臺(tái)灣メディアの転角國(guó)際は、人気漫畫(huà)「呪術(shù)廻戦」と日本の宗教や民俗の関係について紹介した記事を掲載した。

記事はまず、「日本で社會(huì)現(xiàn)象的な人気を誇る作品『呪術(shù)廻戦』は、漫畫(huà)家?芥見(jiàn)下々氏が18年に連載を開(kāi)始した漫畫(huà)で、その後アニメ化され、今年年9月末に完結(jié)を迎えた。連載開(kāi)始から6年間、『呪術(shù)廻戦』は広く支持されてきたが、物語(yǔ)の展開(kāi)に関しては、読者の間で賛否両論が巻き起こった」と説明?！浮簠庑g(shù)廻戦』が神作なのか、駄作なのかというという論爭(zhēng)は、近年のアニメファンの間で頻繁に話題になるテーマの一つだ」とし、「さまざまな記録を打ち立てた『鬼滅の刃』と同様、『呪術(shù)廻戦』も世界的なパンデミックの中でヒットした。売上がコロナ禍の影響を受けた可能性もあるが、日本民俗學(xué)の視點(diǎn)から見(jiàn)ると、これらの作品の成功は非常に興味深い。われわれがなじみ深い宗教や民俗の要素を商業(yè)的に成功する作品に変換することは、臺(tái)灣に住むわれわれにとっても學(xué)ぶべきことが多いと言える」と述べた。

記事は、「『呪術(shù)廻戦』では、多くの宗教的要素が取り入れられており、『無(wú)量空処（むりょうくうしょ）』もその一例である」と紹介?！袱长欷?、作中で五條悟（ごじょうさとる）が使う必殺技で、膨大な情報(bào)量を相手の脳內(nèi)に送り込み、相手を完全に停止させるものだ。もともとの仏教用語(yǔ)では『無(wú)量空処』は禪定の一つの境地を指し、有形物質(zhì)を超えて無(wú)限の禪定狀態(tài)に達(dá)することを意味する。これは『空無(wú)辺処（くうむへんしょ）』とも呼ばれている」と説明した。そして、「『無(wú)量空処』以外にも仏教的な要素が取り入れており、作中で五條悟を封印するために使われた特級(jí)呪物?獄門疆（ごくもんきょう）の原型は、実在した僧侶?源信である。源信は天臺(tái)宗の高僧であり、日本の念仏思想の広がりにおいて重要な役割を果たした『往生要集』の作者。この『往生要集』では、地獄での殘酷な刑罰についても多く描かれており、『呪術(shù)廻戦』の設(shè)定では、源信は寛仁元年（1017年）に入滅し、その肉體が呪物?獄門疆に変わったとされている」と解説した。

また、「『呪術(shù)廻戦』の『呪』の概念は、日本のポップカルチャーにおいて再び人気を博している。これは、安倍晴明を主人公にした『陰陽(yáng)師』シリーズの影響が大きいと言えるだろう」と言及?！戈庩?yáng)師の小説や映畫(huà)の中では、人の名前自體が最も原始的な『呪』であり、人が名前を付けられることでその名前に縛られるという『名』と『実』の興味深い対比が描かれている。また、陰陽(yáng)道には『參籠（さんろう）』といった、神社や仏寺に閉じこもって祈願(yuàn)したり、何らかの力を得るために斎戒（さいかい）したりする伝統(tǒng)があり、『呪術(shù)廻戦』の設(shè)定にもこれら陰陽(yáng)道の要素が取り入れられている」と分析した。

さらに、「『呪術(shù)廻戦』には、陰陽(yáng)道の他にも日本古代の郷土伝承や、王朝時(shí)代の呪禁道の伝統(tǒng)を多く取り入れられている。例えば、主人公の體に寄生する『両面宿儺（りょうめんすくな）』は、日本の歴史書(shū)『日本書(shū)紀(jì)』で『二つの顔と四つの手を持つ異形』として記されている?！簛I面宿儺』の正體については、実在の妖怪か、身體的に異常な人間なのか、學(xué)者の間で議論されているが、かつて大和朝廷に反抗した勢(shì)力が、統(tǒng)一過(guò)程で滅ぼされた後、史書(shū)によって妖怪化された存在であると考える人もいる」と紹介?！竾?guó)の歴史書(shū)で悪黨とされた『両面宿儺』は、岐阜県の飛騨地方では民衆(zhòng)を?qū)Гい坑⑿郅趣筏皮ⅳ幛椁欷皮い?。したがって、『呪術(shù)廻戦』で描かれる『両面宿儺』のダークヒーロー的な設(shè)定は、民俗學(xué)的には合理的であり、呪術(shù)師たちが強(qiáng)大でありながらも歴史の影の中で生き、重要でありながらも主流文化に抑圧される存在であったことが表現(xiàn)されている」と論じた。

このほか、「『呪術(shù)廻戦』に登場(chǎng)する『御三家』の一つ、加茂家の発音は、日本の上賀茂神社の『賀茂』と同じ『カモ』である。歴史上の賀茂一族は、平安時(shí)代に安倍晴明が臺(tái)頭する以前、朝廷で『陰陽(yáng)博士』の職を掌握していた伝統(tǒng)的な貴族だった。賀茂家からはもう一人、仏教の密教と神道を結(jié)びつけ、神仏習(xí)合の基礎(chǔ)を築いた修験道の開(kāi)祖?役小角（えんのおづの）が出ている」とし、「圧倒的な強(qiáng)さを持つ五條悟の出身である五條家は、その本家をたどると菅原氏に行き著く。作中では五條悟の先祖が『日本三大怨霊』の一人である菅原道真だとされている。菅原道真は歴史的には大學(xué)者だが、『呪術(shù)廻戦』ではその身分が大呪術(shù)師として拡張されている」と言及した。

記事は、「毎日お経や念仏を唱えている僧侶や信者たちを軽んじてはいけない。彼らの活動(dòng)に目を向けると、実は民間信仰や宗教的な典籍が、創(chuàng)作の寶庫(kù)であることが分かるだろう。これが、筆者が臺(tái)灣の寺院や廟の友人たちに親しみを持っている理由でもある。なぜならいつの日か、そこから臺(tái)灣を代表し、世界中で大ヒットするアニメ作品が生まれるかもしれないのだから！」と結(jié)んだ。（翻訳?編集/巖田）