中國(guó)メディアの毎日経済新聞は11月24日、中國(guó)主要都市の10月の中古住宅価格は下落傾向にあるものの、一部の都市ではいまだ上昇傾向にあると報(bào)じ、その原因について分析した。

記事は、「今年に入り、中古住宅価格が下落する都市が増えている」とし、國(guó)家統(tǒng)計(jì)局のデータでは、全國(guó)70都市における今年10月の中古住宅販売指數(shù)で67都市が前年同月を下回り、今年1～10月の中古住宅平均価格も65都市で下落したことを伝えた。一方で、「統(tǒng)計(jì)を子細(xì)に見(jiàn)ると、今年1月、全國(guó)70都市の中古住宅価格は13都市で前年に比べ上昇し、6都市は前月比で上昇した」とし、「特に注目されるのは、今年10月の中古住宅価格が前年比で0．5％上昇した杭州や前月比で3．1％上昇した成都で、北京も今年1～10月の平均上昇率は2．2％になった」と指摘した。

中古住宅価格は一部の都市を除き下落

不動(dòng)産情報(bào)サービス會(huì)社諸葛找房のデータによると、今年10月の大都市、大都市周辺都市、地方中小都市の中古住宅価格は、前年比でそれぞれ0．8％、0．5％、0．6％の下落を示した。記事は「大都市の中古住宅価格も下落スパイラルに入った。今年9月に若干上昇したのち10月は再び下落し、反発の兆しは見(jiàn)えない。大都市では『住宅購(gòu)入時(shí)に住宅所有は調(diào)べるがローン記録は調(diào)べない』とする政府の住宅購(gòu)入緩和策により小幅調(diào)整が見(jiàn)られたが、大幅な緩和策とは言えず、市場(chǎng)の反発を牽引する力にはなっていない」と分析した。

北京の場(chǎng)合

諸葛找房のデータによると、北京の10月の中古住宅成約戸數(shù)は1萬(wàn)653戸と、前年比25．3％減、前月比5％減、前月比下げ幅4．5ポイントを記録し、中古住宅価格調(diào)整物件の値上がり率は6．2％にとどまり、前月比で5．4ポイント下がった。

また國(guó)家統(tǒng)計(jì)局のデータによると、10月の中古住宅価格は前年比1．1％減、前月比0．2％減を記録した。諸葛找房は、「政府の新政策は、住宅価格の上昇に対する市場(chǎng)の信頼感を一時(shí)回復(fù)させたが、持続性が見(jiàn)られず、さらなる政策強(qiáng)化が待たれる」と分析した。

上海の場(chǎng)合

記事は、「上海でかつて『一流』の居住區(qū)と言われた學(xué)區(qū)內(nèi)の住宅さえも、今では売りに出されている。われわれがかつて現(xiàn)地ルポを行った陸家嘴の世紀(jì)大道エリアも、住宅の平米単価は10萬(wàn)元（約200萬(wàn)円）以上だが、実際の成約額は予想を下回っている」と伝えた。

不動(dòng)産サービス企業(yè)鏈家のシンクタンク部門(mén)である上海鏈家研究院によると、10月の上海市全域の中古住宅取引數(shù)は1萬(wàn)3300戸で、前年比13％減、前月比19％減を記録。成約平均額は4萬(wàn)670元（約85萬(wàn)4000円）/平方メートルで、前年比で3％減少したが、前月比では3％上昇した。

政府の新政策について、諸葛データセンターは「市場(chǎng)刺激策が弱まるにつれ既存の需要は満たされ、市場(chǎng)は再び下落した」とし、「今年9月に全國(guó)で144件の不動(dòng)産緩和策が導(dǎo)入され、年間を通じて最高値に達(dá)したが、10月には86件まで減少した。多くの都市の中古住宅市場(chǎng)は下落圧力が大きくなっており、物件數(shù)は増えても需給バランスが崩れ、住宅価格を圧迫している」と分析した。

しかし、毎日経済新聞は、「たとえ一部都市の中古住宅価格が10月に下落したとはいえ、今年1～10月の平均価格は昨年に比べると全體的に上昇傾向にある。北京の場(chǎng)合、國(guó)家統(tǒng)計(jì)局のデータによると、今年10月の中古住宅価格は前年比で下落したが、今年1～10月の平均価格指數(shù)は同期比で2．2％上昇した」と指摘した。

