中國(guó)メディアの澎湃新聞などによると、中國(guó)の全國(guó)人民代表大會(huì)（全人代）常務(wù)委員會(huì)が26日までに、新型コロナウイルス用ワクチンの開(kāi)発の責(zé)任者を務(wù)めた楊暁明氏の全人代代表（議員）資格をはく奪したことが分かった。理由は重大な規(guī)律違反と違法行為の疑いとした。

全人代は日本の國(guó)會(huì)に相當(dāng)する立法機(jī)関で、「代表」は議員に相當(dāng)する職位だ。代表は中國(guó)の省レベル行政區(qū)による選出者と軍と武裝警察による選出者で構(gòu)成される。楊暁明氏は甘粛省出身のチベット族で、全人代ではチベット自治區(qū)の代表団に所屬していた。全人代では、特に大きな業(yè)績(jī)を持つ人物の場(chǎng)合、出身地や主な活動(dòng)場(chǎng)所とは別の地域の代表団に所屬することが、それほど珍しくない。

中國(guó)には、省レベルや市レベル、県レベルなどで、それぞれの地域の人民代表大會(huì)がある。全人代で省代表団に所屬する代表は、省レベル行政區(qū)の代表の中から選出される。つまり、省レベル行政區(qū)の人民代表大會(huì)の代表の一部が、全人代の代表を兼任する構(gòu)造だ。

楊氏の場(chǎng)合にはチベット自治區(qū)の人民代表大會(huì)常務(wù)委員會(huì)が3月29日付で、全人代代表としての地位をはく奪し、その後に中央の全人代常務(wù)委員會(huì)が、同はく奪を支持した構(gòu)図だ。

楊氏は1962年2月生まれで、生物製剤の専門家。國(guó)家連合ワクチン工程技術(shù)研究センター主任、國(guó)家「863」計(jì)畫ワクチンプロジェクト首席科學(xué)者、北京市に本社を置く製薬會(huì)社の中國(guó)生物製薬の會(huì)長(zhǎng)などを務(wù)めてきた。

楊氏には、ポリオウイルス不活化ワクチンや無(wú)細(xì)胞百日咳ワクチンの開(kāi)発に成功した実績(jī)がある。また2020年には、330日あまりで新型コロナウイルス不活化ワクチンの開(kāi)発に成功した。楊氏はこの功績(jī)で、23年11月に中國(guó)免疫學(xué)會(huì)の「?jìng)艹鰧W(xué)者賞」を受賞した。

ワクチン開(kāi)発には10年以上を要することも珍しくなく、楊氏とそのチームが新型コロナウイルスの開(kāi)発に要した約330日の期間は異例の短さだ。楊氏はかつて、取材を受けた際に、同ワクチンの開(kāi)発に際しては自らが最初の接種を受けた一人と説明したことがある。接種後の9カ月間で60回にわたり血液検査をして、抗體がしっかりと出現(xiàn)していることと、身體には接種した場(chǎng)所に多少の痛みを感じた以外には異常がないことなどを確認(rèn)したという。

楊氏は取材に対してさらに、その後を含めて同ワクチンについては數(shù)萬(wàn)人規(guī)模の臨床実験を行ったが、多くは中國(guó)生物製薬の関係者だったと説明して、それこそが「同社の精神」と述べた。

中國(guó)は楊氏らによる新型コロナウイルス用ワクチンの完成を受け、自國(guó)內(nèi)だけでなく開(kāi)発途上國(guó)を中心に、さまざまな形式で同ワクチンを提供した。そのため、楊氏らが開(kāi)発したワクチンは世界で接種量が最も多い新型コロナウイルス用ワクチンなどと盛んに言われてきた。その意味で楊氏の全人代代表解任は、「コロナとの戦いのヒーロー」が失腳した事態(tài)と言える。（翻訳?編集/如月隼人）