2023年11月23日、中國メディアの環(huán)球時報は、「日本はどうしていつも『失われた10年』を語りたがるのか」と題した記事を掲載した。

記事は、日本が1990年代初期のバブル崩壊以降、長期的な経済停滯、企業(yè)の競爭力低下に苛まれており、すでに「失われた30年」を経験したはずの日本の経済學(xué)者や企業(yè)経営者からは「また失われた10年がやって來る」「長期的な経済低迷は成長戦略で解決できる問題ではない」といったネガティブな見方が出始めていると紹介した。

その上で、日本の経済學(xué)者や企業(yè)経営者がいつも「失われた10年」を口にする理由について、「強(qiáng)い危機(jī)意識を持っていて、『失われた數(shù)十年』に対する鮮明な記憶と認(rèn)識を持っている」「強(qiáng)い競爭意識によるもので、終始中國の急速な発展と比較して、日本の経済や産業(yè)分野の競爭力向上を望んでいる」「ブランド意識が強(qiáng)く、かつての日本ブランド『神話』が続くことを望んでいる」という3點を挙げた。

また、いわゆる「失われた30年」において、日本の経済規(guī)模が絶対的に縮小したわけではなく、中國の急速な経済成長や國力強(qiáng)化があったために日本の低調(diào)ぶりが際立ったという要素もあると指摘した上で、「日本人が自國経済について『失われた』という言葉を使いたがるのは、隣國中國との比較により生じる危機(jī)感だ」とし、2012年に日本の大物政治家が「今の日中関係が良くない1つの理由は、日本の市民が中國経済の急成長を受け入れられないからだ」との見解を示していたことを紹介した。

さらに、中國人が日本経済の「失われた數(shù)十年」を論じる時に、往々にして「衰退」という言葉で片付けてしまうと指摘した上で、「しかし、そこにはしっかりとするに値する教訓(xùn)がある。また、金融や資本のバブルをどのように警戒するか、イノベーションの常態(tài)化と持続可能性、高齢化などの社會問題への適切な対応、外國との協(xié)力強(qiáng)化など、現(xiàn)在講じている措置についても注目する価値がある」との認(rèn)識を示した。

記事は、日本が「失われた數(shù)十年」の呪縛から解かれるためには「中國脅威論」を捨てる必要があるとする一方で、中國についても日本経済の経緯と問題解決の道をより全面的に認(rèn)知すべきだとした。そして「日中両國は経済の相互補(bǔ)完性が高く、しっかりとした協(xié)力の基盤があり、將來性にあふれているという特徴や強(qiáng)みを生かすべきであり、デカップリングやチェーンの寸斷ではなく、むしろつながりを強(qiáng)めるべきだ」と結(jié)んだ。（翻訳?編集/川尻）