2014年7月27日、人民日?qǐng)?bào)は「“問責(zé)の嵐”はなぜ久しくやまないのか」と題した記事を掲載した。人民解放軍の兵士、幹部が高校生の部活さぼりのような裏技を駆使していると暴露している。

【その他の寫真】

決まり文句ばかりが並ぶ長い記事なので、さぼりのポイントだけをかいつまむと以下のとおり。

まじめに訓(xùn)練しない輩を取り締まる「軍事訓(xùn)練問責(zé)制」は、導(dǎo)入以來嵐のように各部隊(duì)を襲っている。陸軍第40集団軍のある自動(dòng)車化歩兵部隊(duì)では訓(xùn)練中の問題を厳しく追及されている。

「待て！荷物を秤にかけてから出発しろ」

完全武裝での演習(xí)に出発しようとしたその時(shí)のこと、軍事訓(xùn)練監(jiān)察チームが派遣した幹部2人は1臺(tái)の秤を持ってきた。兵士11人をランダムに選び出し、荷物を秤にかけるように命じた。武器、弾薬、水筒、雨具、防毒マスクなど荷物の総重量は計(jì)14．8kgになるはず。ところが11人中3人の荷物はそれよりも軽い數(shù)字を示している。訓(xùn)練中に楽をしようとこっそり荷物を減らしていたのだった。

また、とんでもない事態(tài)が明らかになったこともある。國防生（高校卒業(yè)生、大學(xué)在校生から選ばれた予備役）が通信機(jī)器の操作試験で不合格になったが、不服を申し立ててきた。曰く配備から約半年、試験になるまで機(jī)器に觸らせてもらったことがないというのだ。問責(zé)制はこうした矛盾をも次々と明らかにしている。

問責(zé)制の前では幹部も一般兵士同様、厳しくチェックされる。

昨年11月のこと、幹部を?qū)澫螭趣筏骏匹攻趣肖铯欷?。幹?人は3000m走に合格できないとして一般兵士を替え玉として用意。コースの途中に隠れさせておき、一部區(qū)間を自分たちの代わりに走らせるという不正を行っていた。この不正も監(jiān)察チームは見事に暴いている。実はコースには監(jiān)視カメラが設(shè)置されており、一部始終が録畫されていたのだ。

軍事訓(xùn)練問責(zé)制を厳しく実行し、軍の紀(jì)律を引き締めています、習(xí)近平が訓(xùn)示するところの「戦爭(zhēng)できる、勝てる人材」の育成に努めていますというアピール記事なのだが、高校生の部活さぼりのようなほんわかした手抜きがなんとも微笑ましい。

周永康の失腳が、中央の政爭(zhēng)が、とついつい大きな話に目が行きがちではあるが、習(xí)近平體制の紀(jì)律引き締めの影響は長距離走が苦手な中年軍幹部を困らせていたりと思いも寄らぬところにまで及んでいるのであった。

◆筆者プロフィール：高口康太（たかぐち?こうた）

翻訳家、ライター。豊富な中國経験を生かし、海外の視點(diǎn)ではなく中國の論理を理解した上でその問題點(diǎn)を浮き上がらせることに定評(píng)がある。獨(dú)自の切り口で中國と新興國を読むニュースサイト「KINBRICKS　NOW」を運(yùn)営。