中國(guó)でも大ヒット中の「すずめの戸締まり」など新海誠(chéng)作品をはじめとした映畫のプロデューサー、腳本家、小説家などとしてマルチに活躍する川村元?dú)菔悉?、北京?guó)際映畫祭に合わせて、初の長(zhǎng)編映畫監(jiān)督作品「百花」を攜えて訪中した。認(rèn)知癥を扱った同作品について川村監(jiān)督にインタビューした。人民網(wǎng)が伝えた。

認(rèn)知癥になった祖母のもとに通い続けた1年間

映畫「百花」は、認(rèn)知癥になった母親?百合子とその息子?泉の物語(yǔ)だ。認(rèn)知癥の進(jìn)行とともに多くのことを忘れていってしまう百合子と、そんな母親に戸惑い、苛立ちながらも理解しようとする中で、母との思い出を取り戻していく泉の「最後の1年」を描いている。同作品は海外でも高く評(píng)価され、サン?セバスティアン國(guó)際映畫祭で最優(yōu)秀監(jiān)督賞を受賞。原作は川村監(jiān)督自身が執(zhí)筆した同名小説だ。

小説執(zhí)筆のきっかけは、8年前に川村監(jiān)督の祖母が認(rèn)知癥になり、祖母のもとに1年間通っていた時(shí)に起きたある出來(lái)事だったという。

「ある日、『僕が初めて釣りに行った時(shí)に海で大きい魚を釣ったよね』という話をおばあちゃんにしたら、おばあちゃんが『それは海じゃなくて湖だよ』って言ってきたんですよ?！氦ⅳ?、やっぱり忘れちゃったんだな』と思って、家に帰って寫真を見返していたら、湖だったんですよね、その場(chǎng)所が。つまり、おばあちゃんは覚えてたけど、僕が忘れていたわけです」。

認(rèn)知癥患者だけでなく、実は自分たちもさまざまなことを忘れ、記憶を書き変えて生きているという発見が小説化の動(dòng)機(jī)になったのだという。

映畫化のきっかけは、小説を読んだ俳優(yōu)の菅田將暉から、泉を演じたいという電話が川村監(jiān)督にかかってきたことだった。川村監(jiān)督自身も長(zhǎng)編映畫を撮りたいと思っていた時(shí)期と重なったこともあり、「これは菅田將暉主演で、『百花』という自分の家族を描いた物語(yǔ)を自分で監(jiān)督して撮るというめぐり合わせなんだなと思って、プロジェクトが進(jìn)んでいった」のだという。

「記憶は花のようだ」

川村監(jiān)督が祖母のもとに通った1年間で、祖母は多くのことを忘れていった。しかし、川村監(jiān)督は「それがうらやましくもあった」と言う。

「自分がスマホの中に二度と見ない寫真とか、二度と連絡(luò)しない人の連絡(luò)先とか、そういうのを全部攜帯を買い換えるたびにクラウドに上げて、何もかも忘れないように生きてるうちに、何が大事だったか、誰(shuí)が自分にとって大事な人だったか分からなくなっていた。そんな時(shí)に、おばあちゃんはいろんなことを忘れていって、本當(dāng)に最後は100ぐらいの記憶しかなくて、でもそれがすごくその人にとっては大事なもので、そこがクリアになっていくのを見ていて、忘れていくおばあちゃんに自分にとって大事なものを気づかせてもらった1年間でした」。

原作の『百花』というタイトルには、「記憶は花のようだ」という思いが込められているという?！甘Г铯欷皮い椁长健ⅳ饯欷坤筏い雀肖袱毪铯堡扦工瑜?。僕がどうしても造花に惹かれないのは、おそらく枯れないから?；ɑ黏趣à趣喊倩ā护摔堡毳猊俩`フは一瞬で消えていってしまうけれど、だから人はそれを愛したいと思うし、それに惹かれるんですよね。AIは絶対忘れないわけだけど、人間は忘れていく。だから、忘れていくってこと自體が人間らしさだなあと思うんですよ」と川村監(jiān)督。そして祖母が最後に100ほどの記憶しかなかったことを踏まえ、「本當(dāng)に自分にとって大切な記憶って、數(shù)えれば100もないかもしれない。そういうものを象徴する言葉として『百花』を選んでいます」と語(yǔ)った。

「近くて遠(yuǎn)い家族」を見つめるきっかけに

中國(guó)でも、若い世代の間で「年老いた両親の世話」が將來(lái)への不安としてのしかかっている。また、認(rèn)知癥も大きな社會(huì)問題になりつつある。

川村監(jiān)督は小説「百花」を書くにあたって、100人以上の認(rèn)知癥患者に取材し、50人以上の認(rèn)知癥醫(yī)療関係者にも會(huì)ったという。そうした取材を経て、「どうして一人で歩いていってしまうのか、どうして同じ物を何回も買ってしまうのか」など、認(rèn)知癥患者の頭の中を知りたくて小説を書き、映畫を撮った。「百花」には、認(rèn)知癥患者である母親?百合子の一見不可解に思える行動(dòng)が、「なるほどこういうふうになってるんだな」と分かるシーンが數(shù)多くある。川村監(jiān)督は、認(rèn)知癥患者に見られるような不完全さも含めて、「自分の中では、親との関係をどう作っていくかというところは、人間として生きていくことそのものだなという結(jié)論に至った」という。

「百花」の中國(guó)語(yǔ)版タイトルは「我和媽媽的最後一年」（僕と母の最後の一年）。中國(guó)では、母の日の前々日というタイミングで公開される。それについて川村監(jiān)督は、「この物語(yǔ)は、忘れていってしまう母親とそれによって母との思い出を取り戻していく息子の物語(yǔ)。それがちょうど母の日を前にして公開になるという運(yùn)命のようなタイミングに、とても興奮しています。母親というのは、最も近い存在でありながら、最も分からない存在。母親も一人の人間として生きた瞬間があるし、生きている。そういうことを知ることで、母と子供の関係はより深くなるような気がしています。多少驚く出來(lái)事がある映畫ではあるけれども、そこも含めて、この映畫をきっかけに、今近くにいるお母さまとの関係をもう一回見つめていただけるとうれしいなと思っています」とした。（提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?文/勝又あや子）