世界最大の自動(dòng)車展示會(huì)「北京モーターショー」が4月25日、4年ぶりに開幕した。會(huì)期は5月4日まで。世界の自動(dòng)車や部品メーカーなど約1500社が出展。278車種の電気自動(dòng)車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHV）などが展示され、活況を呈している。比亜迪（BYD）をはじめとする中國メーカーはEVに力を入れ、IT技術(shù)で他を圧倒している。

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中國では23年にEVの販売臺(tái)數(shù)が前年比2割増え、668萬臺(tái)を超えた。國際エネルギー機(jī)関（IEA）の予測(cè)では、中國のEV（PHVも含む）市場(chǎng)は30年に新車全體の3分の2を占め、35年には85％に達(dá)する見通し。中國政府の政策支援もあり、巨大EV大國として存在感は高まるばかりだ。

スマホ大手?小米、3年で參入、7萬5000臺(tái)販売

スマホ大手の小米（シャオミ）は3月に発表した低価格EVを7萬5723臺(tái)予約販売したと発表。わずか3年で新車を販売し、米テスラ車を下回る価格でEVに參入した。セダンEV「SU7」は車から家電を操作したり、スマホから車の一部機(jī)能を操作したりできるなど、「走るスマホ」を?qū)g現(xiàn)した。

中國國有大手の広州汽車集団が発表した新型EV「AION V」は、高精度地図に頼らない自動(dòng)運(yùn)転技術(shù)を搭載する。自動(dòng)運(yùn)転技術(shù)に高精度地図を使うことが多いが、利用範(fàn)囲が狹い。全地球測(cè)位システム（GPS）や高性能センサー「LiDAR」を活用することで広範(fàn)囲で先進(jìn)的な自動(dòng)運(yùn)転が可能になるという。広州汽車は新型EVを7月に世界展開する。

華為技術(shù)（ファーウェイ）は奇瑞汽車や中堅(jiān)の賽力斯集団（セレス?グループ）と共同でEVブランドを展開し、ファーウェイ獨(dú)自のOSを搭載する。1～3月の中國市場(chǎng)の新エネルギー車の販売臺(tái)數(shù)では、ファーウェイが協(xié)力する多目的スポーツ車「問界M7」が7萬5000臺(tái)となった。米テスラの「モデルY」（10萬3000臺(tái)）に次ぐ販売規(guī)模となった。中國消費(fèi)者の人気を集める。

世界最大のEV市場(chǎng)である中國で、日本勢(shì)は精彩を欠く。中國汽車工業(yè)協(xié)會(huì)によると、中國メーカーのシェアが20年の38％から23年に56％まで躍進(jìn)した一方、日本メーカーは23％から14％まで縮小した。

こうした中、日本車メーカー各社は反転攻勢(shì)に出る。トヨタやホンダ、日産自、マツダが出展。日産はEVやPHVで4車種の試作車を公表し、26年までに発売すると発表した。

中國メーカー各社は新車開発期間を従來の半分の2年程度に縮めて次々と投入。開発スピードで劣勢(shì)の日本勢(shì)は中國IT大手と提攜する道を選択した。

トヨタは中國ITビジネスの巨人?騰訊控股（テンセント）とAI（人工知能）やクラウド、ビッグデータなど3分野で協(xié)力し、24年中に共同開発したサービスなどを搭載した車両を投入する。テンセントは自動(dòng)車分野を成長(zhǎng)領(lǐng)域と位置付けて強(qiáng)化しており、トヨタはEVのIT機(jī)能で先行する中國勢(shì)に対抗する。

中國はトヨタの世界販売の約2割を占める重要市場(chǎng)だが、22年度まで2年連続で減少し、23年度の販売臺(tái)數(shù)も190萬臺(tái)で前年度比1％増にとどまった。中國勢(shì)が急伸する中、反転を狙う。

日産も中國ネット大手の百度（バイドゥ）と協(xié)業(yè)する。百度のAI技術(shù)を車室空間の設(shè)計(jì)やサービスなどに活用する。ホンダも車載ディスプレーでファーウェイと連攜する。

日本企業(yè)、中國IT企業(yè)との提攜で生き殘り

日本の自動(dòng)車メーカーが中國ITと組むのは、最大の自動(dòng)車市場(chǎng)?中國を重要なマーケットと位置付けるからだ。日系自動(dòng)車メーカーの在中國の幹部は「あらゆる方策を追求し、生き殘れる方法を探りたい」と語る。

中國の自動(dòng)車メーカーは日本企業(yè)からエンジン車に関する技術(shù)を?qū)Wぶ形で合弁會(huì)社をつくり、中國市場(chǎng)に商品を投入してきた。だが、EVへの世界的な潮流の中で、このパターンが逆転した格好だ。

中國市場(chǎng)を重視する姿勢(shì)は歐米メーカーも同様だ。ドイツのシュルツ首相は4月にフォルクスワーゲンなど獨(dú)自動(dòng)車企業(yè)トップを引き連れて訪中し、中國首脳らに売り込んだ。

一方、中國國內(nèi)メーカーの生産能力の増大は市場(chǎng)需要の伸びを上回るペースで進(jìn)んでいる。自動(dòng)車各社や各地方政府の計(jì)畫を合算した場(chǎng)合、25年の中國の新エネ車の生産能力は3600萬臺(tái)規(guī)模に達(dá)する見通し。25年の中國販売は1700萬臺(tái)前後のため、2000萬臺(tái)近くが余剰となる計(jì)算だ。

過剰生産?輸出攻勢(shì)で歐米とあつれきも

過剰生産問題を解消するため、中國メーカーは歐州や東南アジアなどへの輸出を強(qiáng)化している。23年の新エネ車の輸出臺(tái)數(shù)は78％増の120萬臺(tái)だったが、25年は350萬臺(tái)規(guī)模に達(dá)する見通しだ。タイをはじめ東南アジア市場(chǎng)ではBYDなどが攻勢(shì)をかけている。

米歐でこの問題に対する警戒感が高まり、EUは中國製EVが補(bǔ)助金で安価に販売され、競(jìng)爭(zhēng)を阻害していないかを調(diào)査。米國もイエレン財(cái)務(wù)長(zhǎng)官が4月に訪中し、過剰生産問題を話し合う枠組みの構(gòu)築で合意した。

こうした中、米EV大手のテスラのイーロン?マスク最高経営責(zé)任者（CEO）は4月末、中國の李強(qiáng)首相と會(huì)談?！钢袊请姎葑詣?dòng)車の発展を見るのは良いことだ。すべての車は將來電動(dòng)化されるだろう」と指摘。マスク氏は「上海の巨大工場(chǎng)は中國チームのおかげで、テスラの工場(chǎng)の中で最も業(yè)績(jī)が良い」と明かし、「中國との協(xié)力関係の一層の深化」を求めた。李首相は「中國におけるテスラの成功は米中の経済協(xié)力の成功例だ」と述べ、中國の巨大市場(chǎng)はこれまで通り外資企業(yè)に開放されると強(qiáng)調(diào)した。

世界の自動(dòng)車市場(chǎng)でのEV化の流れは紆余曲折があっても止まらない。巨大市場(chǎng)と技術(shù)革新を武器に中國自動(dòng)車産業(yè)の快進(jìn)撃は続きそうだ。

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。