拡大
市場分析や総合コンサルティングを営む上海嘉世営銷咨詢有限公司(MCR)はこのほど「2024白酒業(yè)界簡易分析リポート」を発表した?!赴拙疲ē啸ぅ弗Γ工趣现袊蝸唤y(tǒng)蒸留酒を指す。
(1 / 5 枚)
中國の「白酒(バイジウ)」とは、伝統(tǒng)的な蒸留酒のことだ。日本で中國酒と言えば紹興酒が有名だ。紹興酒は「黃酒(ホワンジウ)」と呼ばれる醸造酒の一種で、黃酒が愛飲される地域は上海市、浙江省、江蘇省などの比較的狹い範囲だ。一方、全國規(guī)模で飲まれているのは白酒だ。従って白酒業(yè)界の現(xiàn)狀を知れば、中國の伝統(tǒng)酒産業(yè)の狀況をほぼ知ることができるし、酒文化、あるいは中國社會全體における伝統(tǒng)と新たな要素のせめぎ合いも見えて來る。本稿は、上海に拠點を置いて市場分析や総合コンサルティングを営む上海嘉世営銷諮詢有限公司(MCR)による「2024白酒業(yè)界簡易分析リポート」の主要部分に、一部で日本人読者向けの情報を追加するなどで再構成したものだ。
【その他の寫真】
現(xiàn)在の業(yè)界を取り巻く環(huán)境としては、2022年末に感染癥対策が大幅緩和され、23年には宴會需要が引き続き伸びたが、高級酒を用いる接待や贈答などによるビジネス需要は依然として回復過程にある。さらに詳しく論じるならば、23年上半期には需要に勢いが出たが、5月に入ると需要の伸びについて悲観的な見方が急速に広がった。同年10月の経済刺激策も需要を本格的に伸ばすことができず、全體として低調だった。場面別の現(xiàn)狀は次の通り。
1)不況が進行したことで、ビジネス消費が低迷した?!刚鹪吹亍工趣胜盲繕I(yè)界は不動産業(yè)界で、川下?川上分野にも影響が波及した。醫(yī)療、教育、金融なども影響を受けた。
2)宴席関連の需要は依然として高く、構造的にも上向きだ。追い風を受けたブランドとしては、剣南春、古井貢酒、郎酒などがある。
3)多くの地域で、300元(約6000円)以下の酒が多く選ばれるようになった。ただし安徽省や江蘇省など、比較的高級な白酒が好まれる地域もある。
23年の白酒の卸売価格では、200-300元(約4050-6080円)の中級酒や、300-400元(約6080-8100円)の下位クラス準高級酒は、結婚式や誕生日、卒業(yè)祝いなどの宴席需要が引き続き好調であったことで卸売価格が回復し始め、23年の下半期には堅調な推移を示した。
一方で、500-600元(約1萬100-1萬2200円)の上位クラス準高級酒や800-1000元(約1萬6200-2萬300円)の高級酒は3月以降に価格が下落し、年間を通じて低迷した。2000元(約4萬500円)以上の超高級酒は、3-4月や6-7月の閑散期、さらに主要な祝日前は卸売価格が目立って下落したが、年間を通しては比較的安定した動きを見せた。
白酒業(yè)界の23年第1-3四半期の売上高は前年同期比16.12%増の3076億4600萬元(約6兆2300億円)で、うち第3四半期の売上高は前年同期比15.32%増の945億4000萬元(約1兆9200億円)だった。
酒のランク別では、23年第1-3四半期の売上高の増加率は、地域を代表する最高級酒を製造する企業(yè)が19.53%と最も大きく、高級酒メーカーでは17.00%増、準高級酒メーカーは10.89%増、それより低いランクの酒を製造するメーカーは7.60%増だった。
中小の白酒メーカーの多くは苦戦したわけだが、「特色化改革」により、「小さくても素晴らしい酒造會社」に脫皮しつつあるケースもある。例えば古貝春、古貝元、國蘊の3ブランドを有する山東省に本社を置く古貝春集団は、文化面の特色を強調し、消費者に「沒入型體験」を提供したことが奏功して、23年の白酒売上高で前年比16.03%増を達成した。
