科學(xué)技術(shù)情報(bào)などを配信している中國(guó)メディアの果殼はこのほど、パリ五輪大會(huì)の競(jìng)泳に出場(chǎng)した男子選手はいずれも、體毛をきれいにそり落としていたと紹介する記事を発表した。これまでも「競(jìng)泳の試合に臨む際には、體毛をきれいにそり落としておけば、水の抵抗が減るので有利」などとされていたが、果殼によると、選手の様子を人工知能（AI）で調(diào)べたところ、一様に「體毛なしのツルツル狀態(tài)」であることを確認(rèn)できたという。

【その他の寫真】

7月30日に行われたパリ五輪の男子100メートル背泳ぎの決勝では、イタリアのトーマス?チェコン選手が51秒60の世界新記録で優(yōu)勝した。2位は中國(guó)の徐嘉余選手だった。果殼は「（人が）試合の盛り上がりに驚き、選手のカッコよさに感動(dòng)している一方で、AIが発見したのは、會(huì)場(chǎng)にいた選手が皆、わき毛を剃っていることだった」と紹介した。その他の體毛も剃られていたという。

海外在住中國(guó)人向けの情報(bào)サイトである留園網(wǎng)は果殼記事を引用した上で、自國(guó)選手の寫真を改めて紹介して「ツルツルの徐嘉余」「ツルツルの汪順」「ツルツルの潘展楽」などと評(píng)した。また、2022年に競(jìng)技終了直後に撮影されたチェコン選手の寫真を示して「今よりも明らかに毛深かった」と紹介した。

記事はさらに、米國(guó)のスポーツ科學(xué)誌に掲載された、関連論文を紹介した。19歳から23歳までの米大學(xué)の水泳チームに所屬する男子平泳ぎの選手13人について、體毛を剃った場(chǎng)合と剃らない場(chǎng)合に平泳ぎをした場(chǎng)合の酸素消費(fèi)量と血中の乳酸濃度を測(cè)定したところ、體毛を剃って泳いだ場(chǎng)合にはいずれの濃度も低く、體毛を剃ることが競(jìng)泳をする場(chǎng)合に効果があることが示された。ただし、水泳には選手の実力、試合前の調(diào)整、心理狀態(tài)、水著、プールの深さや溫度などさまざまな要因が絡(luò)むので、試合直前に體毛を剃ることが、どの程度の効果をもたらすのかは斷言できないという。

果殼記事の筆者は不明だが、記事の最後の部分で自らも競(jìng)泳をしていたことがあるとして、「経験談」を披露した。まず、「私は體毛が比較的少ない方だが、試合前には體毛を注意深く取り除いていた」と説明し、理由の一つとしては、體毛を除去した方が水に対する感覚が研ぎ澄まされたからで、次に、試合直前の「セレモニー」の意味があったという。

試合前にチームメートと一緒にシャワーを浴びる際に、18種類の「兵器」で體毛を除去する儀式を行うと「風(fēng)蕭蕭（しょうしょう）としてカミソリ寒し、わき毛すね毛去りて復(fù)（ま）た還（かえ）らず」という気持ちになったという。

最後の部分は、史記に記載のある、燕の太子の丹に秦王の政（後の始皇帝）の暗殺を依頼された荊軻（けいか）という男が口にした別れの言葉のパロディーだ。荊軻は、丹が差し出した燕の領(lǐng)土の地図を渡すという名目で、政の面前に立つことに成功した。巻いていた地図の中に隠し持った匕首（あいくち）で政に切りかかったが、政はきわどいところで難を逃れた。荊軻はその場(chǎng)で殺された。しかし、仮に秦王の暗殺に成功しても、生きて戻ることはできなかったはずだ。

燕の太子の丹らは易水という川のほとりまで荊軻を見送ったが、全員が喪服を著用していた。荊軻は「風(fēng)蕭蕭として易水寒し、壯士ひとたび去りて復(fù)た還らず（風(fēng)が吹き渡って易水は寒い。壯士はいったん去れば、二度と戻ることがない）」と吟じたとされる。（翻訳?編集/如月隼人）