中國初の國産大型クルーズ船「愛達(dá)?魔都（ADORA MAGIC CITY）」號が進(jìn)水した。海上試運(yùn)転を終えた後、年內(nèi)に納船され、上海を母港とする國際航路を開設(shè)する見込みだ。

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この國産大型クルーズ船は、部品の數(shù)が2500萬點(diǎn)にも達(dá)し、クルーズ船の製造やメンテナンスなどのコストは総額1兆元（約20兆円）規(guī)模となるという。

「愛達(dá)?魔都號」の総トン數(shù)は13萬5500トン、世界最大のクルーズ船運(yùn)航會(huì)社カーニバル?コーポレーションのプラットフォームに基づき、全長323．6メートル、幅37．2メートル、満載喫水8．55メートル、最大速力22．6ノット、旅客定員最大5246人、客室2125室と世界最大級を誇る。

中國船舶集団とカーニバル社の合弁會(huì)社?中船嘉年華郵輪の陳然峰?最高経営責(zé)任者（CEO）は、「初の國産大型クルーズ船は2023年內(nèi)に納船されるとともに、上海を母港とした國際航路を開設(shè)することになる」と述べている。同社によると、「愛達(dá)?魔都」號は日本航路と東南アジア航路で運(yùn)航するとともに、「海上シルクロード」などの中?長距離航路の運(yùn)航も開始。長?中?短距離を合わせた多様な旅行?レジャーの選択肢を提供する計(jì)畫という。

部品數(shù)は2500萬點(diǎn)、大型旅客機(jī)の5倍

長年にわたり、世界には大型クルーズ船を設(shè)計(jì)?建造できる企業(yè)は、イタリアのフィンカンティエリ、ドイツのマイヤー?ヴェルフト、フランスのアトランティーク造船所など數(shù)社に限られていた。大型クルーズ船の建造が非常に難しいことがその要因だった。

業(yè)界関係者によると、現(xiàn)在世界で最も複雑な単體の電気機(jī)械製品であるこの國産大型クルーズ船は、建造のレベルが他の輸送機(jī)関よりもはるかに複雑だ。部品の數(shù)は2500萬點(diǎn)に達(dá)し、中國製大型旅客機(jī)「C919」の約5倍、高速鉄道「復(fù)興號」の13倍に相當(dāng)し、「海上を移動(dòng)する都市」と呼ばれている。

一般のクルーズ船をはじめとする輸送船と異なり、大型クルーズ船の建造は造船技術(shù)のほか、ホテル、娯楽システムなど數(shù)十の専門分野に関わっている。航行の安全保証のほか、乗船者の船上生活や娯楽サービスなども考慮しなければならない。

有力旅行専門家は「クルーズ船の建造は複數(shù)の産業(yè)を牽引している。原料の生産から部品の割當(dāng)まで、重工業(yè)から軽工業(yè)まで、いずれも関わっている。例えば建造において、クルーズ船のシステム集積やコア裝備の開発を牽引するほか、動(dòng)力裝置、甲板機(jī)械、船室設(shè)備、新エネルギー?クリーンエネルギーなども含まれる。國産大型クルーズ船の進(jìn)水により、後続の日常的な船舶の修理メンテナンスといった関連産業(yè)も牽引されることになる」と述べた。

日韓の造船會(huì)社、歐州勢の牙城を崩せず

大型クルーズ船の設(shè)計(jì)?建造は難度が極めて高く、世界の造船業(yè)界では大型LNG（液化天然ガス）運(yùn)搬船、航空母艦と並ぶ「三大クラウンジュエル（王冠の寶石）」と呼ばれている。中國の造船業(yè)界にとっては、3つの中で唯一実績がなかったのが大型クルーズ船だった。

愛達(dá)?魔都號の建造は2019年10月に始まり、當(dāng)初は2023年7～9月期に引き渡す計(jì)畫だった。しかし、新型コロナウイルスの流行の影響や建造工程の複雑さから完成が遅れ、引き渡しは2023年末に延期された。

過去20年余りの間に、日本や韓國などアジアの造船會(huì)社が大型クルーズ船の設(shè)計(jì)?建造に參入し、ヨーロッパ勢の牙城を崩そうと挑んだ。だが、結(jié)果はいずれも慘敗に終わっている。

中國のクルーズ船市場、急成長

クルーズ船運(yùn)航會(huì)社の招商維京游輪（招商バイキングクルーズ）は、上海または深センから日本に向かう「和の魅力を巡る15日間日本周遊クルーズ」の実施を発表した。招商バイキングクルーズは、中國の國有複合企業(yè)の招商局集団（チャイナ?マーチャンツ?グループ）が、アメリカのクルーズ船大手のバイキングクルーズと共同で2020年に設(shè)立した。中國の旅慣れた富裕層をターゲットに、中型の豪華クルーズ船によるツアー商品を企畫?販売する。

中國発著の國際クルーズ船は、2020年1月に大型クルーズ船ダイヤモンド?プリンセス號で発生した新型コロナウイルスの集団感染をきっかけに、全面的な運(yùn)航停止が続いてきた。

中國交通運(yùn)輸部はこのほど、國際クルーズ船運(yùn)航の試行再開計(jì)畫を発表した。クルーズ會(huì)社は最初の國內(nèi)対象港を上海、深センとする同計(jì)畫に対応した。

新型コロナウイルスの流行前、中國のクルーズ市場は急速に発展し、2016年からは米國に次ぐ世界第2のクルーズ客市場になった。

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。