成都の場(chǎng)合

一方、成都では中古住宅平均価格指數(shù)が前月比で6．8％上昇し、全國(guó)で唯一5％を超えた都市となった。記事は、「成都では小型物件を大型物件に買(mǎi)い替えるケースが増え、特にリフォーム住宅や高級(jí)住宅を中心にこうした?jī)A向が強(qiáng)い」と伝えた。成都攀成鋼セクターを擔(dān)當(dāng)する鏈家のシニアブローカーは毎日経済新聞に対して、「成都南部の大源セクターや東部の攀成鋼セクターなどの高級(jí)住宅地では、今年に入り大型平屋やメゾネットタイプだけでなく、中小小型住宅の販売も活発化している。売卻を急ぐ場(chǎng)合、価格面で適度な値下げが必要だが、全體的に物件の売り出し価格と売卻価格は同時(shí)期の他地域に比べて高値となっている」と現(xiàn)狀を説明した。

不動(dòng)産情報(bào)サービス會(huì)社貝殻找房のシンクタンク、貝殻研究院のデータによると、成都では2023年1月1～22日の中古住宅販売成約數(shù)は19萬(wàn)9249戸と前年同期比47．2％増を示し、中古住宅の市場(chǎng)流通量も11月21日時(shí)點(diǎn)で22萬(wàn)3282戸と、今年1月に比べ約4萬(wàn)5000戸増となった。

しかし貝殻研究院は、「成都の中古住宅価格と面積は下降傾向を示している」と指摘し、「成都の中古住宅の市場(chǎng)流通量は増加したが、その多くは中小型住宅が占めている。また戸建ては100～200萬(wàn)元（約2000～4000萬(wàn)円）価格帯に集中しており、全體の40％を占めている」と詳細(xì)を語(yǔ)った。貝殻找房の不動(dòng)産検索アプリ好好選房によると、現(xiàn)在成都で流通している中古住宅の平米単価は2萬(wàn)922元（約43萬(wàn)9000円）、住宅価格の中央値は179萬(wàn)元（約3757萬(wàn)円）/戸だった。

記事は、「成都の中古住宅価格が前月比で上昇しているとはいえ、前年比では下落していることに注目すべきだ」とし、「今年10月の中國(guó)住宅販売価格は前年比でわずか0．1％下落しただけだが、7カ月連続した下げであり、価格上昇率も年初の8．8％から10月は6．8％に減少した」と指摘した。

貝殻研究院成都別院は10月に発表した市場(chǎng)月報(bào)で、「新政策の導(dǎo)入後、様子見(jiàn)をしていた市場(chǎng)心理はある程度上向き、政策支援は成約の効率化を段階的に加速させているが、中古住宅の在庫(kù)自體が増加しており、買(mǎi)い手市場(chǎng)の流れは基本的に変わっていない」と指摘した。

長(zhǎng)沙の場(chǎng)合

一方、「不動(dòng)産規(guī)制の優(yōu)等生」と言われる長(zhǎng)沙では、10月の中古住宅価格は前月比で微増を示した。

記事は、「長(zhǎng)沙市不動(dòng)産當(dāng)局が9月22日に発表した新政策は、オンライン成約後4年を過(guò)ぎた住宅は市場(chǎng)取引が可能となり、中古住宅の在庫(kù)が激増した。住宅購(gòu)入の需要も比較的旺盛な時(shí)期だったため、成約を急ぐ買(mǎi)い手は、住宅を內(nèi)覧したその日に購(gòu)入を決めた。長(zhǎng)沙の省都セクターのブローカーは、最近１カ月で、北辰中央公園や保利ガーデンなど主要エリアで6件の豪華住宅を成約できたと言っている。中古住宅では成約額の際立った下落も上昇もなく、流通価格が以前より若干あがった程度」と伝えている。

湖南中原研究院のデータでは、10月の長(zhǎng)沙の中古住宅成約件數(shù)は、過(guò)去6カ月で最多の5354件に上り、前月比で55％増、前年同期比で上げ幅は２倍以上だった。

不動(dòng)産情報(bào)アプリ象盒找房によると、10月に長(zhǎng)沙6區(qū)の中古住宅流通平均価格は1萬(wàn)278．54元（約21萬(wàn)6000円）/平方メートルで前年比0．27％増、中古住宅戸數(shù)は6萬(wàn)6964戸と前年比7000戸増だった。

象盒找房は長(zhǎng)沙の不動(dòng)産市場(chǎng)について、「中古住宅価格の回復(fù)は、所有者の心理が好転し、市場(chǎng)への信頼感が高まったためだ。しかし最終的に成約狀況は買(mǎi)い手優(yōu)位で、価格交渉幅も広い。販売制限枠の短縮に伴い、市場(chǎng)には物件が急増して競(jìng)走が激化しており、家主が売卻急ぐ場(chǎng)合は値下げするしかない狀況である」と分析している。

