2024年8月15日、環(huán)球時報は岸田文雄首相が9月の自民黨総裁選に出馬しない意向を示したことについて、「日本の政局に新たな変數(shù)が生じた」とする評論記事を掲載した。執(zhí)筆者は中國國家行政學(xué)院國際戦略研究院の于海龍（ユー?ハイロン）氏。

于氏は岸田首相が14日に総裁選に出馬しないことを表明し、約3年にわたる岸田政権が終わりを告げることになったと紹介。出馬斷念の背景には複數(shù)の要素があるとし、一つ目は新型コロナの影響、ロシアとウクライナの紛爭、國際的なエネルギー価格高騰や円安による物価高騰により景気回復(fù)が進(jìn)まず、「新しい資本主義」政策の効果が見えなかったことを挙げた。

二つ目には閣僚の不祥事や統(tǒng)一教會問題、黨內(nèi)の金銭問題などスキャンダルが相次ぎ、內(nèi)閣の不安定さと國民の不信感が高まったこと、三つ目には安全保障政策の軍國主義化と防衛(wèi)費(fèi)増強(qiáng)のための増稅に対する世論の反発を挙げ、ここ數(shù)カ月は內(nèi)閣支持率が約20％という「危険水域」で推移しており、野黨はおろか自民黨內(nèi)からも批判の聲が出ていたと紹介した。

そして、現(xiàn)狀では自民黨の支配的地位が揺らぐことは考えにくく、9月の新総裁選は間違いなく日本の新首相に選出されることになるとする一方、派閥解體が進(jìn)んだ自民黨としては黨內(nèi)の各勢力をいかにまとめ、國民のネガティブな評価を改善するかが重要な課題となっていると指摘。経済発展と政権の安定が自民黨政権にとって最優(yōu)先課題だとした。

さらに、自民黨の右寄りの保守的傾向を根本的に変えることは難しいとし、岸田內(nèi)閣は中國との戦略的互恵関係推進(jìn)を再確認(rèn)し、日韓間の強(qiáng)制労働問題を巡る爭いを緩和するという一定の成果を得た一方で、全般的な外交政策は冷戦マインドから脫卻しておらず、対米外交では本格的な自主性を欠いていたと指摘。次期政権は米國の大統(tǒng)領(lǐng)選の影響を直接受けることになり、短期的に外交の方向性を大転換することはないだろうと論じた。

于氏は、岸田首相が戦後8人目となる在任1000日以上の長期政権を維持したものの、內(nèi)政、外交いずれの政策も明確な戦略性を欠き、山積している課題の解決は「小さなパッチワークの範(fàn)囲に限られている」と指摘。岸田首相の後を継ぐ新首相の下、日本の內(nèi)政と外交がどのような方向に進(jìn)むのかについてはしばらく観察が必要だと結(jié)んだ。（翻訳?編集/川尻）