パンダを初めてかわいいなと思ったのは2008年、父の駐在で北京に滯在している時(shí)のことだった。北京動(dòng)物園にいる赤ちゃんパンダが、庭の中を走り回り、木によじ登ったと思ったら、うまく登れずに木から落ちて尻もちをついたり、とにかくよく動(dòng)く様子に目を見(jiàn)張った。それまで見(jiàn)たことのあるパンダは皆おそらく大人のパンダで、動(dòng)きがなかったので、パンダってこんなに活発に動(dòng)くんだと感心した。

【その他の寫(xiě)真】

2009年、高校に進(jìn)學(xué)するタイミングで日本に戻り、その後パンダ熱は冷めていた。高校、大學(xué)と進(jìn)學(xué)し、中國(guó)語(yǔ)の勉強(qiáng)は細(xì)々と続けていたが、パンダのことはほぼ忘れていた。しかし、転機(jī)が訪れた。2017年6月12日、上野動(dòng)物園で待望の赤ちゃんパンダが誕生した。シャンシャンである。

テレビでは日々大きくなっていくシャンシャンの様子が放映された。最初はエイリアンのようだったシャンシャンがだんだんふっくらしてきて、うっすらピンク色のふわふわの毛が生え、キラキラした目が開(kāi)き、口角は少し上がり微笑んでいるかのように見(jiàn)えた。お母さんのシンシンが大好きで甘えるような仕草や、飼育員さんにメジャーで身長(zhǎng)を測(cè)られる様子、全てがかわいくてかわいくて、毎日のようにSNSで畫(huà)像を漁った。

上野動(dòng)物園が赤ちゃんパンダの名前を募集していると聞いた時(shí)、急に応募しようという気になり、上野動(dòng)物園のホームページを開(kāi)いた。名前と名前の由來(lái)を書(shū)く欄があり、由來(lái)の欄には「子供の頃、中國(guó)でお手伝いさんに呼ばれていた名前が香香だった?！工扔浫毪筏俊?歳から3歳のことなので、私自身の記憶にはなく、父や母から聞いていたエピソードだった。數(shù)ヶ月後、まさか本當(dāng)に香香になると思わなかったので、名前が決まった時(shí)は嬉しいよりも驚きが大きかった。他にも名付け親となった人はたくさんいたため、名付け親だという証明は応募時(shí)のホームページのスクリーンショットしかないが、名付け親の一人と自認(rèn)し、更に愛(ài)著が芽生えた。

そこから、上野動(dòng)物園の年間パスポートを購(gòu)入し、上野動(dòng)物園に通い詰めた。世の中はシャンシャンフィーバー真っ只中で、2時(shí)間並んでも2分見(jiàn)られるかどうか。しかもまだ赤ちゃんなので、寢ていることや、顔が見(jiàn)えないこともしばしばあった。しかしそれでこそギャンブルのような中毒性があり、何度も何度も暇があれば上野動(dòng)物園へ通い、列に並んだ。園內(nèi)では限定のグッズを買(mǎi)いに行き、香香を題材に書(shū)いたOL川柳も投稿した?！赋证朴啶鼓感预蛉匹伐悭螗伐悭螭恕埂Ｗ苑证螝莩证沥颏饯韦蓼薇恧筏郡瑜Δ?、何の捻りもない川柳だったが、世がシャンシャンフィーバーだったこともあり、なんとこれが入選し、イラストをつけたカレンダーにまでしていただいた?？瘠盲郡瑜Δ胜趣幛刃袆?dòng)力、シャンシャンは私の推しであり、この行動(dòng)は今で言う推し活だったと思う。

2019年、今度は自分自身の駐在で10年ぶりに中國(guó)へ戻った。3回目の中國(guó)滯在で、前回、前々回に滯在した北京でも広州でもなく、住んだことのない上海。その上、仕事で駐在ということもあり、楽しみ半分、不安半分だった。シャンシャンとは遠(yuǎn)距離になり、見(jiàn)にいくこともしばらくなかった。赴任の1年後にコロナウイルスが勃発して、思うようにいかないこともたくさんあったが、上海では日本人中國(guó)人含め色んな人に出會(huì)い、公私ともに大事な仲間がたくさん増え、更に一段中國(guó)という國(guó)の存在が私にとって大きく大事な存在となった。

そして2023年、無(wú)事に4年間の上海駐在を終え、4月についに本帰國(guó)となった。2022年末まで続いた厳しいゼロコロナ政策が終わりを迎えた頃、大好きなシャンシャンが當(dāng)初の予定よりかなり遅れて中國(guó)に戻ってきた。シャンシャンのいる雅安パンダ基地は、四川省の省都?成都から車(chē)で2時(shí)間ほどと行きづらい場(chǎng)所にある。しかし、他のどこよりも行きたい場(chǎng)所だったので、2023年3月末に満を持して會(huì)いに行った。

ところが、シャンシャンの繊細(xì)な性格が考慮され、予定より公開(kāi)時(shí)期が1週間遅れてしまい、パンダ自體はたくさん見(jiàn)ることができたが、殘念ながら雅安でのシャンシャンとの再會(huì)は葉わなかった。パンダ基地の職員にシャンシャンは元?dú)荬葘い亭毪取⒈摔稀溉毡救摔?？」と尋ねた後、「元?dú)荬袱悚胜盲郡楣_(kāi)を検討することだってしないから、元?dú)荬藳Qまっているじゃないか?！工人拇ㄓ灓辘沃袊?guó)語(yǔ)で答えてくれた。

こうしてまたもや、私とシャンシャンは遠(yuǎn)距離になってしまった。しかし、ゼロコロナ政策も終わり、日中の行き來(lái)は今までよりもずっとしやすくなった。いつかまた會(huì)いに行きたいと思う。その時(shí)はシャンシャンも中國(guó)でお母さんになって、私は彼女の子供を見(jiàn)ることだってあるかもしれない。

香香、5年間、暖かいときめきと熱狂をありがとう。近くにいても離れていても、大好きだよ。またどこかで會(huì)おうね。

■原題：「香香」と中國(guó)と私　―また會(huì)える日まで

■執(zhí)筆者プロフィール：髙畑 友香（たかはた ゆか）會(huì)社員 1993年千葉県生まれ。1歳になる前に父の仕事の都合で中國(guó)広州へ。3歳になる年に帰國(guó)。その後小學(xué)校3年時(shí)に再び中國(guó)広州、その後中國(guó)北京に移動(dòng)し、中學(xué)3年時(shí)まで7年間中國(guó)に滯在。お茶の水女子大學(xué)文教育學(xué)部人文科學(xué)科卒業(yè)後、大手服飾資材メーカーに就職し、主に海外営業(yè)支援に従事。3年目まで都內(nèi)で勤務(wù)したのち、4年目より仕事で中國(guó)上海に4年駐在?，F(xiàn)在は帰國(guó)し、東京都內(nèi)に在住。

※本文は、第6回忘れられない中國(guó)滯在エピソード「『香香（シャンシャン）』と中國(guó)と私」（段躍中編、日本僑報(bào)社、2023年）より転載したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。