中國メディアの環(huán)球時報は10月31日、バイデン米大統(tǒng)領(lǐng)が10月30日に新たに発表した「半導(dǎo)體デカップリング5年計畫」について報じた。

日本経済新聞の報道によると、この計畫は、短期的な保護主義政策が失敗に終わったことから、デカップリングの達成を5年後という長期目標に転換し、米國主導(dǎo)の半導(dǎo)體産業(yè)を発展させるためであるという。米ニューヨーク?タイムズ紙の報道では、米國の新たな半導(dǎo)體政策に対して、中國政府や中國のチップメーカーは今年も資金調(diào)達を積極的に進めており、米國の対中國半導(dǎo)體制裁が、かえって中國獨自の半導(dǎo)體研究開発に火をつけたと見る外國メディアも多い。

なぜ中長期目標に転換されたのか

環(huán)球時報は、米國のデカップリングの目標達成が5年後に延長された原因について、日本経済新聞の記事を引用し、「中國とのデカップリングを性急に推進すると、米國半導(dǎo)體産業(yè)が巨額の損失を被ることになるため」と指摘している。実際今年8月末に訪中したレイモンド米商務(wù)長官が訪中前に中國での現(xiàn)地生産比率が高いアップル、HP、Dellなどを?qū)澫螭藢g施した聞き取り調(diào)査では、もし先端半導(dǎo)體が調(diào)達できない場合、こうしたメーカーは生産計畫に大幅な遅れが生じ、巨額の損失を被るとの結(jié)果が出たという。バイデン政権は米國半導(dǎo)體産業(yè)を振興するため、5年間で520億ドル規(guī)模の支援を行う予定であるが、レイモンド商務(wù)長官も9月の米議會で半導(dǎo)體戦略について「壯大なビジョンであり、5年後に多くの目標を達成できるだろう」と述べている。

米政府の「デカップリング5年計畫」については、企業(yè)側(cè)も相応の調(diào)整を進めている。日本経済新聞によると、韓國のサムスンは米國の関連規(guī)制に従い、2028年までに西安工場への投資を回収する予定で、工場を稼働させながら徐々に中國での生産比率を削減していく內(nèi)部計畫があると言われる。またインドの通信社PTIは、米アップルがインドでのiPhone生産を5年後に現(xiàn)在の5倍に拡大すると報じている。これはすなわち、アップルが2028年までに生産拠點を中國からインドへ移転することを意味している。

米國の短期制裁は効果あがらず

中國通信業(yè)界の専門家である馬継華（マー?ジーホア）氏は、「デカップリング5年計畫」に関する環(huán)球時報の取材を受けて、「米國が先に採用した一連の半導(dǎo)體制裁措置が當初予測した効果を挙げなかったか、あるいは『短期內(nèi)に中國半導(dǎo)體産業(yè)を崩壊させる』という所期の目標が実現(xiàn)不可能と考えたためではないか」と述べている?，F(xiàn)狀の米國の規(guī)制には抜け穴があり、中國のメーカーが第3國経由で半導(dǎo)體製造裝置を輸入したり、韓國などからジョブホッピングした半導(dǎo)體技術(shù)者を雇用したりすることも可能で、製品も技術(shù)も人材も中國へ流出しているという。馬氏はまた、米國は當初、半導(dǎo)體製造裝置を制裁ターゲットにすれば中國メーカーがハイエンド半導(dǎo)體の生産をあきらめると予測していたが、中國メーカーの抵抗に遭い、制裁対象をより広範な半導(dǎo)體サプライチェーン全體に拡大したのではないかと分析している。

5年間で中國はブレークスルーを達成

米國の新たな対中制裁は効果を挙げるのだろうか。環(huán)球時報のインタビューに答えた馬氏は、中國の半導(dǎo)體産業(yè)が5年後に多くのブレークスルーを達成できると予測しており、中國の半導(dǎo)體産業(yè)がかえって制裁という圧力を受けたために獨自の研究開発を進め、5Gや新エネルギーのように巨大な國際競爭力を持つ産業(yè)に発展する可能性があると述べている。

香港の日刊英字紙サウスチャイナ?モーニング?ポストも、中國の半導(dǎo)體メーカー創(chuàng)業(yè)者の話として「米國の制裁がなければ、中國の半導(dǎo)體産業(yè)は従來通りチップと設(shè)備のバイヤーとして委託生産を続けていただろう」と報じた。実際米國の國際戦略コンサルティング會社オルブライト?ストーンブリッジ?グループは、中國の「脫米國化」が進んでいると述べている。ニューヨーク?タイムズ紙も、中國企業(yè)の間では素材の國內(nèi)調(diào)達に対する懸念が徐々に薄らいでいると伝えている。

環(huán)球時報も、サプライチェーンの上流と下流に位置する中國のハイテク企業(yè)は、すでに歐米のチップや製造裝置を國産に置き換える方法を模索し始めたと報じている。中國の電気自動車メーカー広州汽車集団（広州自動車グループ）は今年初め、自動車製造に必要な約1000種類のチップを國內(nèi)サプライヤーから調(diào)達する目標を掲げていた。

今後の展開について、馬氏は「米國は將來半導(dǎo)體の投資や人材交流などの分野でも制裁を加えてくる可能性がある。だが中國の半導(dǎo)體産業(yè)は逆に基礎(chǔ)的な理論研究や素材研究、人材育成などを強化することで、新たな技術(shù)革命の中で業(yè)界をリードすることができる。もちろん中國はそうなった場合でも米國のようにデカップリングやサプライチェーンの封鎖を行うことなく、グローバル化とウィンウィンの道を歩んでいくだろう」との見解を示した。（翻訳?編集/榊原）