今年は日中戦爭でも極めて重要な戦いだった「衡陽の戦い」の80周年だ。衡陽市を防衛(wèi)していた中國側(cè)の國軍（國民黨軍）は日本軍に大打撃を與えたが、守備責(zé)任者だった方先覚將軍は最終的に投降した。この戦いを描いた映畫作品の「援軍明日到著」（以下、「援軍」）は、予定されていた6月末の公開が危ぶまれる狀態(tài)になった。「ネット左翼」などに批判されたことが関係しているとの見方がある。香港メディアの星島頭條などが伝えた。

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衡陽の戦いは、戦闘開始が1944年6月22日で、終結(jié)が同年8月8日で、一つの都市を巡る攻防戦としては日中戦爭で最長の48日間だった。

日本軍は6月19日に衡陽市に隣接する長沙市を陥落した（いずれも湖南省）。衡陽市は鉄道の重要な分岐點(diǎn)であり、米國の軍人で構(gòu)成され対日戦に參加していた航空部隊(duì)のフライング?タイガースが拠點(diǎn)とする飛行場もあったため、日本軍の次の標(biāo)的となった。日本側(cè)の攻撃兵力は約11萬人で、中國側(cè)の守備兵力は約1萬7000人だったとされる。中國側(cè)は日本軍の総攻撃を何度もはねのけて日本軍は大苦戦したが、中國側(cè)は最終的に弾薬も使い果たした。

日本軍が最終攻撃を開始したのは8月6日で、方將軍は7日に中國軍の重慶本部に「敵は今朝、北から侵入してきた。弾薬も交換品もない。私は祖國に命をささげる。さらばだ」などとする電報(bào)を打った。翌8日には方將軍がいた司令部に日本兵が突入した。方將軍は自殺を図ったが部下に制止されて捕虜になった。方將軍は「日本軍が民間人に危害を加えないこと」や「中國人負(fù)傷者を人道的に手當(dāng)てすること」を條件に投降を認(rèn)め、中國兵に抵抗をやめるよう命じた。方將軍はその後、中國軍の特殊部隊(duì)により救出され、重慶に移った。なお、蔣介石は8月7日に方將軍に向けて「援軍が向かっている。明日、遅滯なく貴官の陣地に到著するであろう」などとする電報(bào)を打ったが、方將軍に屆くことはなかったという。

方將軍を主人公に衡陽防衛(wèi)線を描いた映畫「援軍」の制作プロジェクトが立ち上がったのは2019年で、中國共産黨湖南省委員會(huì)宣伝部から「十四五重點(diǎn)映畫名作プロジェクト」の一作品としても認(rèn)められた。総監(jiān)督を務(wù)めたのは著名な作家で、歴史學(xué)者でもある劉平和氏で、6月末の公開予定だった。同作品への投資総額は5億元（約111億円）超で、60億元（約1330億円）の興行収入を見込んでいたとされる。

しかし同作品は、「崑崙策」などの左派サイトなどで「降伏を美化した」などと攻撃されることになった?！袱长韦瑜Δ嗜宋铯妞榉Qえられれば、われわれの価値観の最も揺るがない土臺(tái)がゆるんでしまう」といった批判もあった。

「援軍」側(cè)は5月27日に、中國のSNSである微博（ウェイボー）の公式アカウントから、全ての投稿を削除し、コメント欄を閉鎖した。微博側(cè)は、「この映畫に関する議論の中で個(gè)別のユーザーが投降主義とあおり立て、歴史についてのニヒリズムの騒ぎを起こした。さらに、わが國の映畫検閲制度およびわが國の制度體制にまで広げて攻撃する投稿を行った。サイトとして、厳粛に処分する」と表明した。またその他にも、「援軍」に関する各方面のインターネット上の論評(píng)も削除された。

臺(tái)灣メディアの中央広播電臺(tái)は同件についての論説で、中國當(dāng)局は國軍の戦爭史を題材にした作品の上映を快く思っていないとする見方を示し、中國側(cè)の映畫、テレビ、文蕓界は今後、投資者、出演者を問わず、國軍の歴史を題材にすることを敬遠(yuǎn)するようになると予想した。（翻訳?編集/如月隼人）