中國メディアが衝撃的な寫真を掲載した。雪の上に、一部が赤く見える黒い物體がある。犬の頭部だ。トラに襲われたとの見方が強(qiáng)い。地元の黒竜江省虎林市當(dāng)局は、住民に警戒を呼び掛けた。

飼い犬を失った農(nóng)村部住民によると、8日夜には午後9時(shí)ごろになっても屋外で飼い犬が吠えていた。特に確認(rèn)はせず、そのまま就寢したという。翌朝になり餌をやろうと屋外に出ると、殘っていたのは犬の頭部だけだった。

虎林市政府は9日、市內(nèi)の虎頭鎮(zhèn)とその周辺地域では7日以降、野生のトラの活動(dòng)の痕跡が次々に見つかっており、少なくとも2頭が市內(nèi)で活動(dòng)していると判斷したと発表した。同市政府はさらに、人と野生動(dòng)物の遭遇の可能性を低減して人の生命と財(cái)産の安全を確保するためとして、地元住民および市外からの來訪者の山間部への立ち入りを禁止した。また指定した地區(qū)の住人には、生活に必要な物資を買い置きして、必要時(shí)以外には外出しないことを提案した。

トラによる襲撃は黒竜江省ハルビン市內(nèi)でも発生している。同市イラン（依蘭）県內(nèi)では8日、飼育していた牛がトラに襲われて死んだ。地元當(dāng)局関係者やその他の専門家が現(xiàn)場の痕跡などを分析した結(jié)果、牛を襲った野生動(dòng)物はアムールトラ（中國での呼稱は「東北虎」）と斷定した。

アムールトラはかつて、中國東北部、朝鮮半島、モンゴル、シベリアの広大な範(fàn)囲に生息していたが、現(xiàn)在の生息地は中國東北部とシベリア最東部にほぼ限られ、個(gè)體數(shù)も500頭程度のために落ち込んだとされる。そのためアムールトラはワシントン條約の付屬文書で「最も深刻ではないが、近い將來における絶滅の危険性が高い」とされる絶滅危懼IB類（EN）に分類されている。

ただしアムールトラについては、保護(hù)活動(dòng)が盛んになり個(gè)體數(shù)は回復(fù)傾向にあるとの見方がある。また中國ではアムールトラが國家1級保護(hù)動(dòng)物に指定されており、人や家畜などに被害を及ぼしても駆除はできない。

2021年に公布された「黒竜江省陸生野生動(dòng)物による人身傷害と財(cái)産損失補(bǔ)償弁法」によると、陸生野生動(dòng)物による農(nóng)作物、経済林?樹木の損失については、前年度の現(xiàn)地市場の平均価格の50%で損失を補(bǔ)償する。また家禽や家畜にけがを負(fù)わせた場合には市場価値の30%を補(bǔ)償する。家禽?家畜が死んだ場合には市場価値の50%を補(bǔ)償する。中國では野生動(dòng)植物の保護(hù)に力を入れているが、一方では人や財(cái)産の被害も発生している。代表的な例としては東北地方でのアムールトラによる被害や、雲(yún)南省でのアジアゾウによる被害がある。（翻訳?編集/如月隼人）