撮影に長い時間を費やすことで知られるウォン?カーウァイ（王家衛(wèi)）監(jiān)督だが、これまでに唯一“被害者”とならなかった稀有な存在として、歌手のフェイ?ウォン（王菲）の名前が挙がっている。

ウォン監(jiān)督にとって初のドラマ作品となる「繁花」が現(xiàn)在、中國の國営テレビ?中央電視臺（CCTV）で放送されている。ウォン監(jiān)督は同作の撮影に約3年を費やしたことがクローズアップされており、中國のSNS?微博（ウェイボー）や中國版TikTok?抖音（ドウイン）には、これまでにウォン監(jiān)督作品の撮影で長期間にわたって拘束された「被害者たち」を紹介するショート動畫が次々に登場している。

これらの動畫には「繁花」に主演するフー?ゴー（胡歌）をはじめ、ウォン監(jiān)督作品に多數(shù)出演してきたトニー?レオン（梁朝偉）や、レスリー?チャン（張國栄）、アンディ?ラウ（劉徳華）、チャン?チェン（張震）、チャン?ツィイー（章子怡）といった顔ぶれが登場。さらに木村拓哉やソン?ヘギョら海外スターも含まれる。

その中で唯一の例外とされるのが、「戀する惑星」（1994年）などで知られるフェイ?ウォン。撮り直しを重ねても、何が悪いのか説明しないというウォン監(jiān)督に対し、フェイ?ウォンはあえて質(zhì)問せず思うままに演じ、毎回ワンシーン撮り終えると速やかに現(xiàn)場を後にしたという。ウォン監(jiān)督の現(xiàn)場についてフェイ?ウォンは、「とても気楽でバカンスのよう」と語っており、ウォン監(jiān)督もフェイ?ウォンを「天賦の才がある」と激賞している。

なお、「繁花」ではフー?ゴーの顔をクローズアップするシーンでNGが40回を超え、現(xiàn)場に居合わせた「繁花」の原作者?金宇澄（ジン?ユイチョン）が見るに見かね、「もういいのではないか」とウォン監(jiān)督に聲をかけたというエピソードも話題になっている。（Mathilda）