白酒酒造會社は24年の春節(jié)後、在庫調整や価格維持に比較的成功した。高級酒で有名な「五糧液」社の比較的低価格ブランドである普五は春節(jié)後も価格が安定し、市場予想をやや上回る狀態(tài)を維持した。年間を通じてでは、960元(約1萬9500円)以上の価格で安定する見込みだ。1000元臺の価格帯になり、準高級酒の価格も徐々に上昇すると期待される。
23年第1-3四半期の高級酒の卸売価格は、マクロ経済の回復が緩やかな中で、わずかに弱含みになった。業(yè)界で指標とされる飛天マオタイ酒の卸売価格は2650元(約5萬3700)から2800元(約5萬6700円)の範囲でわずかに上下した。その他の高級酒は供給量が増えたために卸売価格がやや下落したが、依然として合理的な範囲內にある。五糧液は理性的で現(xiàn)実的なアプローチにより、卸売価格が狹い範囲で変動する中で積極的に販売をおこなっている。同じく高級ブランドの國窖は、五糧液に追隨する量販価格戦略を取っており、卸売価格は880元から900元の間で、全體として安定している。
これら三大高級酒とされるマオタイ酒、五糧液、國窖はいずれも価格戦略を優(yōu)先し、卸売業(yè)者に対する出荷の割り當て調整や、デジタル技術を利用した需要動向のリアルタイムでの把握などを用いて供給と需要のバランスを保ち、卸売価格を合理的な範囲內に維持することで、流通価格體系と市場の推移の安定を図っている。
中國では、洋酒文化にあこがれる若者の「白酒離れ」が取りざたされていたが、『2023年中國白酒業(yè)界消費白書』によると、過去5年間で白酒には20%の新しい消費者層が流入し、その83%が1995年以降に生まれた世代だ。白酒を飲み始めて3年未満の新たな消費者のうち38%が25歳以下であり、39%が26-35歳とのデータもある。
中國では2020年ごろから、若年層を中心に自國の伝統(tǒng)文化を高く評価し、娯楽や生活に積極的に取り入れようとする「國潮」などと呼ばれる現(xiàn)象が目立つようになった。若年層の「白酒再評価」はこの流れの一環(huán)と理解することができる。酒造會社にとっては若者を取り込むことが重要な方向性になるはずだ。
白酒の実店舗での購入には、「急に必要になった場合にすぐ入手できる」「長年にわたり形成された人脈関係の活用」「現(xiàn)場での真?zhèn)未_認や包裝検査の容易さ」などの利點があるが、社會全體の傾向と同様に、白酒消費者はオンライン購入に対して積極的な態(tài)度を示している。特に白酒を比較的大量に消費する消費者の78%は、オンラインで購入し自宅にストックしておく傾向がある。
特に地方の小都市の場合には、ブランド力のある酒類を販売する小売店が少なく、消費者の信頼を勝ち取っている店も少ない。また、地方では娯楽の選択肢が限られており、ショートムービーの鑑賞がより多いなど、多くの人がネット利用により親しんでいるなどの狀況もある。したがって、酒類のオンライン販売はより重要になると考えられる。
白酒のプロモーション方法としては、インターネットを通じてのボーナス供與や旅行、コンサート、試飲などがある。特に準高級酒ではプロモーション費用の投下が拡大している。また、特定の地域を主たる市場とする地方酒でも、プロモーション費用が増えつつある。高級酒はマオタイ酒を除き、プロモーションの投下が売り上げ面での逆風を受けて収縮している。また、酒造會社は従來、中間流通業(yè)者を対象とするプロモーション費用の投下に力を入れてきたが、現(xiàn)在ではネットを利用した末端消費者へのボーナス供與や小売店への報酬を強化するなどの動きがある。(翻訳?編集/如月隼人)
Record China
2024/7/25
Record China
2024/7/5
華流
2024/8/25
Record China
2024/8/25
人民網日本語版
2024/8/25
人民網日本語版
2024/8/24
ピックアップ
この記事のコメントを見る