自民黨の総裁選挙（12日告示、27日投開票）に立候補(bǔ)した9人が日本記者クラブでの公開討論會(huì)（9月14日）などに臨み、外交や安全保障政策、対中姿勢でも活発な論戦を繰り広げた。米國は11月の大統(tǒng)領(lǐng)選を控えて內(nèi)向き志向を強(qiáng)め、中東ではパレスチナ自治區(qū)ガザで交戦が続く。隣り合う大國?中國の経済?軍事両面での臺(tái)頭も顕著だ。新総裁は首相就任直後から外交の手腕が問われる。

【その他の寫真】

自民黨総裁選討論會(huì)では中國への対応を巡り活発なやり取りが展開されたが、対話を重視する姿勢は各候補(bǔ)とも共通だった。

対中「戦略的互恵関係」を踏襲

岸田文雄首相は2023年11月の日中首脳會(huì)談で日中両國の共通利益の拡大を目指す「戦略的互恵関係」の推進(jìn)を再確認(rèn)したことや防衛(wèi)力強(qiáng)化や米歐との連攜など現(xiàn)政権の基本方針を各候補(bǔ)とも踏襲する方針を明らかにした。

抑止力強(qiáng)化の具體策を挙げたのは石破茂元幹事長と河野太郎デジタル相。石破氏は集団安全保障の枠組みである北大西洋條約機(jī)構(gòu)（NATO）を模した「アジア版NATO」の創(chuàng)設(shè)に向けた外交努力を積み重ねると強(qiáng)調(diào)した。

河野氏は自衛(wèi)隊(duì)による原子力潛水艦の配備を提起した。日本近海を抜ける他國の潛水艦の動(dòng)きと対峙するための必要性を唱えた。米英豪の安保協(xié)力の枠組み「AUKUS（オーカス）」に日本が加わることも選択肢に挙げた。

8月26日に起きた中國軍機(jī)による領(lǐng)空侵犯を巡って、高市早苗経済安全保障相は「日本に何かを仕掛けても全く効果はないと思わせないといけない」と指摘した。

小林鷹之前経済安保相は「政府は抗議して再発防止を申し入れたが、政治としてもしっかり後押ししないといけない」と提案した。茂木敏充幹事長は「力による一方的な現(xiàn)狀変更の試みに毅然と対応すべきだ」と語った。

保守派とされる高市氏も中國との対話や協(xié)力の必要性を訴え、「世界共通課題のような案件は（日本、中國が）ともに取り組むべきだ」と強(qiáng)調(diào)。小泉進(jìn)次郎元環(huán)境相は「首脳レベルの戦略的外交を進(jìn)め率直な対話をしない限り諸課題を解決できない」と言明した。

日中トップ外交を志向

日中友好議連の會(huì)長を務(wù)めた経験がある林芳正官房長官は「私は知中派だ。中國と向き合っていくためには中國を知っていることは一つのポイントとなる」との考えを示した。

加藤勝信元官房長官も「首脳會(huì)談をやっていくべきだ?！氦长长献jれない』ということを伝えていくのが大事だ」と話した。上川陽子外相は「戦略的互恵関係を推進(jìn)するとともに建設(shè)的かつ安定的な関係の構(gòu)築を雙方の努力で進(jìn)めていく」と岸田政権の外交の継続を主張した。

総裁選候補(bǔ)者の主な発言

■高市早苗経済安全保障擔(dān)當(dāng)相

日本は核不拡散條約を批準(zhǔn)しており、「持たず」「つくらず」。これを守らなければいけない。ただ、米國の拡大抑止の下にあるのであれば「持ち込ませず」という部分についてはどう考えるのか。これをしっかりと議論しなくてはいけない。

■小林鷹之前経済安全保障擔(dān)當(dāng)相

中國が南シナ海や東シナ海の現(xiàn)狀変更を進(jìn)めている。日本の防衛(wèi)力を抜本的に強(qiáng)化する。

■林芳正官房長官

私は知中派。己を知り、敵を知れば百戦あやうからず。中國と向き合っていくためには中國のことを知っていることは一つのポイント。また農(nóng)産物の輸出一つをとっても、規(guī)制緩和解除についていろんな交渉をしているが、相手を知って交渉しなければ結(jié)論を得ることは難しいだろう。中國と仲が良いからといって、譲ったことはない。

