新たに世界遺産登録のプーアル?古茶林とはどのような場(chǎng)所なのか―地元専門(mén)家が紹介

中國(guó)新聞社    2023年10月1日(日) 23時(shí)30分

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サウジアラビアのリヤドでこのほど開(kāi)催されたユネスコの第45回世界遺産大會(huì)で「プーアル景邁山古茶林文化景観」が世界遺産リストに登録された(寫(xiě)真)。現(xiàn)地には人と自然、人と人の調(diào)和と共存が伝えられてきた。

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サウジアラビアのリヤドでこのほど開(kāi)催されたユネスコの第45回世界遺産大會(huì)で、「プーアル景邁山古茶林文化景観」が世界遺産リストに登録された。現(xiàn)地は中國(guó)最南部の雲(yún)南省のミャンマーやラオスとの國(guó)境も近い場(chǎng)所だ。この地の茶文化とはどのようなものなのか。地元出身の蘇國(guó)文さんはプーラン族で77歳だ。小學(xué)校の教員を定年退職してからは地元の茶文化の研究と保存、普及に取り組んでおり、「プーアル茶茶祭茶祖習(xí)俗伝承人」の肩書(shū)も持つ。蘇さんはこのほど、中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、プーアル景邁山古茶林の歴史や現(xiàn)狀を説明した。以下は蘇さんの話(huà)の主要部分に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

その他の寫(xiě)真

「茶葉を採(cǎi)れない木」も植えることでよい茶を得る

プーアル景邁山古茶林(以下「古茶林」)は中國(guó)南西部の國(guó)境地帯である雲(yún)南省プーアル市瀾滄県に位置する。景観分野で世界遺産に認(rèn)められた地域の面積は1萬(wàn)9095ヘクタールで、プーラン族、タイ族、ハニ族、ワ族、漢族の5民族が住んでいる?,F(xiàn)地には古茶林が5カ所、伝統(tǒng)的な村落が9カ所、他には防護(hù)林もある。


「古茶林」は山間部にあり、歴史が極めて長(zhǎng)いだけでなく、伝統(tǒng)的栽培方式や森林生態(tài)系の安定性を利用した維持方法に鮮明な特色がある。例えば茶の木だけを栽培するのではなく、元からあったモクセイやクスノキを殘したり、他の場(chǎng)所から移殖する。すると茶の木にとって理想的な日當(dāng)たりが得られ、しかも特有の香りが茶葉に伝わる。病蟲(chóng)害の防止にも役立つ。植生の生態(tài)系の多様性を利用した茶づくりだ。

集落に近い山は水源地であり、神山とみなされて厳重に保護(hù)されている。古茶林や集落は海抜1200メートルから1600メートルの間に分布する。穀類(lèi)や野菜を栽培する耕作地はもっと低い土地が適しているので、両者は共存しやすい。

次々にやってきた民族が共存する茶の里

この地に最初に住み著いたのはプーラン族だ。元は雲(yún)南省南西部からミャンマーにかけて移動(dòng)生活をしていたが、景邁山で定住した。10世紀(jì)ごろのこととされている。人々はまだ狩猟で生計(jì)を立てていたが、野生の茶との出會(huì)いがプーラン族の生き殘りを助けた。茶の薬効に気付いたのだ。

茶には熱冷ましや解毒、消化を助ける、意識(shí)をはっきりとさせるなどの効能がある。プーラン族の首領(lǐng)のパーアイランは皆を率いて大森林に入り、茶の苗や種を採(cǎi)取し、集落を囲む柵のそばや家の周辺に植えさせた。茶は化膿や皮膚疾患、下痢などの薬として重寶された。


プーラン族は茶の栽培を主たる生業(yè)にするようになった。そして茶を食するようにもなった。プーラン族は茶摘みなどの農(nóng)作業(yè)の際に、冷たい米飯と少量の塩と唐辛子だけを持って行く。晝食の際には周?chē)欷摔ⅳ氩枞~を摘んで塩と唐辛子と共に米飯に味をつけて食べる?,F(xiàn)地の地元料理としては冷たい茶づけ飯や卵茶などが盛んだが、いずれも伝統(tǒng)的な食べ方だ。

14世紀(jì)になるとタイ族がやってきて、飲み物にするための製茶技術(shù)がもたらされた。茶葉を発酵させて円盤(pán)狀にする「餅茶」の技術(shù)も取り入れられ、保存と長(zhǎng)距離輸送が楽になった。景邁山で茶葉は人々の間の贈(zèng)答品にもなり、次第に商品に発展した。明清時(shí)代に景邁山古茶が「宮廷御用達(dá)」の茶に指定されると、古茶林の栽培面積は拡大した。古茶林は景邁山に住む各民族の重要な経済源になった。景邁山にはハニ族、ワ族、漢族も住むようになり、一帯は調(diào)和のとれた各民族の「ふるさと」になった。

