日本僑報(bào)社 2024年3月2日(土) 17時(shí)0分
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私は日本語が全く解らないのに、隣の日本人の旅行団に行って、「hi」と聲をかけた。すると…。寫真は洞庭湖(どうていこ)。
小學(xué)校4年生の時(shí)、母と湖南省へ旅行に行った。母が予約したツアーはちょうど期末試験にぶつかったのに、學(xué)校を休んで、旅行に行った。小學(xué)生であった私は不思議に思いながら、湖南省への旅行が楽しみだった。その旅行で、私の人生を変える事件があったのだ。
それは「洞庭湖」を観光した時(shí)だった。「ほら、日本人のツアーだよ。よく來れたもんだね。きっと悪いやつらだよ」と、同じツアーにいるおばさんが嫌な顔をして大聲で言った。おばさんの目線の先では、日本人のツアーの人達(dá)が洞庭湖の美しさを楽しんでいた。10歳の私は「でも、なんだか優(yōu)しそうに見えるなあ。話してみないと本當(dāng)はどんな人かわからないんじゃないかなあ」と考えた。
そして、何だか自分の考えを証明してみたいという気持ちになったのだ。今考えてみるとその時(shí)、どこからそんな勇気が湧いてきたのか解らない。しかし、私は日本語が全く解らないのに、隣の日本人の旅行団に行って、「hi」と聲をかけた。すると、一人のお爺さんが「hi」と答えてくれて笑顔で何か話してくれた。同行していたガイドが「美しいですよね」と通訳してくれた。私は頷きながら、何を話すべきか迷いながらも、人生で初めて出會(huì)った日本人の優(yōu)しいお爺さんとジェスチャーで交流した。
お爺さんと話しているうちに、二つの旅行団はいつの間にか近づき、空気も和らいだ。最後に、みんな笑顔で別れを告げた。お爺さんは私にお菓子を一つくれた。それはとても美味しかった。10年経った今ももう一回それを食べてみたいと思う。その味自體の美味しさはもちろんだが、自分が両國の人を近づけるきっかけになれたかもしれないという満足感をもう一度感じたいのだ。その場の空気までもお菓子のような甘さがあったと思う。その時(shí)、私は初めて自分の力を感じ、どんなに小さくても、機(jī)會(huì)を作れば、色々な展開がありうるということが分かった。
大學(xué)の専攻を選ぶ時(shí)に、あの時(shí)のお菓子をもう一回食べてみたい。日本語で日本人と交流する機(jī)會(huì)を作りたい。そう考えながら日本語を選んだ。今回の作文コンクールで湖南省と滋賀県は友好都市だということを知った。貿(mào)易會(huì)社の責(zé)任者であった細(xì)谷卓爾さんという人が湖南省に行った時(shí)、「洞庭湖」が故郷の「琵琶湖」と似ているので、湖南省との友好関係を思いついたそうだ。そして、関係者の努力で1981年から湖南省と滋賀県の交流が始まった。経済や政治上の交流だけではなく、一般市民の間での交流も広く行われた。滋賀県の若者達(dá)が長沙の中學(xué)生と一緒に木を植えたり様々な分野の交流で、両地域の関係はより一層深くなった。
滋賀県は2010年に上海で行われた「中國國際友好都市大會(huì)」で「対華友好都市交流協(xié)力賞」を受賞した。そこから考えてみると、10年前に出會(huì)った旅行団も滋賀県から來たのかもしれない。このような旅行や対面の活動(dòng)を通して、私達(dá)一人一人が交流すると親しい関係を築き、互いに理解を深めることができると思う。
中日平和友好條約締結(jié)45周年を迎えた今、私は若者の力を発揮することを提言したい。これまでの友好都市交流では政府や自治體が主導(dǎo)し、若者は參加者だった。オンライン交流のプラットフォームが急速に発展し、誰とでも便利に交流できるようになった。最近、私はGravityというアプリで出會(huì)った日本の若者の考え方の斬新さに感心している。若者がインターネットの技術(shù)を自分達(dá)なりに活用し、ネットで交流フォーラムを開き、自主的な中日交流を行うこともできると思う。
私はラッキーだ。子供の頃に素晴らしい経験ができて、大學(xué)で日本語を?qū)Wんで、日本に対しての理解を深めることができた。しかし、私のようにラッキーではない多くの人は日本人と交流する機(jī)會(huì)がない。これから、友好都市の中日の若者が協(xié)力してネットを活用し、より多くの交流の機(jī)會(huì)が作られるとよいと思う。
■原題:もう一回、あのお菓子を食べてみたい
■執(zhí)筆者:李雨宸(大連外國語大學(xué))
※本文は、第19回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「囲碁の智恵を日中交流に生かそう」(段躍中編、日本僑報(bào)社、2023年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。
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