日本僑報(bào)社 2023年5月13日(土) 22時(shí)0分
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子供の頃からアニメファンの私は、ずっと海の向こうにあるこの國(guó)に興味を持っていた。
中國(guó)には「百聞は一見(jiàn)に如かず」ということわざがある。私の目で日本を見(jiàn)る場(chǎng)合はまさにそのことわざのとおりである。子供の頃からアニメファンの私は、ずっと海の向こうにあるこの國(guó)に興味を持っていた。北海道の作りたての刺身の旨み、雪をかぶった富士山の壯大さや靜かさ、淺草寺の古い伝説や軒下の風(fēng)鈴の音など、ずっと憧れていた。
でも、映畫(huà)やマンガの中の日本は、あくまでも他人が見(jiàn)せてくれた日本である。私は今の日本、本當(dāng)の日本を知りたい。普通の日本人の生活や考えを知りたい。自分の肌で感じられないから、お互いに親近感を覚えにくく、距離感が生じたのだろう。友達(dá)と話し合ったら、みんなはそれが、日本に親しくならない理由の一つだとうなずいた。
しかし、殘念ながら、コロナ禍のせいで、もともと夏休みの日本短期研修が中止となった。ある日、偶然ながら、中國(guó)の動(dòng)畫(huà)アプリTikTok(ティックトック)をやっている時(shí)、「東北大姨在日本」(「おばあさんの日本滯在記」)というアカウントに心を惹かれた。主人公は年寄りの夫婦である。おばあちゃんは中國(guó)東北部の出身で、外向的でユーモアがあり、しゃべっている日本語(yǔ)はなんとなく東北方言っぽい感じがしている。ご主人はとても優(yōu)しい日本のおじいちゃんである。
投稿したものも夫婦二人の「日?!工扦ⅳ?。一緒に公園を散歩したり、マンガ展を見(jiàn)たり、美味しいものを食べたり、ごく普通の生活場(chǎng)面を見(jiàn)せてくれた。そのうち、ご主人に中國(guó)語(yǔ)を教えている時(shí)、北京冬季オリンピックのマスコットの名前は何かと質(zhì)問(wèn)したら、おじいちゃんはすぐに「氷墩墩(ビンドゥンドゥン)と雪容融(シュエロンロン)」と答えてくれた。おばあちゃんの「國(guó)粋」が話題になったが、おじいちゃんや周りの人たちの優(yōu)しい顔を見(jiàn)て非常にリアルで溫かい感じがしていた。これでは將來(lái)留學(xué)するつもりの私も妙に安心したような気がする。
また、同じティックトックで東京の街の生放送という動(dòng)畫(huà)を見(jiàn)つけた。顔も聲も出さずに、ただ歩きながら攜帯電話で街の様子をライブしていた。暮れた夕日、聳えた高層ビル、それにたくさんの看板が目に入った。文字は中國(guó)語(yǔ)に似ているか似ていないかのようだが、意味がほとんどわかった。地下鉄の人込み、慌ただしい足取りのサラリーマンの姿、子供の無(wú)邪気な笑顔、その時(shí)、まるで自分も東京の街を歩いているようで、人込みの中の一員になったような気がした。自分と似ているアジア系の顔立ちを見(jiàn)たら、「これこそ本當(dāng)の日本だな」となんとなく親しみを感じた。
ふと思いついたのだが、たぶん日本でも本當(dāng)の中國(guó)を見(jiàn)たいという人もいるだろうし、私も本當(dāng)の中國(guó)の様子を撮影して投稿しようではないだろうか。すると、直ちに、日本語(yǔ)版のティックトックアカウントに登録してみた。ほとんどの場(chǎng)合、私はカメラで街の風(fēng)景を生放送している。整然としたきれいな町、きらきらと光っている摩天樓のネオンサイン、きちんと並んでいたPCR検査を受ける人たち、尊敬なるかわいい「大白」など。私の撮ったものを見(jiàn)てくれた人は僅かであるが、「きれいな町ですね」「中國(guó)頑張れ!」というコメントを頂いた時(shí)、ずいぶん勵(lì)まされて中日の人々の相互理解のために私もささやかなことができたという達(dá)成感も感じた。
自分の耳で聞くことや自分の目で見(jiàn)ることが、親しみを増すいちばんいい方法だと思う。殘念ながら、コロナ禍で、外國(guó)へ旅行したり留學(xué)したりできなくなっているが、現(xiàn)代社會(huì)では、心の距離は物理的な距離で測(cè)るものではないと思う。生放送やミニ動(dòng)畫(huà)などを利用して、最もリアルな中國(guó)や日本を見(jiàn)せ、誤解などを解消することは私たち一人一人の責(zé)任である。教科書(shū)やパンフレットのような靜的なものに対して、動(dòng)畫(huà)はいきいきとした日本を知ることができる。海の向こうに住んでいる人たちは私たちと同じ空気を吸い、似たような生活を送っている。この素晴らしい共通感こそ、中國(guó)人と日本人の距離を縮めたのではないだろうか。
■原題:私がティックトックを始めた理由
■執(zhí)筆者:郭軼凡(大連理工大學(xué))
※本文は、第18回中國(guó)人の日本語(yǔ)作文コンクール受賞作品集『日中「次の50年」――中國(guó)の若者たちが日本語(yǔ)で綴った提言』(段躍中編、日本僑報(bào)社、2022年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。
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