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中國では銀行員の給料が激減している。職に留まっても給料がさらに下がる可能性は否定できない。離職にはリスクが伴う。一時は「この世の春」を謳歌した銀行員が厳しい狀況に直面している。
中國メディアの澎湃新聞はこのほど、中國の銀行では職員の給料が激減している話題を紹介した。銀行に殘っても、賃金がさらに下がる可能性は否定できない。「これではやっていけない」と離職する選択肢もあるが、リスクが伴う。いずれにせよ、一時は「この世の春」を謳歌した銀行員は、厳しい狀況に直面している。
中國西部のある地方銀行で顧客マネージャーを務(wù)めるZさんは、保険料などを差し引いた5月の給料の手取り額が1000元(約2萬2000円)に満たない計算になった。4月には2000元を超えていたから、半減以下だ。Zさんの手取り給料は、過去には1萬元(約22萬円)を超えることも珍しくなかった。
中國のインターネットSNSでは、銀行業(yè)界の賃金引下げを論じる投稿が激増し、あるSNSでは閲覧回數(shù)が100萬回を突破した。上海に拠點を置いて関連企業(yè)や一般向けに金融情報を提供するWindによると、2023年にはA株上場銀行の42行のうち14行が行員一人當(dāng)たりの報酬を引き下げた。下げ幅は最大で13.95%だった。
鄭州銀行の趙飛董事長(會長)は業(yè)績説明會で、資源の最適化とコスト削減と効率向上を?qū)g施すると述べ、役員報酬は24年から2年に分けて毎年10%引き下げ、現(xiàn)場の行員の賃金を引き上げるなどで収入格差を圧縮すると説明した。
しかし現(xiàn)場行員の説明では、手取り賃金の増加は望めそうにもない狀態(tài)だ。前出のZさんによると、擔(dān)當(dāng)する業(yè)務(wù)のうちで預(yù)金関連では、預(yù)金を獲得するたびに「歩合」が得られる。しかし金額は以前に比べて9割以上も下がった。
また、Zさんが務(wù)める銀行では、毎年の業(yè)績給のうち一定割合は翌年以降に支払われる。この方式自體は労働契約に明記されているが、今年の場合は契約の基準(zhǔn)より減額された狀態(tài)が続いている。銀行側(cè)は、減額分は後で支払うと説明しているが、具體的な時期は知らされていないという。
Zさんによると、銀行側(cè)の業(yè)績考課の方式も変更された。複數(shù)のタスクが設(shè)けられるが、かつては一つのタスクが未達成でも他のタスクが超過達成していれば、差し引きで計算されるので、全體としてタスク達成と認(rèn)められることがあった。しかし現(xiàn)在は、差し引き計算は行われていない。また、銀行側(cè)が達成困難なノルマを設(shè)けるようになった。
また、個人融資関連の業(yè)務(wù)でも、契約を獲得すれば數(shù)百元を得ることができるが、不良債権が1件でも出ると、給料が半年連続で減額される。銀行側(cè)は融資業(yè)務(wù)を伸ばすために「大膽に融資せよ。不良債権を出しても責(zé)任を問わない」と言っているが、とても信用できないという。Zさんは、務(wù)めている銀行について、貸し倒れ率はこれまでとほぼ同様だが、貸し倒れ件數(shù)は増えており、新規(guī)貸し倒れの多くが個人向けの小口融資と説明した。銀行側(cè)が融資を伸ばせと求めても、初めて會った人が優(yōu)良顧客かどうか見極めるのは極めて難しいいので、自分自身のリスクを考えれば、上からの求めに応じることは「基本的に不可能」という。
また、銀行の企業(yè)向け業(yè)務(wù)でも収益性は落ちている。銀行間で優(yōu)良企業(yè)の顧客を奪うためには、貸出金利を下げるしかなく、顧客を引き抜くために、企業(yè)に対する與信枠を大きく設(shè)定し、低い金利で融資を出す銀行もあるという。Zさんは、多額の融資を行うことはできるが金利が低いために収益にはつながらず「仕事を回しているだけ」と説明した。
現(xiàn)場の行員の給與水準(zhǔn)の低下について、國有系大手銀行の中國南部にある支店の責(zé)任者であるWさんは、本社の上級管理部門による分配の方式に関係すると説明した。本社は各地方支店に対して、設(shè)定した基準(zhǔn)を達成できたかどうかで、利益の還元を行う。しかし現(xiàn)在は経済悪化のため地方支店の基準(zhǔn)達成は困難で、本社から地方支店に還元される報酬が減少した。このことが行員に対する報酬の総額に影響が出ている。
また、本社から地方に対する「還元」の計算方式も変更された。Wさんによると、かつては支店が利益を1萬元(約22萬円)増加させれば、本社から200元(約4300円)が還元された。しかし現(xiàn)在では還元額が180元(約3900円)になった。このため、行員が以前と同じ実績を達成しても、給與は減額される可能性があるという。
銀行員の多くは、今の職を続けるか、銀行を出て別の職に就くのかを考えざるを得ない狀況だ。一般的に言って、若い人は銀行を去る傾向が強い。若手の行員は激務(wù)をこなさねばならない割に報酬は低いという狀況が関係しているとみられる。
昨年に大學(xué)を卒業(yè)して銀行に就職したYさんは、離職の道を選んだ。勤務(wù)していたのは中國東部にある銀行店舗で、在職した9カ月間の月給は2000元(約4萬3000円)前後だったが、このままではローンの返済が困難だからだ。退職を申し出たのは今年4月で、入行當(dāng)初の行員に支給される「スタートアップボーナス」の権利も放棄した。Yさんは現(xiàn)在「ある試験」の準(zhǔn)備をしているという。Yさんによると、彼女と同期の新卒行員6人のうち、すでに4人が退職を決めた。
一方で、年配の人は銀行に留まる場合が多いという。まず、別の職についてもよい報酬を得られるかどうか先のことは分からず、自分の両親を含め家族を養(yǎng)えるかどうかに不安を感じるからだ。
また、これまで慣れ親しんだ業(yè)務(wù)を続けたいとの思いもある。銀行で30年近く働いてきたLさんは定年退職も近く、今の職場に留まることを選んだ。Kさんには、かつて大みそかにも店舗に行って殘業(yè)をした思い出もある。給料は下がったが、今はそれほどまでに忙しくなく、苦労はしていないという。
前出のZさんも、銀行員の仕事をこのまま続ける考えだ。給料は今後もさらに下がる可能性があるが、銀行員は立派な仕事であり、福利厚生の水準(zhǔn)も満足でき、保健制度もしっかり適用されているからという。Zさんは「ほかの仕事をしても、ひどい目に會うのは同じ」「お金は立ち去ってしまいました。お金と言うものは、永遠に手元に置いていけるわけじゃありません」と心境を披露した。(翻訳?編集/如月隼人)
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