中國で6月に行われる大學(xué)入試「高考」をめぐり、「良い點(diǎn)數(shù)を取ったのに名門大學(xué)を放棄？」とする記事が中國のネット上にこのほど掲載された。

【その他の寫真】

記事が取り上げたのは、高考で672點(diǎn)を取ったある女子生徒のケースだ。名門の浙江大學(xué)に進(jìn)學(xué)できる成績だが選んだのは同大學(xué)よりハードルの低い浙江警察學(xué)院だったという。記事はその理由について「女子生徒の母親が『浙江大學(xué)に進(jìn)學(xué)したとしてもその後は大學(xué)院入試、公務(wù)員試験という道を歩むことになり、競爭のプレッシャーが大きすぎる』と考えたためだ」と伝えた。母親は、正規(guī)雇用の採用枠のある大學(xué)に進(jìn)學(xué)すれば卒業(yè)後すぐに安定した仕事に就けると考えたという。

記事によると、浙江警察學(xué)院の卒業(yè)生は95％以上が各地の公安系の職場に配屬されており、今年はこうした學(xué)校に高得點(diǎn)の受験生の人気が集まって激しい競爭となった。これと密接に関係しているのが中國の現(xiàn)在の経済と雇用の狀況だ。

記事は、「2024年國家公務(wù)員試験に申し込んだ人は約300萬人に上った」「卒業(yè)生1300萬人のうち、採用の連絡(luò)を受けたのはわずか40％だ」と説明し、「公務(wù)員、教師、公的機(jī)関は社會で最も安定した仕事になっていて、ますます多くの學(xué)生は食いはぐれのない働き口を手に入れたがっている」「米スタンフォード大學(xué)を卒業(yè)、帰國して郷鎮(zhèn)の公務(wù)員の仕事を狙う人さえいる」と指摘した。

さらに、「公務(wù)員人気は現(xiàn)在の中國だけでなく1990年代の日本でも見られ、中國におけるこの現(xiàn)象を考える上　で參考になる」と言及。「日本で不動産バブルが崩壊した後、公務(wù)員は日本の學(xué)生が最も憧れる職業(yè)となり、公務(wù)員試験ブームが起きた。だが、民間企業(yè)の回復(fù)や公務(wù)員の仕事がますます忙しくなるにつれて、このブームは引き始めた」と説明し、「日本の24年度國家公務(wù)員採用一般職試験（大卒程度試験）の申込者數(shù)は2萬4240人と、前年度より7．9％減少した。12年度に現(xiàn)行の試験制度になってから最少人數(shù)だ」「要因はさまざまだが、主な理由は『公務(wù)員の激務(wù)』だ」と伝えた。

記事は日本のこうした狀況に言及した上で、「中國も今、不動産危機(jī)に直面している。地方財政は苦境に陥り、公務(wù)員の給與や福利は大幅に縮小しているところだ」と説明。そして、「5年前と比べて新生児は700萬人以上減り、多くの幼稚園が募集人數(shù)を満たせないことが原因で閉鎖に追い込まれた。教師も1人退職すれば1人入れるという具合だ。公務(wù)員が真に『國民の公僕』になる時、公務(wù)員試験ブームは自然と引いていく」と指摘し、「進(jìn)路を決めるに當(dāng)たって目先のことだけにとらわれてはならない」との見方を示した。（翻訳?編集/野谷）