5月21日には英國(guó)のロンドンからシンガポールに向かっていたシンガポール航空機(jī)が、同月26日にはカタールのドーハからアイルランドのダブリンに向かっていたカタール航空機(jī)が亂気流に巻き込まれて、乗客乗務(wù)員ら多數(shù)が負(fù)傷した。シンガポール航空機(jī)では死者も発生した（発生日付はいずれも現(xiàn)地時(shí)間）。中國(guó)メディアの東方財(cái)富網(wǎng)は、このところ目立つ亂気流絡(luò)みの航空機(jī)の事故について、狀況などを紹介する記事を掲載した。専門(mén)家によると、背景には地球溫暖化があるという。

事故を起こしたシンガポール航空機(jī)は英國(guó)のロンドンからシンガポールに向かう途中で、ミャンマー上空を飛行中の21日に激しい亂気流に巻き込まれた。同機(jī)は高度1萬(wàn)1300メートルを飛行中だったが、高度が9400メートルにまで急低下した。同機(jī)はその後、タイ首都のバンコク近郊のスワンナプーム空港に緊急著陸した。負(fù)傷者の大部分は頭部または脊椎を損傷し、十?dāng)?shù)人は手術(shù)が必要だったという。

カタール航空機(jī)は同國(guó)のドーハからアイルランドのダブリンに向かっていた。トルコ上空を飛行中の26日に亂気流に巻き込まれ、乗客6人と乗務(wù)員6人の計(jì)12人が負(fù)傷した。

香港に拠點(diǎn)を置くグレーター?ベイ航空は5月30日になり、乗客に対してシートベルト著用指示燈が消えていても全行程においてシートベルトの著用を求める聲明を発表した。シンガポール航空は規(guī)則を改正して、全行程においてシートベルトの著用を求めることにした。同社は、シートベルト著用指示燈の點(diǎn)燈は、乗務(wù)員による飲食サービスの停止を意味するものであり、點(diǎn)燈中には乗務(wù)員も全員が著席し、シートベルトを使用するよう求めた。

航空専門(mén)家の間では、事故を起こした2機(jī)は、現(xiàn)在の技術(shù)ではほとんど検知できないCAT（亂気流）に遭遇した可能性があるとの指摘が出ている。つまり航空機(jī)は、何の前兆もなく突入したことになる。

中國(guó)気象學(xué)會(huì)動(dòng)力気象學(xué)委員會(huì)の李國(guó)平委員によると、CATは突発的に発生し、発生範(fàn)囲は狹いが強(qiáng)力だ。また、CATを誘発する特徴的な気象條件も見(jiàn)當(dāng)たらないという。李委員は大気の物理學(xué)的な性質(zhì)や運(yùn)動(dòng)の特性を探る動(dòng)力気象學(xué)の研究を40年にわたり続けてきたベテラン研究者だ。

李委員によると、今後は數(shù)値パターンの解析能力の向上や観測(cè)ネットワークの完備、気象ビッグモデルの応用によって、CATの監(jiān)視と早期警戒能力はある程度向上するとみられるが、正確な探知はそれでも難しいという。

一方で世界的に権威ある科學(xué)學(xué)術(shù)誌のネイチャーはこのほど公式サイトに、気候変動(dòng)が原因になり、今後は航空機(jī)が不安定な気象條件にさらに多く遭遇する可能性があると指摘する論文を掲載した。

英國(guó)のレディング大學(xué)も2023年発行の「地球物理學(xué)研究速報(bào)」で、気候変動(dòng)と飛行機(jī)の揺れの継続時(shí)間の関係を分析した研究論文を発表していた。同研究は地球溫暖化がジェット気流を変化させ、北大西洋と世界のCAT現(xiàn)象を悪化させたとの考えを示した。

レディング大學(xué)の研究者が北太平洋上にある「世界で航空機(jī)が最もよく使う空域」を調(diào)べたところ、1979年には17．7時(shí)間だった深刻な亂気流の持続時(shí)間が、2020年には55％増加して27．4時(shí)間に達(dá)した。同じ時(shí)期に、中程度の亂気流の持続時(shí)間は70．0時(shí)間から96．1時(shí)間と、37％増加した。米國(guó)、歐州、中東、南大西洋の航空機(jī)がよく使うその他の空域でも、亂気流は著しく増加しているという。

論文の共著者の一人であるパウル?ウィリアムズ氏は、「気候変動(dòng)が將來(lái)、CATを増加させると分かった。われわれは、すでにその狀況が始まっている証拠を手に入れた」と説明した。

中國(guó)の李委員も、レディング大學(xué)の研究結(jié)果には納得できるとの考えを示した。李委員は「CATの発生頻度は近年になり、確かに増加傾向にある。これは気候変動(dòng)、特に地球溫暖化と密接な関係がある。地球溫暖化は大気中の対流活動(dòng)の多発と強(qiáng)力化を招き、大気の垂直運(yùn)動(dòng)の幅も大きくする。CATが多発して航空機(jī)が飛行中に揺れる確率が増え、影響が大きくなっている」と指摘した。

李委員は乗客としての対策として、飛行中には必ずシートベルトをすべきと述べ、食事中には警戒を緩めてシートベルトを外す人がいるが、シートベルトを使用しつづけるべきと指摘した。また、揺れが続く場(chǎng)合には頭を下げて膝に近づけて、飛來(lái)物を避けるべきと述べた。トイレ使用でもできるだけ早く座席に戻るべきで、通路を歩いている際に揺れが発生した場(chǎng)合には、近くの空いている席に座ってシートベルトを締めるべきという。（翻訳?編集/如月隼人）