調(diào)だったことで、預(yù)金が唯一の「避難所」という認(rèn)識が広まったことで、預(yù)金額が急速に増えていったと解説した。その一方で、最近の中國人民銀行の調(diào)査からは市民の預(yù)金志向に変化の兆しがうかがえるとし、今年1?3月に実施した調(diào)査で「消費(fèi)を増やしたい」と答えた市民の割合が前四半期より0．5ポイント増えて23．2％、「投資を増やしたい」も3．3ポイント増えて18．8％となり、逆に「より多く貯蓄に回す」と答えた人の割合は58．0％で3．8ポイントの減少となったことを紹介している。

記事は、今後の展望について業(yè)界內(nèi)では金融監(jiān)督管理當(dāng)局が銀行に対して実體経済へのサポート強(qiáng)化を引き続き求めると同時に、銀行のコストを緩和するために預(yù)金利率引き下げの流れを続けるよう推進(jìn)するとの見方でおおむね一致していると伝えた。（翻訳?編集/川尻）