2023年12月10日、シンガポール紙?聯(lián)合早報(bào)は、中國の若者が仏教のお寺に駆け込むケースが相次いでおり、その背景について紹介する記事を掲載した。

記事は、広東省深セン市の社會(huì)福祉関連企業(yè)で副社長を務(wù)めていた女性の劉（リウ）さん（31）は今年10月に仕事上の壁にぶつかり、人生の新たな方向性を見つけるために會(huì)社を辭めた後、同市內(nèi)にある寺で2週間近くボランティアとして働き「充実した悠々自適の生活」を送っていると紹介。「仕事を辭めてずっと家にいると、思考が混沌としてくる。 お寺は心地よく、清らかな気持ちにさせてくれるので、これまでとは違う生活を経験するために、住み込みのボランティアとしてここに來た」と動(dòng)機(jī)を語ったことを伝えた。

そして、寺での劉さんの仕事は、野菜を洗ったり、切ったり、まんじゅうを包んだり、食器や皿を洗ったり、掃除したりと家事全般の多岐にわたり、本人は「両親と同居していて、これまであまり家事をしてこなかった。皿洗いなど何十年もやっていなかった」と笑いながら仕事をこなしているとした。また、毎日の肉體労働は6時(shí)間におよび、それに加えて朝晩の読経、寫経などの自己修養(yǎng)も行わなければならないものの「とても充実した毎日を過ごしている」と明かしたことを紹介している。

その上で、中國社會(huì)の「內(nèi)巻」（內(nèi)部競爭）が激化する中、仕事や生活のプレッシャーに直面した際に仏門をたたき、自由なライフスタイルを追める若者が増えていると指摘。11月中旬に同市內(nèi)にある2つの仏寺を訪問したところ、平日でも參拝客が絶えず、その半數(shù)以上が若者だったと紹介したほか、寺には線香を渡す係、寺の秩序を守る係、掃除の係など若いボランティアが數(shù)多くいたと伝えた。

記事は、現(xiàn)代の若者が「仏を拝む」という現(xiàn)象は自身の內(nèi)面にある不安や混亂の表れと言え、寺でのボランティアは、彼らが自己治癒を求め、直面する現(xiàn)実から短期的に逃避するための手段であるとの分析もあると紹介。広東省広州市の心理カウンセラーが「多くの若者は仏教徒ではないし、宗教的な思想で仏教にアプローチしているわけでもない。彼らは仏教の慈悲の文化による薫陶を受け、実踐によって心を養(yǎng)うとともに休ませることで、他人を益すると同時(shí)に自分自身を成長させ、將來の道を見いだしたいと願(yuàn)っているのだ」と解説したことを伝えている。（翻訳?編集/川尻）