杭州の場(chǎng)合

國(guó)家統(tǒng)計(jì)局のデータによると、今年10月中古住宅価格が前年比を上回った都市は全國(guó)で杭州（全國(guó)トップで0．5％増）と三亜（0．1％増）の2カ所だけだった。

記事は、杭州市オリンピック?スポーツ?エキスポセンター周辺を擔(dān)當(dāng)する貝殻找房アプリの仲介ブローカーが、「最近物件の內(nèi)覧件數(shù)が顕著に増えており、成約數(shù)も確実に増えている。杭州市が販売制限エリアを緩和してから、物件を內(nèi)覧する人が顕著に増え、毎日15組以上の內(nèi)覧希望者に対応している」と語(yǔ)り、杭州余杭區(qū)のブローカーが、「新政策後、住宅購(gòu)入を希望する照會(huì)件數(shù)も毎日10～20組と顕著に増え、夜の內(nèi)覧希望者までいるほど。少し前までは１日に數(shù)組の顧客も接待できないほどだった」と述べたと伝えた。

數(shù)々のデータも、こうしたブローカーの話を裏付けている。貝殻找房アプリのデータでは、10月の杭州市街地の中古住宅オンライン成約數(shù)は3277件と、前年9月比で27％増、同10月比で36％増を示した。

中國(guó)指數(shù)研究院のデータによると、10月の杭州の中古不動(dòng)産市場(chǎng)成約數(shù)は4579戸と急増し、前年比で62．6％増、前月比で73．7％増を示した。

記事は、「2つのデータは統(tǒng)計(jì)母數(shù)が異なるが、データを見(jiàn)る限り、10月の杭州の中古住宅成約數(shù)の上昇は爭(zhēng)えない事実だろう。市場(chǎng)活性化は、一部の不動(dòng)産オーナーの心理的な期待感に変化をもたらした」と分析し、「不動(dòng)産ブローカーも、新しい政策の後、多くの家主が一次的に値上げする傾向が見(jiàn)られ、値上げ幅は100萬(wàn)元（約2000萬(wàn)円）を超えたものまであると語(yǔ)っている」と伝えた。

市場(chǎng)リサーチ企業(yè)克而瑞（CRIC）浙江區(qū)の10月のデータでは、富陽(yáng)、臨安を除いた杭州の200～350萬(wàn)元（約4000～7000萬(wàn)円）価格帯の中古住宅成約數(shù)が総成約數(shù)の39％を占める大きな伸びを示した。また市全體の中古住宅価格成約額は188億元（約3946億円）と前年比で38．38％増え、成約平均価格も前年比1％の微増で、単価は3萬(wàn)3260元（約69萬(wàn)8000円）/平方メートルだった。

記事は、「杭州市當(dāng)局は10月下旬に『杭6條』と呼ばれる新政策を発表したばかりだが、中古住宅市場(chǎng)への影響は即座に現(xiàn)れ、10月の中古住宅成約數(shù)と価格を押し上げた」と伝えた。一方CRICは、「全體的に見(jiàn)て、杭州の10月の成約數(shù)の増加は、単価が安い低価格の住宅であり、価格より量で勝負(fù)することが家主の成功の秘訣となっている。新政策が強(qiáng)心剤なのかそれとも薬効が持続する薬なのか、これは市場(chǎng)の検証を待つしかない」と分析している。

マクロ経済や不動(dòng)産市場(chǎng)の研究を手掛けるシンクタンクの中國(guó)指數(shù)研究院は、「杭州市の新政策が短期的に市場(chǎng)を刺激した効果は明らかで、10月の中古住宅成約數(shù)は前年比で6割増となり、週間成約數(shù)は3月上旬に次ぐものだった。だが追い風(fēng)は期待できるものの、持続性については疑問(wèn)が殘る。新政策は短期的に新築不動(dòng)産市場(chǎng)よりも中古市場(chǎng)を刺激し、物件數(shù)や価格でデータが上昇し、新政策の効果が顕著となった。しかし一方で新政策がもたらした購(gòu)買(mǎi)力の低下や內(nèi)覧件數(shù)の減少、一部家主の値上げなどもあり、持続性が懸念される」と分析している。

10月に中古住宅価格が微増した海南省の三亜について、記事は不動(dòng)産取引サービス大手の易居研究院の見(jiàn)通しとして、「三亜は他の都市と比べて、住宅需要は常にあるが、かつての政策調(diào)整に伴い、住宅供給が限られており、中古住宅流通量も特に多くはなく、市場(chǎng)の動(dòng)きも大きくない。ただし三亜エリアの優(yōu)位性は明らかで、都市計(jì)畫(huà)や將來(lái)性も有望であるため、中古住宅価格は安定して推移するだろう」と伝えた。（翻訳?編集/榊原）