2014年9月10日、通産官僚時(shí)代に駐中國(guó)日本大使館參事官や北東アジア課長(zhǎng)などを歴任した津上俊哉氏（津上工作室代表取締役）は、日本記者クラブで講演し、中國(guó)経済の高度成長(zhǎng)は終了し「中國(guó)のGDPが米國(guó)を抜く日は來(lái)ない」と分析。政治、外交も含め今後の中國(guó)を大膽に予測(cè)した。津上氏は「中國(guó)臺(tái)頭の終焉」「中國(guó)停滯の核心」などの著作を通じて中國(guó)の経済社會(huì)の動(dòng)向を辛口トーンで展望、精緻な分析力に定評(píng)がある。

【その他の寫真】

講演要旨は次の通り。

中國(guó)政府は、內(nèi)陸の膨大なインフラ需要、都市化の進(jìn)展、産業(yè)の內(nèi)陸移転などにより日本韓國(guó)、臺(tái)灣など他の東アジア諸國(guó)が中速度成長(zhǎng)に移行した後の狀態(tài)よりは高めの成長(zhǎng)が続くと見(jiàn)ている。

中國(guó)では約10兆円を投入した過(guò)去5年間の投資ブームの後遺癥が不動(dòng)産や金融などの面で深刻化。無(wú)理な投資を続ければハードランディングに陥る。7．5％成長(zhǎng)の継続は無(wú)理との認(rèn)識(shí)から、中國(guó)當(dāng)局はポストバブル期の経済運(yùn)営の在り方を模索。景気下降は瀬在成長(zhǎng)率の低下による構(gòu)造的なものであり、今後は効率重視の中高速成長(zhǎng)時(shí)代を目指すべきだとする「新常態(tài)（ニューノーマル）」論を展開(kāi)している。

一方で、景気急落を避けるため、落ち込む投資を中央財(cái)政出動(dòng)や特定銀行?用途指定の金融緩和などで補(bǔ)う政策を継続している。中央財(cái)政は外債に依存しておらず、資金力も豊富なので負(fù)債を積み上げても大丈夫だが、その先には、日本の財(cái)政の現(xiàn)在の姿に近い姿が待っている。改革が実現(xiàn)するまでの「時(shí)間を買う戦略」と言えるが、改革が進(jìn)むかがカギとなる。

◆地方政府の債務(wù)危機(jī)、中央政府が救済

多くの日本人は中國(guó)経済が崩壊すると予想しているが、バブル崩壊はない。日本とは経済構(gòu)造が異なり強(qiáng)力な権限を持つ中央政府が対応しているからだ。中央の財(cái)政も抜群に健全であり、地方政府の債務(wù)危機(jī)も上級(jí)政府が救済する。地方政府も5月から獨(dú)自の市場(chǎng)救済策を講じている。銀行は國(guó)有であり、不良債権処理も最後は國(guó)庫(kù)が拠り所となる。

日本型の不動(dòng)産バブル崩壊は起きない。ただ、上物の建設(shè)が落ち込み、建設(shè)、鉄、セメント、家電などの業(yè)界に影響を與える。中小開(kāi)発業(yè)者の破たんの増加により、民間金融を中心に不良債権が増加。膨大な借り入れを土地収入に頼って償還している地方政府が債務(wù)危機(jī)に直面する。

長(zhǎng)期的（2025年?）には少子高齢化の影響が深刻化、日本の15年の時(shí)差で日本を追走する。実質(zhì)成長(zhǎng)が困難になる可能性が高い。一方で米國(guó)はシェールガス革命で経済が活性化し、移民受け入れで少子高齢化と無(wú)縁である。中國(guó)のGDP統(tǒng)計(jì)は水増しされており、中國(guó)の実際のGDPが米國(guó)を抜く日は來(lái)ないだろう。＜「習(xí)近平體制は「救國(guó)政権」、中興の祖になるか？＝不安定な日中関係は10年続く―元通産省北東アジア課長(zhǎng)（下）」に続く＞（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。