中華人民共和國(guó)の成立後、景邁山古茶林は政府の指導(dǎo)の下でより効果的に保護(hù)された。また景邁山の各民族は數(shù)年前から共同で、村の計(jì)畫(huà)や環(huán)境保護(hù)などの規(guī)則を制定している。古茶林はさらに良好に保たれようになった。人々の主要な経済源はやはり茶であり、2022年の住民1人當(dāng)たりの純収入は約2萬(wàn)元(約40萬(wàn)円)で、うち90%が茶に関連する?yún)毪坤盲俊?/p>

先祖崇拝と自然崇拝が環(huán)境と社會(huì)を良好に保った

景邁山の茶祖信仰は先祖崇拝と自然崇拝が結(jié)合したものだ。プーラン族の首領(lǐng)のパーアイランは死にひんした際に遺言として、「牛馬を殘しても自然災(zāi)害で死んでしまうかもしれない。金銀財(cái)寶を殘しても使い切ってしまう。この肥沃(ひよく)な茶林を殘せば、子孫のために無(wú)盡蔵の財(cái)寶になる」と言い殘したとされる。そのこともあり、プーラン族はパーアイランを茶祖として敬う。毎年4月の特別祭では、1年の中でも最も良い春の茶をパーアイランに捧げ、加護(hù)をお願(yuàn)いする。プーラン族の各家庭は、茶林の中の茶の木の1本を家族の茶神として祭る。タイ族の住民も彼らの茶の神木を祭り、タイ族をこの地に導(dǎo)いてきた部族の首領(lǐng)を茶祖として崇めている。

茶祖を祭る儀式は景邁山の各民族民衆(zhòng)の過(guò)去、現(xiàn)在、未來(lái)をつなぎ、景邁山の社會(huì)秩序維持と茶農(nóng)家の道徳規(guī)範(fàn)を強(qiáng)める伝統(tǒng)だ。私たちは祭祀の儀式で茶祖への約束を?qū)g行し、先祖神と自然神に対して道徳的規(guī)範(fàn)を守ることを誓わねばならない。このことで、古茶林の生態(tài)環(huán)境を保護(hù)し、個(gè)人の信用が汚點(diǎn)を被らないことが保たれている。

パーアイランの祭祀には景邁山の各民族の人々がすべて參加する。集落によって役割りが決まっている。牛をつなぐくいを設(shè)置するプーラン族の集落、牛をつなぐ縄をなうタイ族の集落、パーアイランが妻と戀をした時(shí)に飲んだ山の泉の水を提供するワ族の集落などだ。全ての民族が祭祀(さいし)に參加し、集落ごとに役割を分擔(dān)する習(xí)慣は、集落間の交流を活性化し、人々の団結(jié)を促進(jìn)する上で、重要な役割を果たしている。


景邁山の茶林は、まさにわれわれの美しい家だ。人とは自分の體、例えば目を傷つけるようなことは忌避するだろう。われわれは自分の目と同じように、古茶林と茶文化を大切にせねばならない。

プーアル景邁山古茶林文化景観の世界文化遺産登録の運(yùn)動(dòng)は13年前の2010年6月に始まった。運(yùn)動(dòng)を通して、古茶林とその文化がさらに効果的に保護(hù)されるようになった。特筆すべきは法による保護(hù)體系の確立だ。雲(yún)南省とプーアル市はここ數(shù)年、相次いで特別法3本と規(guī)則7件を発表し施行した。

今回の世界遺産登録により、「プーアル景邁山古茶林文化景観」の保護(hù)と継承がより一層促進(jìn)されることになる。居住する各民族は主體性を持って役割を擔(dān)い、景邁山の文化伝承、生態(tài)保護(hù)、持続可能な発展を推進(jìn)していく。ただし過(guò)度な商業(yè)化は避け、遺産の真実性と完全性を確保する。さらに景邁山という文化ブランドを確立し、文化的価値を引き続き掘り起こし、人と自然の調(diào)和と共生を成立さえる知恵を絶えず練り上げ、伝承し、景邁山の知名度と評(píng)価を絶えず高めねばならない。(構(gòu)成 / 如月隼人

※記事中の中國(guó)をはじめとする海外メディアの報(bào)道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現(xiàn)地メディアあるいは投稿者個(gè)人の見(jiàn)解であり、RecordChinaの立場(chǎng)を代表するものではありません。

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