香港メディアの星島頭條によると、臺灣では最近になり、政府高官による、香港で國家安全維持條例が成立したことを理由として香港旅行のリスクを強(qiáng)調(diào)したり、香港に行かないよう勧める聲が相次いだ。臺灣の旅行関連業(yè)界からは批判の聲が出ている。

國家安全維持條例は、「香港の憲法」と言える香港基本法の第23條に基づく法律で、香港での反政府的な動きを取り締まる2020年6月施行の中國の「香港國家安全維持法」を補(bǔ)完するものだ。香港立法會（香港議會）に條例案が提出されたのは3月8日で、わずか11日程度の審議で19日に可決された。

臺灣では、同條例の施行により、中國大陸側(cè)を批判したことがある臺灣人が香港に行けば、法的制裁を受ける可能性があるとの聲が出ている。臺灣の陳建仁行政院長（首相）は関連質(zhì)問に「臺灣人が香港に行く際には、必ず自分の安全に注意し、必ず確認(rèn)してから香港に行くよう、特に気をつけなければならない」と述べた。臺灣政府の情報機(jī)関である國家安全保障局の蔡明彥局長も、「臺灣人の香港旅行ではリスクが高まっている」と警告した。

さらに臺灣交通部の王國材部長（交通相）は23日になり、「（臺灣の人々が）仮に本當(dāng)にそのような行為をするならば、つまり行くなということいだ」と述べた。王交通相は産業(yè)関連を所管するだけに、業(yè)界側(cè)からは大きな反発が出た。旅行観光関連の業(yè)界団體である臺灣旅行商業(yè)同業(yè)公會の蕭博仁理事長は「交通相として観光を推進(jìn)すべきなのに、國民に直接行くなと伝えるのは適切ではない」と不満を示した。

23年には、海外から臺灣に來た旅行者の中で香港?マカオから來た人が最も多く香港だけでも延べ110萬人に達(dá)したという。蕭理事長は、王交通相が、交通相であるにもかかわらず、直接に「香港に行かないように」と呼び掛けたのは不適切であり、香港人の臺灣観にも影響を與えかねないと批判した。

蕭理事長は、中國大陸や香港だけでなく、タイ、ミャンマー、マレーシアなどでも、政府を罵倒し批判したことがあれば現(xiàn)地で身柄を拘束される可能性があり、さらには臺灣にも反浸透法があると指摘し、どの國に行っても守るべき規(guī)則はあると論じた。

蕭理事長はさらに、「過去に大陸を訪れたツアー客が（中國）政府を批判して処罰されたことはない」と紹介し、旅行業(yè)者は現(xiàn)地の法律の厳しさを強(qiáng)調(diào)することはなく、海外に行く旅行客には現(xiàn)地の規(guī)則に従うよう注意するだけと説明した。

臺灣の旅行観光関連団體の中華優(yōu)質(zhì)旅遊発展協(xié)會の李奇嶽理事長は臺灣の旅行業(yè)者には現(xiàn)在のところ、大陸や香港の関連法をさほど悲観してはいないと説明。しかし、高官の立場にある人が強(qiáng)調(diào)すれば、民衆(zhòng)がパニックに陥ることになりかねないと主張。そして、香港旅行を警戒する論理を適用するならば、何十萬人もの臺灣人が大陸で生活していることも危険ということになると指摘して、「政府がそこまで心配するなら、いっそのこと大陸行きを禁止したり、観光についての（正式）な警告を発令すればよい」と述べた。

李理事長も、臺灣を訪れる香港人が極めて多いことに注目して、王交通相の発言は「観光を主管する政府部門の長として不適切であり、臺灣と香港の観光交流に影響を及ぼす可能性がある」と述べた。（翻訳?編集/如月隼人）