2014年8月7日、臺(tái)灣映畫「郊遊 ピクニック」（9月6日公開）で映畫製作からの引退を表明したツァイ?ミンリャン（蔡明亮）監(jiān)督が8月1?3日、臺(tái)北市で開催中の第16回臺(tái)北アートフェスティバル（臺(tái)北蕓術(shù)節(jié)）で舞臺(tái)「玄奘」を上演した。監(jiān)督作品の常連俳優(yōu)リー?カンション（李康生）が僧侶?玄奘を演じ、せりふはなく靜寂に満ちた舞臺(tái)となった。

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會(huì)場(chǎng)の臺(tái)北市?中山堂のホールには、舞臺(tái)となる巨大な白い紙が敷かれていた。上には赤い僧衣姿の玄奘（リー）が橫たわっている。そこへ「郊遊 ピクニック」に登場(chǎng)する廃墟の壁畫を描いた畫家、ガオ?ジュンホン（高俊宏）が現(xiàn)れ、紙の上に黒い木炭で蜘蛛の絵を描いていく。音のないまま1時(shí)間が過(guò)ぎる。

描かれるのは玄奘が見ている夢(mèng)。書き終えた畫家は、絵を木炭で塗りつぶしていく。玄奘の橫たわった場(chǎng)所だけが、白く紙の上に殘る。玄奘が動(dòng)き始める。寢ていた紙を折りたたみ、その上に座る。下からもう1枚、舞臺(tái)となる紙が現(xiàn)れた。

続いて黒ずくめの黒子（くろこ）4人が現(xiàn)れ、紙に線を引き始める。玄奘は線に觸れないよう、舞踴のようにゆっくり歩き始める。黒子の4人は紙の端を持って動(dòng)かし、最後に中央に寄せてぐちゃぐちゃにし、裏返してしわだらけの舞臺(tái)にする。

その上で玄奘がゆっくりパンのようなものを食べている。再び畫家が現(xiàn)れ、木炭で舞臺(tái)にコンコンと點(diǎn)を打っていく。點(diǎn)描が手のひらぐらいに広がる間、玄奘はゆっくり能のような歩みで舞臺(tái)を降りる。その姿が消えた後も點(diǎn)を打つ音は続き、だんだんと照明が落とされて暗転する。

玄奘はマントラを1度だけ唱えるが、せりふはない。背景からかすかな音が聞こえるが、詩(shī)が3編流れるだけ。舞臺(tái)設(shè)備は照明と音響だけのシンプルなものだった。

初めてツァイ監(jiān)督の舞臺(tái)を観た神戸アートビレッジセンターの樋野香織さんは「ただ寢そべるだけで舞臺(tái)として成立するのはリー?カンションだからこそ。これまでも映畫の中で、首を痛めてかしげたり、そこにたたずむだけで絵になった。ツァイ監(jiān)督の過(guò)去の映畫のシーンは、（今回の舞臺(tái)の）空間を凌駕するアートでもあった」と語(yǔ)った。

ツァイ監(jiān)督は「郊遊 ピクニック」を最後に劇場(chǎng)用映畫製作からの引退を表明している。今後は美術(shù)館やギャラリーなどと協(xié)力し、蕓術(shù)分野での活動(dòng)に力を入れる予定だ。（編集/武藤）