米國のシンクタンク「戦略國際問題研究所」傘下の「チャイナ?パワー」はこのほど、中國にとって3隻目の空母である「福建」が近日中に試験航海を開始する可能性が高いとするリポートを発表した。同艦には米國も最新鋭空母にしかない最新鋭の電磁カタパルトに類似する裝置を搭載するという。

チャイナ?パワーは、上海にある江南造船所と滬東中華造船の造船所2カ所は中國海軍が現(xiàn)代化を進(jìn)めるための重要な拠點(diǎn)として、最近の商用衛(wèi)星畫像に基づいた分析結(jié)果をリポートした?？漳浮父＝ā归v連はその一部だ。

「福建」が建造されているのは江南造船所で、チャイナ?パワーは建造が始まった2018年から観察を続けてきたという?！父＝ā工摔膝骏靴毳龋硻C(jī)が裝備されているが、23年10月17日に撮影された畫像では、長期にわたってカタパルトを覆っていた保護(hù)用遮蔽物が、作業(yè)員によって取り除かれる様子が寫っていた。カタパルト関係の主要な作業(yè)は終了したとみられるという。

中國が最初に保有した空母はウクライナが途中まで建造してから放棄した「ワリヤーグ」だった。當(dāng)初はマカオの民間企業(yè)が「海上カジノとして使用する予定」として購入した。しかしその後、中國海軍の保有となり、改造されて「遼寧」と命名された。母港は大連だ。ただし「遼寧」保有の主たる目的は実戦配備ではなく、研究と練習(xí)のためとみられている。2隻目の空母は自國で製造した「山東」で、「遼寧」の改良型とされる。

航空母艦の歴史を見れば、航空機(jī)の重量の増加が第二次世界大戦前から問題になっていた。陸上の飛行場に比べて空母では設(shè)定できる滑走距離が極めて短く、艦載機(jī)の発艦が困難になったからだ。戦後になり軍用機(jī)のジェット化が進(jìn)むと、重量はさらに増して、同問題はさらに深刻になった。

そのため米國では、艦側(cè)で発生させた動力をワイヤーを通して航空機(jī)に伝え、発艦時(shí)に大きな加速度を與えるカタパルトと呼ばれる射出裝置が開発された。しかし実用性に富んだカタパルトの開発は困難で、安定した運(yùn)用に成功したのは米軍だけだった?，F(xiàn)在では、カタパルトが裝備されていない空母は垂直離著陸機(jī)を運(yùn)用する艦を除き、艦首部分の先端部分を上にそらせて艦載機(jī)の上昇する力を追加する方式だ。同方式は形狀から「スキージャンプ式」などと呼ばれる。

スキージャンプ式の場合にはカタパルト利用と比べて、艦載機(jī)の重量制限が極めて大きくなる。そのため、搭載兵器の制約が大きいなどで、結(jié)果として航空母艦としての戦闘能力は劣るとされる。

中國が保有した「遼寧」と「山東」はいずれもカタパルトを裝備していない「スキージャンプ式」だった。しかし「福建」は電磁カタパルトを搭載している。しかも、米國が長年使ってきたカタパルトは蒸気の力を利用するものだったが、「福建」は電磁力を利用するカタパルトを搭載した。この電磁カタパルトは米國でも最新鋭空母のジェラルド?R?フォード級航空母艦にしか搭載されていない。チャイナ?パワーは「福建」の電磁カタパルト搭載について「従來型の蒸気式カタパルトを飛び越えた」と表現(xiàn)した。

チャイナ?パワーによると、最近になり「福建」のすぐ後方に、APと呼ばれる補(bǔ)助艦船が停泊していることが確認(rèn)された。APは大型船舶內(nèi)で作業(yè)をする大量の人員が下船する際に収容するための船で、空母建設(shè)の際にAPがやってきたことは、空母が試験航海を始める予兆という。そのためチャイナ?パワーは、「福建」の試験航海が間もなく始めることを示唆すると論じた。

チャイナ?パワーは「福建」を巡る今後について、まず船體の堅(jiān)牢さと機(jī)動性を確認(rèn)すると説明した。その後は兵器やカタパルト、その他の能力について試験していくので、期間としては數(shù)カ月から數(shù)年かかるだろうと予測した。

チャイナ?パワーによると、江南造船所では「福建」以外にも、新型宇宙測量船「遠(yuǎn)望-8」の建造や052D型ミサイル駆逐艦2隻の艤裝（ぎそう）が進(jìn)んでいる。駆逐艦２隻については、間もなく進(jìn)水するとみられるという。（翻訳?編集/如月隼人）