最新プロパガンダ寫真「泥水カップ麺」から読み取る中國人民解放軍の成長

Record China    2014年8月12日(火) 20時(shí)16分

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プロパガンダ寫真はお好きですか?ボクは嫌いじゃありません、笑えるから。ただし笑えないようなネタはノーサンキューですが。

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プロパガンダ寫真はお好きですか?ボクは嫌いじゃありません、笑えるから。ただし笑えないようなネタはノーサンキューですが。以前、中國の労働英雄?雷鋒の記念館を訪ねたことがあるのですが、暗闇の中、懐中電燈で読書する雷鋒の寫真に大爆笑しました。

その他の寫真

今、中國でまた笑えるプロパガンダ寫真、「雲(yún)南省の地震、泥水で作ったカップラーメンを食べて頑張る人民解放軍兵士」が話題となっています。

■泥水カップラーメン報(bào)道

問題の寫真には「雲(yún)南省の地震の救援活動(dòng)で現(xiàn)場に入った人民解放軍兵士、消防士。食料はカップ麺しかないが、地震の影響で地下水も水道水も濁っている。きれいな水は負(fù)傷者に優(yōu)先的に與えなければならないため、濁った水でカップラーメンを食べるしかない」というキャプションがついています。人民解放軍兵士は我が身の犠牲も顧みず頑張っています、というちょっといい話なのですが、これにクレームをつけたのが中國のタカ派新聞として有名な環(huán)球時(shí)報(bào)

前線部隊(duì)に話を聞いたところニセニュースとのお答え。浄水キットを持っているし、汚い水を飲むなんてありえねー。頑張っている前線部隊(duì)の士気を削ぐようなことはやめてって言ってますぜ。

とのこと。ところがこの記事が出てまもなく環(huán)球時(shí)報(bào)関係者がSNSで「動(dòng)畫を見たけど本當(dāng)でした。必要な物を被災(zāi)者に分け與えて自分の身をいとわないのは人民解放軍の伝統(tǒng)でした」と謝罪しています。

■プロパガンダ、ばれちゃいました

このバカ騒ぎをいったいどのように理解すればいいのでしょうか?

恐らく「人民解放軍は超人的な努力で救援活動(dòng)を頑張っている」というプロパガンダ報(bào)道に、環(huán)球時(shí)報(bào)がマジツッコミしてしまったことが問題です。

中國のネットでは寫真の問題點(diǎn)も指摘されています。それは泥水カップラーメンがらみのもう1枚の寫真の矛盾です。泥水をわかしている鍋の後ろで、なんと人民解放軍兵士がペットボトルのミネラルウォーターを持っているではありませんか。水あるじゃん!なんとも詰めが甘いプロパガンダ報(bào)道なのであります。

■中國の成長に追いつけないプロパガンダ

この「人民解放軍兵士の超人的努力プロパガンダ」は災(zāi)害報(bào)道のたびに繰り返されるわけで、これまではたいして問題にもならなかったわけです。今回、ちょこっと騒ぎになったことに中國の変化を感じました。

もしこれが日本の自衛(wèi)隊(duì)に関する報(bào)道だったらどうなるでしょうか?

「二次災(zāi)害乙」

「日本の兵站は二次大戦から変わってないのだなぁ」

「被害者増やしてどーする」

「左舷弾幕薄いよ」

と批判の聲があふれかえることは間違いないでしょう。

中國も経済成長を重ね、そうしたツッコミがでてくる先進(jìn)國の仲間入りを果たしたがゆえの騒ぎというのが私の見立てです。そも、こんな報(bào)道を流しては前線の指揮だけではなく、人民解放軍の兵士募集にも影響します。時(shí)代に合わないプロパガンダなのです。

もっとも今回は振り上げた拳は引っ込められないとのことで、つっこんだ環(huán)球時(shí)報(bào)が謝罪するという結(jié)末に。なお「泥水の健康被害を受けないよう、カップ麺の汁は飲まないように指示した」という謎の言い訳も発表されております。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち?こうた)

翻訳家、ライター。豊富な中國経験を活かし、海外の視點(diǎn)ではなく中國の論理を理解した上でその問題點(diǎn)を浮き上がらせることに定評(píng)がある。獨(dú)自の切り口で中國と新興國を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運(yùn)営。

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