■小泉進(jìn)次郎元環(huán)境相

（中國訪問の経験は？）臺(tái)灣は多くある。自民黨青年局長のときに、自民黨青年局は基本的に臺(tái)灣との窓口をやっていたから。中國には當(dāng)時(shí)、私の父が総理で2001年から務(wù)めていて、そのときに靖國參拝で大変なこともあり、リスクを取ることは賢明ではないだろうと…。中國には行ったことはない。中國は今、一黨獨(dú)裁から一人獨(dú)裁になりつつある。トップ同士での會(huì)談ができない限り、さまざまな懸案事項(xiàng)に大きな前向きな打開はないと思う。

父の純一郎元首相が金正日総書記と會(huì)談している。歴史の中で関係を築いた礎(chǔ)の下に、同世代同士で新たな対話機(jī)會(huì)を模索する。

■上川陽子外相

安全保障戦略の第一の要諦は外交にあると思っている。抑止力を発揮していくのが大前提。そのためには平和的外交をいかに進(jìn)めていけるかが問われている。日本は伝統(tǒng)的に中東で大変バランスの取れた外交をしてきた。

■加藤勝信元官房長官

日朝首脳會(huì)談で拉致問題に答えを出す方針で取り組んできた。時(shí)機(jī)を見極めて話ができる関係をつくる。

■河野太郎デジタル相

いかに中國の過剰生産問題に當(dāng)たるか、中國の半導(dǎo)體その他の問題に當(dāng)たるか。民主主義の國々でしっかりと同じ戦略を持って當(dāng)たっていくことが、中國に対しての力になっていくと思う。

日本はパレスチナの2國家解決にずっとコミットし、いずれ條件が整えばパレスチナの國家承認(rèn)をすると言ってきた。日本がこの2國家解決にコミットしているというのを今こそ示すため、パレスチナの國家承認(rèn)をすべきだ。少なくとも在京の公館の地位を高める。それを今こそやるべきではないか。

■石破茂元幹事長

アジアで集団安全保障を模索していくべきだ。國連が機(jī)能しない時(shí)代にアジアに集団安全保障の仕組みを作るのは喫緊の課題。アジア版NATOの創(chuàng)設(shè)を検討すべきだ。日米同盟の対等性は常に希求されるべきものであり、日米地位協(xié)定の改定を目指す。

（トランプ氏が米大統(tǒng)領(lǐng)に返り咲いた場合、日本防衛(wèi)などの條件として在日米軍の駐留経費(fèi)などの負(fù)擔(dān)増を求められる可能性を問われ）負(fù)擔(dān)増は正當(dāng)性を持たない。（日本がすでに十分な負(fù)擔(dān)をしており）論理的に數(shù)字で説明する。

■茂木敏充幹事長

アジア版NATOは現(xiàn)実的ではない。歐州と異なりアジアは多様な価値観、體制の國があり、アジア集団安保は現(xiàn)実的ではない。

11月5日の米大統(tǒng)領(lǐng)選で次期大統(tǒng)領(lǐng)が決まれば早期に會(huì)談する。2025年1月20日の大統(tǒng)領(lǐng)就任式に先立って意思疎通し、日米が共通の認(rèn)識(shí)を持つ狀況にする。

候補(bǔ)者は総裁選を勝ち抜いて首相に就けば「日本の顔」として外交の舞臺(tái)に立つ。11月にはアジア太平洋経済協(xié)力會(huì)議（APEC）首脳會(huì)議や20カ國?地域（G20）首脳會(huì)議があり、新首相と習(xí)近平國家主席が顔を合わせる可能性がある。対等に渡り合える候補(bǔ)は誰なのか、論理構(gòu)成力、アピール力、膽力などが問われる。

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。