2024年の中國(guó)自動(dòng)車市場(chǎng)は値引き、補(bǔ)助金、新車ラッシュで大混戦

高野悠介    2024年4月29日(月) 14時(shí)0分

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中國(guó)で電気自動(dòng)車に逆風(fēng)が吹き始め、新たな変數(shù)も加わり、今後は大混戦必至の情勢(shì)だ。寫(xiě)真はシャオミ初のEV「SU7」。

中國(guó)の3月の自動(dòng)車販売は國(guó)內(nèi)、輸出共に好調(diào)だった。値引き合戦に支えられたとみられているが、この勢(shì)いは続くのだろうか。情勢(shì)は昨年と異なり、電気自動(dòng)車(EV)には逆風(fēng)が吹き始め、さらに新たな変數(shù)が加わり、今後は大混戦必至の情勢(shì)だ。

3月のデータと今後の見(jiàn)通し

乗用車市場(chǎng)信息聯(lián)席會(huì)(以下、乗聯(lián)會(huì))によると、3月の國(guó)內(nèi)販売は前年同月比6.0%増の168萬(wàn)7000臺(tái)だった。うち新エネルギー車(EV、PHEV、燃料電池車)は同29.5%増の70萬(wàn)9000臺(tái)、國(guó)內(nèi)ブランドは同51%増の93萬(wàn)臺(tái)、外資系ブランドは同8%減の50萬(wàn)臺(tái)だった。輸出は40萬(wàn)6000臺(tái)で、前年比39%増で史上最高を記録した。新エネルギー車は2月に月間ベースで初めて前年実績(jī)を下回ったが、すぐに回復(fù)した。

乗聯(lián)會(huì)は、3月は様子見(jiàn)ムードが強(qiáng)かったとみている。ユーザーは春節(jié)休暇前から続くセール合戦の成り行きと22年発売モデルの改良やマイナーチェンジ狀況を見(jiàn)極めたかったようだ。今後は新モデル投入を契機(jī)とし、消費(fèi)熱は高まると考えている。

もう一つの業(yè)界団體、中國(guó)汽車流通協(xié)會(huì)は4月の乗用車市場(chǎng)について、おおむね順調(diào)に推移するとみている。溫暖な気候、各地で開(kāi)催される春のモーターショー、話題の新モデルなどが好材料をもたらすだろう。しかしディーラー各社は、需要の伸びは不十分と考え、前月比で若干の減少を予想している。

政策支援と新車攻勢(shì)

政策支援が出てきた。國(guó)務(wù)院は3月、「大規(guī)模設(shè)備の更新と消費(fèi)品の下取り?買い替え促進(jìn)の行動(dòng)方案」を通知した。自動(dòng)車、家電、キッチン、浴室などの耐久消費(fèi)財(cái)のリニューアルを全國(guó)規(guī)模で敢行する。下取りし買い替えを促すことで、産業(yè)構(gòu)造を近代化する。自動(dòng)車がこの政策の看板で、方案には「自動(dòng)車の下取り?買い替えを展開(kāi)する」と明記されている。中央政府は地方政府と連攜し、廃車と買い替えを奨勵(lì)する。金融機(jī)関は法令順守やリスクコントロールを前提に自動(dòng)車ローンを合理的に決定する。融資條件を緩和するのだ。上海市、重慶市、山東省などが積極的に反応し、すぐに下取り関連の補(bǔ)助金政策を打ち出した。ディーラーの42.5%はこれが第2四半期(4-6月)の販売にプラスになると答えている。さらに、4~7月に新車11車種が市場(chǎng)へ投入される。値引きに加え、政策支援と新車攻勢(shì)が新たな変數(shù)として加わった。以下に話題の新車を取り上げたい。

シャオミ「SU7」

スマホ大手シャオミ(小米)は21年、IoTシステムのラストピースを埋めるためと稱し、自動(dòng)車生産に乗り出すと宣言した。あれから3年が経過(guò)し、初のEV「SU7」の発売にこぎつけた。

SU7はクーペ風(fēng)のスタイリッシュなセダンで、価格は21萬(wàn)5900元(約453萬(wàn)4000円)から。車載電池トップCATL(寧徳時(shí)代新能源科技)の最新型の三元系リチウムイオン電池「麒麟電池」を採(cǎi)用し、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)を用いた超級(jí)400V高圧プラットフォームにより、一般條件下での航続距離は700キロで、テスラのModel 3より133キロ長(zhǎng)い。最上級(jí)モデルでは800キロも可能。15分で350キロ分を充電できる。これもModel 3より100キロ長(zhǎng)い。最上級(jí)モデルでは800Vプラットフォームで同じく15分で510キロ分が充電可能だ。

シャオミ創(chuàng)業(yè)者兼最高経営責(zé)任者(CEO)の雷軍(レイ?ジュン)氏によると、SU7の開(kāi)発に100億元(約2100億円)を投資した。SU7は最初の5日間で1073臺(tái)を納入し、受注殘は10萬(wàn)臺(tái)を抱えている。雷氏はこれを「予想の3~5倍の成功」と稱した。雷氏の知名度やマーケティングの巧みさが大きく貢獻(xiàn)したようだ。

固體電池搭載車「智己L6」

もう一つの話題の新車は智己汽車(IMモーターズ)の「智己L6」だ。智己汽車は20年に上海汽車(國(guó)有最大の自動(dòng)車企業(yè))、張江高科(上海でハイテクパーク運(yùn)営)、アリババが共同で立ち上げた。23年に純EVのSUV「LS7」と大型セダン「L7」を発売した。第3弾のクーペ風(fēng)セダン「L6」は5月中旬に発売予定で、価格は23萬(wàn)元(約483萬(wàn)円)からとシャオミのSU7とほとんど変わらない。

L6の売りは世界初の量産型固體電池を搭載したことだ。これまでに比べ、出力は30%アップし、0→100キロ加速は2.74秒、航続距離は1000キロ。電池重量は25%軽量化され、急速充電も可能といいことずくめだが、コストは高い。

この電池は上海汽車がバックアップする青島清淘というベンチャーが開(kāi)発し、「光年固體電池」と名付けられた。これまでの半固體電池とは一線を畫(huà)したとしているが、固體か半固體か、業(yè)界では激しい論爭(zhēng)が続いている。BYDとメルセデス?ベンツの合弁企業(yè)「騰勢(shì)(DENZA)」の幹部は、現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で半固體電池を推進(jìn)している人たちは言葉遊びをしているだけだと斷じた。全固體へ一歩近づいたというのが実態(tài)だろうか。とはいえ、インパクトは大きかったようで、予約注文は最初の23時(shí)間で1萬(wàn)臺(tái)を突破した。

消耗戦の先には

新車11車種の中に唯一の日本車、7月中旬発売予定のトヨタ新型プラドがある。生産は一汽トヨタで、2.4Lエンジン+モーターからなる得意のハイブリッドだ。予定価格は47萬(wàn)~57萬(wàn)元(約987萬(wàn)~1197萬(wàn)円)と発表され、予約注文の受付を開(kāi)始すると、わずか1時(shí)間で5000臺(tái)を突破した。1000萬(wàn)円クラスでこの數(shù)量はヒットといえるだろう。

これらインパクトの強(qiáng)い話題の新車は絶好調(diào)だが、それ以外の車種は値引きや補(bǔ)助金頼みの消耗戦となる。ディーラーはそれを覚悟しているがゆえに、慎重姿勢(shì)を崩さない。また、政府の企図した産業(yè)リニューアルも簡(jiǎn)単ではない。EVの値崩れが激しく、これが中古車市場(chǎng)のみならず、市場(chǎng)全體に悪影響を與えているという。激しい消耗戦により、倒れる企業(yè)が出るのは確実だ。そして、その先は見(jiàn)えてこない。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛(ài)知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書(shū):2001年「繊維王國(guó)上海」東京図書(shū)出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書(shū)出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見(jiàn)解であり、RecordChinaの立場(chǎng)を代表するものではありません。

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